尿路結石の予防
食生活、生活習慣に気を配る
尿路結石は、きわめて再発しやすい性質を持ち、十年までの観察で三十〜四十%が再発するといわれています。
結石の成分からみると、カルシウム含有結石が約九十%を占めますが、その成因は不明で、食生活の変化(脂肪、動物性たんぱく質、カルシウム摂取量の増加など)が関係あるものと考えられています。
ただし、尿路結石の再発予防には、食事だけでなく、生活全般に注意する必要があります。
一日三回きちんと食事を摂り、適度な運動と十分な睡眠をとるようにしまめて、濃厚な内容の食事を摂ると、尿を酸性化し、カルシウム、荏酸尿酸などを多く尿中に排泄することになり、結石形成をうながすことになります。
もちろん、適度な運動も必要で、腎結石の発生部位が下腎杯に多いことから、ときどき逆立ちの体位をとり、小結石ができても、早い時期に排看させるようにします。
就寝中の尿量確保
水分摂取
結石形成に関与する尿中の諸物質の濃度を下げるために、十分に水分を摂取し、できれば、少なくとも一日二千ミリリットルの尿量を確保するようにします。
五月から八月にかけて、新たに結石の患者さんが増えてくることからも、季節や気温などを考えて、水分を摂取するようにします。
わが国では、夕食に質、量ともにウエートを置くことが多いため、夕食後に尿中物質の濃度が高くなり、結石ができやすくなります。
「結石は夜つくられる」といわれるように、尿の流れがわるく、尿量が減る就寝中に、濃い尿であることは、たいへん危険な状態といえます。
水分の内容は、普通の水道水を使った番茶やほうじ茶が好ましく、紅茶や緑茶(玉露、煎茶)は荏酸含有量が多く、牛乳、乳製品(チーズ、バター)もカルシウム含有量が多いため、過度の摂取を控えるようにします。
尿量を増やすためにビール、コーヒーを飲むのは、逆に尿中への尿酸排泄を増加させ、結石形成を促進させることになるので好ましくありません。
動物性たんぱく質とカルシウムは控えめにする
動物性たんぱく質の過剰摂取は、尿を酸性にし、尿酸、カルシウム、藤酸の尿中排泄を増加させ、クエン酸の尿中排泄を減少させます。
カルシウムの過剰摂取も控えるようにしますが、カルシウムを過度に制限しすぎると、腸管内の遊離型荏酸を増加させ、荏酸の吸収を促進させることになります。
ほうれん草、チョコレート、たけのこ、ナッツ類、柑橘類は比較的荏酸の含有量が多いので、過度の摂取に注意するようにしましょう。
ほうれん草は、ゆがくと荏酸含有量が減るので、ゆがいて食べることが望ましく、ゆがいたお湯は、料理に絶対使わないようにします。
また、ほうれん草といっしょにカルシウム製品を食べることによって、腸内で荏酸カルシウムが形成され、糞便中に出るため、腸からの荏酸吸収量が減少します。
ほうれん草にかつお節をかけて食べるのは、理にかなったことなのです。
尿中ナトリウム排泄量と、尿酸、リン酸、マグネシウム排泄量は相関関係があり、結石の予防のために、減塩食がすすめられます。
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