肝硬変
肝障害が長く続き肝臓の機能が低下
肝硬変とは、長期間にわたって肝障害(肝細胞の破壊)が続き、肝臓が硬い疲痕組織のかたまりになり、肝臓本来の機能が低下してしまう病気です。
わが国では、B型、C型慢性肝炎から肝硬変に移行する場合がほとんどで、全体の七十〜八十%を占めています。
A型急性肝炎や成人以降に感染、発症したB型急性肝炎は、ほとんど慢性化しないので、肝硬変に移行することはありません。
欧米では、肝硬変の大部分がアルコール性肝硬変で、最近わが国でもじょじよに増加しています。
厚生省の人口動態統計によると、肝硬変は死亡率第八位で、高齢者の男性に多く、男女比は二以上となっています。
肝硬変の様々な症状
ひとくちに肝硬変といっても、程度はさまざまで、その程度によって症状も多彩です。
組織所見では、肝硬変に至っていても、肝機能が保たれていれば症状も軽く、検査上の異常もあまりみられません。
このような状態を代償性肝硬変、もしくは安定期といいます。
進行すると、全身倦怠感、食欲不振、吐き気、疲労感を感じたり、肝臓や牌臓がはれたりし、腹腔内に水がたまってくると、腹部膨満感を感じるようになります。
そのほかにも、肝機能が低下し、エストロゲン(女性ホルモン)を不活化できなくなるため、てのひらが赤くなったり(手掌紅班)、皮膚にくも状の血管腫ができたり(くも状血管腫)、男性の乳房(乳腺)が大きくなったりします(女性化乳房)。
重症になると、体重が減少し、黄症が出たり、腹部や食道の静脈が太く、こぶ状になります(食道静脈痛)。
食道静脈癌は破裂すると、大量の吐血、下血をきたします。
このように、多彩な症状がみられる状態を非代償性肝硬変といいます。
生体に必要な肝機能が発揮できなくなると(肝不全)、ちょっとした傷でも非常に出血しやすくなったり(出血傾向)、出血が止まりにくくなったり、肝性脳症といって性格の変化、知能レベルの低下をきたし、黄終的に昏睡状態となります。
いずれにしても非代償性肝硬変になると予後は非常に悪くなります。
また、B型、C型肝炎ウイルスによる肝硬変では、肝細胞がんの併発が多く、肝細胞がんの九十%以上が、肝硬変を基礎疾患として持っています。
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