胃・十二指腸潰瘍の原因
胃・十二指腸潰瘍は、胃酸とペプシンによって自分の胃・十二指腸粘膜を消化し、ただれたり、くずれたりした状態をいいます。
ただし、これは潰瘍形成の最終段階であり、胃・十二指腸潰瘍の撮因が、胃酸とペプシンだけというわけではありません。
というのは、胃酸とペプシンは胃液の成分で、胃・十二指腸潰瘍のない人にも普通に存在するからです。
なお、胃酸の働きによって、ペプシンの前段階のペプシノーゲンが活性化されてペプシンに変えられます。ペプシンの働きは、たんばく質を分解することです。
胃・十二指腸潰瘍の原因については、以前からいろいろな説がありますが、現在では、ひとつの原因によって起こるのではなく、複数の原因がからみ合って起こるものと考えられています。
複数の原因は、攻撃因子(ペプシン、胃酸、アルコール、たばこ、食物、胆汁、消炎鎮痛剤、ヘリコ バクター・ピロリ菌、ストレスなど)と、防御因子(粘膜の抵抗性、粘膜の血流、粘液など)の二つに分けて考えられています。
この攻撃因子と防御因子は、通常では防御因子が優位ですが、攻撃因子が優位になった場合に、胃・十二指腸潰瘍ができるという考えです。
胃・十二指腸潰瘍の発症要因
胃・十二指腸潰瘍患者の血縁者に、同じ潰瘍患者が多いという報告や、二卵性双生児よりも一卵性双生児に、冒・十二指腸潰瘍発症の一致率が高いという報告から、遺伝的要因も考えられています。
つまり、遺伝的要因に環境因子が作用して発症する多因子性遺伝疾患と考えられています。
また、よく胃・十二指腸潰瘍は、体質にもよるものといわれますが、どういう人が、どういうときに潰瘍になるかということに関して定説はありません。
一般的には、つぎに述べるリスクファクターをより多く持つ人が、潰瘍になりやすいと考えられます。
胃酸過多、喫煙、酒も危険因子
胃酸だけでは潰瘍にはなりませんが、胃酸過多の人は注意が必要です。
ゾリンジャー・エリソン症候群という膵臓にできる腫瘍がありますが、これは胃酸の分泌を促進するガストリンを産生する腫瘍で、ガストリノーマともいわれます。
これには難治性の胃・十二指腸潰瘍が発生し、合併症も効率にみられます。
喫煙・過度の飲酒
いずれも胃粘膜の血流を障害し、またアルコールは直接、胃粘膜を障害します。
不規則な食事時間・食生活
にんにく、コーヒー、強烈な香辛料、刺激性のし好品は、胃酸分泌を促進します。炭酸飲料もよくありません。
また、食事時間が不規則になるのもよくありません。
ストレス
ストレスは精神的なものと肉体的なものに分けられますが、それぞれ胃・十二指腸潰瘍の発生に密接な関係があります。
精神的なものにはしごと、家庭、人間関係の悩みによるストレスなどがありますが、精神的ストレスそのものだけでなく、それによるアルコールやたばこの量の増加、睡眠不足なども二次的に影響を及ぼします。
肉体的なものとしては過労、手術、外傷、熱傷、脳血管障害などによるストレスがあります。
睡眠不足
精神的にも肉体的にも健康上、好ましくありません。
他疾患の合併
肝硬変、肺機能障害、中枢神経系障害、心疾患、尿毒症などでは、潰瘍の合併が多くみられます。
薬剤
胃・十二指腸潰瘍の原因・誘因となる薬剤でもっとも多いのは、非ステロイド系消炎鎮痛剤(痛み止め、解熱剤)です。
この多くは内服薬によるものですが、坐薬によるものもあります。
慢性関節リウマチをはじめとする膠原病、脳血管疾患、心疾患の治療あるいは予防のために、長期間服用する場合は注意が必要です。
他の原因薬剤として総合感冒剤、ステロイド剤、抗生物質、抗がん剤などがあります。
胃・十二指腸潰瘍の既往
胃・十二指腸潰瘍はとても再発しやすいので、過去に胃・十二指腸潰瘍になったことのある人は、より注意が必要です。
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