痛風になりやすい人
活動的、改革的な男性で 肉親、アルコール大好き人間
痛風におなりやすい傾向として。もっともはっきりしているのは男女差で、男性に圧倒的に多く見られます。
このほか、性格的には活動的、攻撃的な人に多く、仕事などでストレスを受けやすい立場の人、太っている人、激しい運動をする人にも多くみられます。
食べものでは、アルコール、とくにビールの好きな人、果物の好きな人、アジ、イワシの干物、エビ、タコ、イカ、動物のレバーなど、プリン体を多く含んだものが好きな人、牛肉や豚肉の好きな人、野菜、海藻類のきらいな人などがあげられます。
とくに男性では、肉類が好きな人とアルコールの飲みすぎが大きな問題であると思われます。
前者は動物性脂肪が尿酸の排泄を抑制し、また肥満の原因にもなり、後者ではアルコール自体に尿酸が含まれているうえ、肝臓でのプリン体の生成を促進し、尿酸を増加させるとともに尿酸の排泄を阻害することなど、高尿酸血症を増要させる要素を多数持っています。
アルコールの種類別の適量は、日本酒なら一合、ウイスキーならシングル二杯、ビールは中ビンで一本まででしょう。
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痛風の治療
合併症の予防と治療血中尿酸値を正常に
急性関節炎の激しい痛風発作が突然出現したときには、これをできるだけ早く治すことが主眼となりますが、痛風の治療で、もっとも根本的でたいせつなことは、血中の尿酸値を正常に保つことです。これは将来の合併症の予防にもつながります。
急性発作の原因となった尿酸の代謝異常が治ることは、まずあり得ません。
そのため、ほとんど一生涯コントロールしていく必要があります。
放置して慢性期に入った痛風では、腎障害をはじめとして、他の合併症も進行して、治療はいっそう難しくなります。
食事療法
痛風の治療で、もっとも基本的でたいせつなことです。
(1)プリン体を多く含んだ食品を控えること。
プリン体は体内で代謝され、尿酸になって腎臓から排泄されますが、その量は限られていますので、排泄量を超えるほどのプリン体を摂ると、高尿酸血症を招くことになります。
(2)アルコール類を飲みすぎないこと。
なかでも醸造酒やビールにはプリン体が多く含まれています。
ウイスキー、焼酎などには少ないといわれていますが、いずれにしてもアルコールは体内での尿酸産生を促進し、加えて尿酸が尿から排泄されるのを妨げるので控えましょう。
(3)脂肪分を摂りすぎないこと。肥満につながるので控えましょう。
(4)アルカリ性食品を摂ること。尿が酸性になって結石をつくるのを防いでくれます。
(5)尿量を増やし腎臓での結石を防ぐため、一日の尿量が二リットル以上になるように、水分は十分に摂ること。
とくに夏は汗で水分が失われるため注意が必要です。
(6)肥満にならないよう、摂取カロリーに注意すること。体重が増えると尿酸値が上昇しやすくなります。
(7)合併症として高血圧、高脂血症、糖尿病などがあるときは、これらの食事療法も併せて行うこと。
薬物療法
薬を用いて治療する必要があるのは、つぎの症状がひとつでもあるときです。
(1)尿酸値が常に8.0mg/dl以上ある。
(2)明らかに腎臓障害がある。
(3)一年に二回以上痛風発作が起きる。
(4)慢性痛風になったり、痛風結節や腎臓結石ができた。
治療は、痛風発作に対する治療と高尿酸血症の治療に分けて考えられます。
痛風発作に対しては、痛みの前兆があったときに、コルヒチンを一錠だけ服用して、発作が起こるのを抑えます。
ただし、起きてしまった発作に対しては、コルヒチンは無効で、非ステロイド系の消炎鎮痛剤を用いて治療します。
高尿酸血症に対しては、(1)尿酸の過剰生成を抑える薬剤(アロブリノール)と(2)尿酸の尿中排泄を促進する薬剤(ユリノーム、プロベネシドなど)を使用します。
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痛風の予防
脂肪とアルコールほほどほどにコントロール
適度の運動と十分な睡眠時間、そして食事ではプリン体の多い食品や、動物性食品とくに脂肪の摂りすぎに注意し、アルコールは適量を超えない量で楽しみましょう。
体重にも注意しましょう。
肥満者には高尿酸血症が多く、他の成人病の引きがねにもなります。自分の標準体重を保てるよう、摂取するカロリーにも注意しましょう。
健康診断(成人病健診)を定期的に受け、高尿酸血症の早期発見につとめ、適切な予防と治療をすることがたいせつです。
腎障害、虚血性心疾患、脳血管障害などの恐ろしい合併症に苦しめられないためにも、ぜひ心がけてください。
すでに高尿酸血症で内服治療を行っている人は、薬は主治医の指示どおり確実に服用してください。
症状がないからといってかってに中止したり、飲んだり飲まなかったり、飲む量を変えたりしないで、根気よく治療を続けることがたいせつです。
高血圧の薬などにも尿酸値を高くするものがあります。
したがって他の疾患のために薬を服用しているときは、必ず主治医に知らせるようにしましょう。
逆に、痛風以外のことで他の医師にかかるようなことがあれば、痛風のあることを知らせる必要があります。
痛風、高尿酸血症は完治する病気ではありません。
しかし適切な自己管理と治療によって、十分コントロールが可能な病気です。
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痛風の原因
体内での尿酸の過剰生産
痛風、高尿酸血症は、戦前には少ない病気でしたが、(1)食生活の欧米化、すなわち高エネルギー、過栄養、動物性食品などの摂りすぎ、(2)アルコール摂取量の増加などによって、急激に増加してきています。
日本では現在四十〜五十万人の痛風患者がおり、さらに高尿酸血症の人は二百〜四百万人いるものと推定され、とくに男性では、四十歳以上の人の十人に一人は高尿酸血症であるといわれています。
血液中の尿酸の濃度は、体内で尿酸が過剰に産生されるか、または体外への排泄が低下することによって高くなります。
これを高尿酸血症といいますが、この状態でも、関節炎のない期間(無症候性高尿酸血症)が、数年から十数年あります。
しかし、この間にも、高尿酸による腎障害は起こり始めています。
高尿酸血症にいろいろな誘因が加わって急性関節炎すなわち痛風を発症します。
発症の頻度は、血清尿酸値が高くなるほど大きくなり、6.9mg/dl以下では、発作の出現は2.5%、7.0〜7.9個mg/dlでは十六%、8.0〜8.9mg/dlでは25%、9.0mg/dl以上では九十%との報告があります。
痛風を発症しない間にも、合併症は確実に進行しています。
たとえば、痛風発作が出る前に、高血圧、心臓病、肥満、糖尿病などが起こりやすくなり、とくに腎臓では、尿酸の結晶が尿細管を傷つけ、血尿やたんばく尿が認められ、尿の濃縮力も低下してきます。
慢性化すると合併症も悪化
急性関節炎は何年かの無症状の時期を経て、ある日突然発症します。
それは左右いずれか一方の足の親指などに起き、数時間で赤くはれあがり、痛みのため歩行もできなくなるほどの痛風発作です。
痛みはだいたい二十四時間以内に頂点に達し、最初の発作では、ほとんどが二〜三日で痛みはなくなります。
はじめての発作が起きる年齢は、四十〜四十五歳に多いのですが、最近は発病の若年化傾向もあり、二十⊥二十歳代の男性にも増加しています。
発作がおさまったからといって放置していると、だいたい半年くらいで再発することが多いのも、この病気の特徴のひとつです。
しだいに、ひとつの発作が治りきらないうちに、つぎの発作が起きるようになり、関節炎が慢性化するようになると、腎臓をはじめとする他の合併症も急速に悪化し、腎不全から尿毒症をきたして、死亡することさえあります。
このほか、高血圧、肥満、高脂血症などの合併症も多くみられ、これらがからみ合って、狭心症や心筋梗塞、脳血管障害などの死に至ることもある疾患を引き起こすこともあります。
痛風が単に関節だけの病気ではなく、尿酸代謝異常に基づく全身の病気であることを理解し、早期に的確な診断をしてもらったうえで、適切な治療を受けることがたいせつです。
尿酸とは
尿酸とは、細胞を構成している核酸が新陳代謝によって分解されてできる老廃物のひとつで、とくにプリン体という物質を多く含む食物を摂取することによって、血中に増加してくる物質です。
私たちの細胞で分解、合成される尿酸の量と、尿中などに排泄される尿酸の一日量は約六百ミリグラムに保たれていますが、なんらかの原因でこの生成と排泄のバランスがくずれ、過剰に生成されたり、排泄率が低下して、血液中の尿酸が増加した状態を、高尿酸血症といいます。
この高尿酸血症自体は、はじめのうちこそ自覚症状もありませんが、放置していると血液中に溶けきれない尿酸が結晶を形成し、関節、腎臓、耳たぶなどに沈着し、関節や腎臓の障害、心血管系の障害などを引き起こします。
尿酸の生成と排泄のバランスがくずれる原因の大部分は、先天的、遺伝的な素因に基づくものといわれていますが、そのほか食事やスポーツなどの諸因子がからみ合っていたり、他の疾病が原因で発症するものなどが、約五%くらいあるといわれています。
もともと私たちのからだには、千二百ミリグラムの尿酸が血液、その他の体液に溶解しています。
そこへ、一日あたり食べ物に含まれて百ミリグラムの尿酸と、細胞の新陳代謝の結果生じた約五百ミリグラムの尿酸の合計六百ミリグラムが、さらに入ってきます。
一方、腎臓から尿中に約四百五十ミリグラム、便として約百五十ミリグラムの合計六百ミリグラムが排泄されます。
このように尿酸の一日の出入りはほぼ一定に保たれ、血清尿酸値もほぼ一定の値を示します。
高尿酸血症になるのは、(1)尿酸の産生過剰型が全体の約二十%、(2)尿酸排泄低下型が約七十%、(3)混合型が約十%の割合です。
これらは本態性または原発性といわれ、痛風の大部分を占めていますが、生まれつきの体質によるもので原因は不明です。
ほかに二次性(続発性)といわれるものがあり、白血病、慢性腎疾患、多血症などの疾患に伴って起こってくるものや、ある種の降圧剤や抗結核剤などの薬剤の副作用として起こってくるものなどがあります。
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痛風
足の親指に起きる関節のはれと激痛
足をぶつけたり、捻挫をしたり、ケガをした覚えもないのに、突然夜中に足の親指の付け根に、強烈な痛みとはれが起こったことはありませんか?
痛風発作の約七十%は足の親指の付け根に起こります。
また、それらの症状は、数日から一週間くらいでおさまってしまって、忘れていたのに、その半年後から数年たって、ふたたび同じような激痛が起こったりしていませんか?
このように足の親指の付け根に起こる突発的な関節のはれと強烈な痛みが、痛風の特徴的な症状です。
痛風は以前は「帝王の病気」とか「ぜいたく病」などといわれ、日本では少ない病気でしたが、最近はごくありふれた病気となりました。
発症も若年化してきて、患者は四十〜五十万人いるといわれ、さらに増加の傾向にあります。
痛風は男性に圧倒的に多い病気で、日本では患者の約九十九%は男性が占めています。
痛風を発症する背景には、高尿酸血症という状態があります。これも男性に多いのですが、女性に高尿酸血症が少ない理由ははっきりしていません。
男性は、思春期に血液中の尿酸値が上昇するのに対して、女性の場合は、女性ホルモンが尿酸の排泄を促進させるため、尿酸値の上昇をみないことと関係しているともいわれています。
女性が痛風を発症するのは、非常にまれですが、卵巣機能の衰退によって女性ホルモンが減少してくる更年期になってから発症することが多いようです。
また、性格的なこととの関係が最近明らかになってきました。
たとえば、なにごとにも積極的で行動力のある人、職場では管理職などで、ストレスを受けやすい人などに多くみられます。
太っている人に多いこともわかっています。
親やきょうだいに痛風の人がいる場合は、痛風になる可能性が高く、父親が痛風で息子も痛風というケースが十〜十二%も認められています。
これは、親子、きょうだいなどは家族内で食生活を共有することが多いため、食事の影響も考えられますが、遺伝子もかかわっているといわれています。
日本人では、尿酸の代謝異常などの遺伝的な要因で発症している人が痛風全体の約十%くらいといわれています。外国ではもう少し多いようです。
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