耳鼻咽喉の病気
中年以降になると、耳や目、のどなど、耳鼻咽喉科の範囲の器官も例外なく劣化してきます。
それはそれでしかたのないことですが、それにしても中高年や老齢者の耳や鼻、のどなどの疾患には、世間もあまり大きな関心を持たないようにみえます。
しかし、放置して生命にかかわることもあるのです。
ここでは、耳、鼻、のどその他について、四十代を過ぎてから重要になる疾患について、簡単に説明します。
老人性難聴
高齢になるほど進む難聴で、個人差が大きい疾患です。
高音が聞こえにくくなります。
耳鳴りを伴いますが、めまいは起こりません。
これといった予防法や治療法はなく、進んだら補聴器を使用するしかありません。
げんうん症
げんうん症(眩畢症)とは、めまいのことで、末梢性のものと中枢性のものとがあります。
前者の代表はメニエール病ですが、高齢者にはあまり多くありません。
後者の代表は、脳血管障害による一過性の脳虚血発作によるめまいで、こちらは四十歳を過ぎると比較的多くなります。
コレステロールや中性脂肪の血中値が高く、動脈硬化が起きやすい人や、すでに起きている人にはとくに多いので、動脈硬化の予防もたいせつです。
高血庄によるめまいや不定愁訴臨こしてのめまいもあるので、これらとの判別が必要ですが、めまいの治療の基本は薬物療法です。
耳の腫瘍などでもめまいが起こることがあるので、めまいのときはその可能性を忘れずに、CT写真などで検査し、チェックする必要があります。
耳鳴り
耳鳴りは老人性難聴に伴うものが多いのですが、耳の腫瘍によって起きる可能性もあります。
がんこな耳鳴りなどでは、CT写真などで検査しなければなりません。
治療には薬物を用いますが、耳鳴りの症状は消失せず、ただ症状がやわらぐだけのことも多くあります。
ストレス、不眠などのために起きる耳鳴りもあります。
滲出性中耳炎
耳管は中耳(鼓膜の奥にある耳の空間)の気圧を調節している器官ですが、加齢によって耳管の働きが低下してくることがあります。
このとき、中耳に貯留液がたまり、耳閉症と難聴が起こります。
鼓膜や鼓膜の動きを観察して診断できますが、上咽頭や鼻もよく調べます。
耳管や中耳の炎症でも起きることがあります。
治療には、消炎剤を使って、耳管通気(器具を用いて耳管に空気を入れ耳管を開かせるもの)を行います。
また、鼓膜を切開して、貯留液を直接吸引して取ることもあります。
何度取ってもたまるときは、換気用の小さなチューブを鼓膜に挿入します。
鼓室硬化症
耳硬化症ともいいます。
中年以降の女性に多い病気で、難聴がじょじょに進んできて、多くは両耳に生じます。
これは、鼓膜からの音の振動を内耳へと伝えるアブミ骨が、動かなくなっている病気です。
全身麻酔下の手術で、アブミ骨の底板に穴を開け、テフロンピストン(人工のアブミ骨にあたるもの)を挿入すると、多くの場合よく聞こえるようになります。
手術で治すことのできる難聴のひとつですが、一度改善しても、ときには後日聞こえなくなってしまうことがあるので、注意しなければなりません。
そのため、両耳に起こっているときは、まずわるいほうの耳を手術し、もう一方の耳を手術するかどうかは十分考慮して決めます。
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