胃・十二指腸潰瘍の合併症
吐血、下血その他の重大な合併症もある
合併症
胃潰瘍・十二指腸潰瘍では、重い合併症(余病)を起こすことがあります。
出血
潰瘍からの出血は、吐血(血を吐いたり、吐いたものに血が混じること)および下血(優に血が混じったり、便がコールタールのように黒くなること)として現れます。
血液は、胃酸にさらされると、ヘモグロビンが塩酸へマチンとなって黒色調となり、胃液や食物などに混じると、コーヒー残漆(コーヒーの残りかす)様になります。
下血がコールタールのように黒くなるのも同じ理由です。
下血の場合、五十ミリリットルの少量出血でも、黒色便(タール便)となります。
吐血は胃潰瘍に多く、下血は胃潰瘍、十二指腸潰瘍ともにみられます。
出血が少量でも、長い間続いて起こると貧血になり、顔色がわるくなったり、息切れ、動惇、めまい、ふらつきなどがみられることもあります。
大量に出血すると、脈拍が多くなり、血圧が下がり、意識を失ったりすることがあります。
これをショック状態といい、緊急治療が必要となります。
胃・十二指腸潰瘍から出血したとき、多くは心駕部痛などを伴いますが、まったく症状がなく、突発的に出血することもあります。
胃・十二指腸潰瘍
潰瘍がじょじょに深くなり、冒あるいは十二指腸壁に穴があくことを穿孔といいます。
穿孔を起こすと、冒・十二指腸の内容物(胃液、腸液、胆汁、食物など)が、腹腔内に漏れて腹膜炎を起こします。
穿孔の頻度は胃潰瘍で五〜十三%、十二指腸潰瘍で八〜二十一%で、十二指腸潰瘍の穿孔率は胃潰瘍の約二倍となっています。
穿孔を起こすと、突発的に上腹部の激痛が出現し、疹痛は腹部全体、右肩や背中に広がります。
腹部は板のように硬くなり、顔面は蒼白となって、苦痛にゆがみ、脈拍は弱くなります。
しかし、高齢者の場合は、自他覚症状が乏しいこともあります。
狭窄
潰瘍の療痕(ひきつれ)やむくみのために、胃・十二指腸の内腔が狭くなり、通過がわるくなることをいいます。
狭窄の頻度は胃潰瘍で二・三%、十二指腸潰瘍で十三・九%で、十二指腸潰瘍の狭窄率は胃潰瘍の約六倍となっています。
狭窄を起こすと、吐き気、嘔吐、腹部膨満感がみられ、吐くことによって腹部膨満感は楽になります。
しかしさらに悪化すると、食物がまったく通過しなくなり、食事が摂れなくなり、体重減少、全身衰弱も出現します。
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