結核
現在世界各国で毎年約800万人が結核に感染し、その内95%は、発展途上国で発生しています。
これを受けWHO(世界保健機関)は、このまま手を打たなければ、今後10年間に約3000万人の死亡が予測されるということで1993年に「結核非常事態宣言」を発しました。
日本では、戦前戦後を通じて年間10万人以上の死亡者を出し(10人に1人は結核で死亡)、死亡原因のなかでも第1位でした。
まさに「国民病」でしたが、戦後薬剤の開発、栄養状態の改善などで1980年まで順調にその数を減らし「過去の病気」として考えられるようになってきました。
しかし、その後十数年は、あまり改善傾向がなく、足踏み状態が続いていましたが、1997年から増加に転じています。
現在では年間約5万人が感染し、約3000人の方が命を落としています。
結核は、いまなお日本最大の感染症なのです。
日本の結核は、関西以西に多発傾向があり、とくに大阪に多く、その発生率は発展途上国並みといわれています。
日本全体を見ても先進国のなかでは、群を抜いて感染率が高いのが現状です。
また60歳以上の方が感染者の約60%を占めていますが、若年者の減少傾向が見られないのも現代の特徴です。
なぜいま、結核が増加しているのでしょう。
その原因として、60代以上の多く場合は何十年も前に感染し、肺の中で眠っていた結核菌が生活習慣病や食事の栄養バランスの悪化などで抵抗力が落ちたのを機に目を覚まし、再発しているのではないかと考えられています。
若年者も同様で、精神的ストレスや生活習慣病、栄養のアンバランスなどによる免疫力の低下が、感染、発病を招いていると思われます。
最近は集団発生や院内感染などの突発的なパターンが多いのも特徴です。
これらの状況を踏まえ厚生省は1999年、「結核緊急非常事態宣言」を発し、「結核は、過去の病気ではない」と医療機関および行政、国民に警鐘を鳴らしています。
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