肝炎
急性肝炎は、肝炎ウイルス、その他のウイルス、アルコール、薬剤などによって急性の肝障害が起こり、発熱、全身倦怠感、食欲不振、吐き気・嘔吐、黄痘などの症状を呈する疾患です。
通常、原因が除去されれば、肝障害は改善し、病気は治癒しますが、急速に肝不全に陥る劇症肝炎を起こしたり、原因が持続するために、慢性肝炎に移行するものもあります。
A型肝炎
A型肝炎は、一般的には経口感染します。以前は学校、施設などで、汚染された地下水による集団発生が多かったのですが、衛生環境の改善とともに、このような発生は減少しました。
最近は、カキなどの生の魚介類の摂取によると思われる、 春から夏にかけての散発性の発生が多くなりました。
また、海外のA型肝炎発生の多い地域への旅行も感染経路となることがあります。
A型肝炎は慢性化することはなく、劇症肝炎に移行することもまれで、発症後六〜八週から数か月で治癒する予後良好な疾患といえます。
急性肝炎
一般的には、肝炎ウイルウの感染によるものをいいます。
A型肝炎の症状
潜伏期間は四週で、はじめに発熱、咽頭痛、関節痛などのかぜに似た症状が出現します。続いて全身倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐などの消化器症状が出現し、その後、黄症が出現します。
A型肝炎の診断
血清中の1gM抗HAV抗体を測定します。1gM抗HAV抗体は、発症一週目から検出され、三〜四週目に抗体値はピークとなり、三〜六か月日になると陰性化します。
B型肝炎
B型肝炎の感染経路には、輸血、汚染された注射針などによる医療事故、夫婦間感染(性的接触)、母子感染などがありますが、HBs抗原・HBc抗体の検査が実施されるようになったことから、輸血による感染はほぼなくなりました。
また、医療事故による感染は、HBワクチン、HBグロブリンの並日及による感染防御の徹底により減少しました。
現在B型肝炎のおもな感染は、母から子への母子感染と、性的接触によるものとなりました。このうち母子感染は、出生前後の母体血の児への流入、あるいは産道での血液や分泌物からの感染が、王と考えられ、「キャリア」のおもな発生源となっています。
予防処置として、出生直後に受動免疫としてHBグロブリンを投与し、その後HBワクチンを投与して、能動免疫を獲得させる方法が実施されています。
B型肝炎の症状
潜伏期間は四〜二十四週で、A型肝炎に比べて発熱、消火器症状は軽度です。
黄疸はほぼ必ず出現し、ほかに筋肉痛、関節痛、神経痛、発疹などの症状がみられます。
B型肝炎の診断
血清中の1gM型HBc抗体を測定します。通常、HBs抗原が陽性になりますが、重症および劇症肝炎では、HBs抗原がすでに血中から消失している場合もあります。
C型肝炎の診断
B型肝炎と同様に血液を介して感染し、感染経路もほぼ同様です。
1980年代の輸血後肝炎は、90〜95%がC型肝炎でしたが、1990年代に入り、HCV抗体のスクリーニングが行われるようになり、輸血後C型肝炎は減少しています。
ほかに針治療、刺青、医療従事者の針刺し事故などによる汚染事故などが、感染経路と考えられています。
しかし、いったん感染すると、高率に慢性化し、肝硬変、肝がんまでにしんてんすることがあります。
C型肝炎の症状
潜伏期間は四〜十六週で、発症初期の症状はA型、B型肝炎に比べて軽度であり、自覚症状のあったくないものもあります。
通常は黄疸、全身倦怠感、食欲不振、発熱などがみられます。
C型肝炎の診断
血清中のHCV抗体を測定します。ただし、急性期に検出される率は焼く五十%で、発症後三ヶ月で約九十%、六ヶ月でほぼ百%になります。
そのため抗体診断をする場合は、発症から少なくとも六ヶ月くらいまで経過を観察してCV抗体の推移をみる必要があります。
その他のウイルス肝炎
D型肝炎、E型肝炎、G型肝炎などがありますが、わが国ではいずれもまれです。
アイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、麻疹ウイルスなどによる肝炎もあります。
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