骨折の三タイプ・治療
日常生活において、お年寄りの女性に多い骨折が三つあります。
第一は、檮骨遠位端骨折といって、しばしば雪の降った翌日に、手をついてころんで、手首の骨を折って受傷します。
若者と違って、骨粗鬆症のために骨がもろく砕けやすくなっており、骨折の治療も手術が必要になったり、また手術がうまくいっても、仮骨のできが遅く、再転位して変形して治癒したりします。
解剖学的に正確に戻さないと、痛みや握力低下を生じたり、手首の動きがわるくなったりして、そのために骨を移植したり、骨を切ったりする第二の手術が必要となることもあり、不快な思いを強いられる結果となってしまいます。
病的な骨折でねこ背になってしまう
第二は、脊椎椎体骨折とか、脊椎圧迫骨折といわれるもので、椎体の海綿骨に始まった骨粗鬆症による病的骨折です。
これが起きると、亀背(いわゆるねこ背)となります。
通常は六十歳代に、自然に発症したり、または、しりもちをついて起こります。
多くは、第一腰椎に発生しますが、骨粗鬆症が進むと、他の椎体にも骨折を生じます。
結果的には、腰痛のほか背中がまがって、身長が低くなり、前かがみの姿勢になります。
脊椎圧迫骨折の治療
手術的に矯正するのは、骨粗鬆症の程度によっては難しいので、歩行や排尿、排便に障害が出ない限り行いません。
通院治療は、骨の破壊、吸収を抑制し、痛みを軽減するために、カルシトニン剤の注射や、骨新生を促すために、1アルファジヒドロキシコーレカルシフェロールという活性型ビタミンD3割の内服をすすめています。
欧米諸国では、骨粗幕症の発症を予防したり治療のために、女性ホルモンであるエストロゲンを用いることが報告されていますが、副作用として乳がんを発生させる危険があるため、日本では一般にはあまり用いられていません。
大腿骨頚部骨折
第三に、臨床的にもっとも困るのが、大腿骨頚部骨折です。
七十歳代に多く発生し、通常、道路、玄関、風呂場などで転倒して、腎部を打撲して受傷します。
老化に伴って、筋肉はやせて、足腰の支えが弱くなります。
筋肉を顕微鏡的に調べると、力はあるが動きの鈍い筋線経に比べて、速く動く性質の筋線経がひどく萎縮しています。
その原因として、神経が障害されていることが考えられます。
つまり、瞬間的な防御反応が鈍くなっているのです。
高齢者では、単なる筋力トレーニングだけでなく、神経系の改善も必要と考えられます。
大腿骨頚部骨折の治療
大腿部骨折の治療は、早期離床をはかる意味で、手術療法が選択されます。
その場合、股関節色の外側で起こった骨折は、一般に年齢が高く、骨粗馨症も高度にみられますが、骨癒合は期待でき、整復して金属またはチタン製内副子固定で治療され、歩行が可能となります。
一方、関節包の内側骨折の場合には、骨頭の部分は壊死に陥りやすく、転位のない場合を除いて、人工骨頭置換術が一般的です。
手術時間は二時間以内ですが、高齢者に麻酔をかけるというリスクが残ります。
カルシウムを摂取、日光によく当たる
大腿骨頚部骨折例の骨塩量を年齢的にみると、七十歳代になると、統計学的に減少しています。
七十歳代は、大腿骨頚部骨折を起こしやすい危険な年齢ともいえるでしょう。
体格指数(BMI)が減少したやせた人は、骨密度も低く、肥満の人に比較して、骨折を起こしやすいという報告もみられます。
その他、骨密度の低下に影響する因子として、糖尿病、卵巣摘出術、胃切除、腎透析などが報告されています。
一方、わかめ、しいたけ、納豆のほか、牛乳やヨーグルトによるカルシウム摂取、日光にあたってよく歩くなども、骨粗髪症に有効なADFR療法のひとつとされています。
骨粗鬆症の診断、程度は、原則的には腰椎の�]線検査で判定されますが、その他、QCT、DXA、しようこつ踵骨超音波、DIP、CXDなどいろいろな方法があり、それぞれ長所、短所があります。
詳細は整形外科医のいる医療機関でたずねてください。
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