当サイトの更新情報をお届けします!フィードの購読はこちらから。
脂肪肝とアルコール性肝障害
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪を主体とした脂肪が、高度に蓄積した状態をいいます。
原因は肥満、飲酒が大部分で、糖尿病、薬剤なども原因となります。
症状は上腹部の圧迫感程度で、まったく症状のないことも珍しくありません。
血液検査でも肝機能障害は軽度で、むしろ高脂血症を伴うことがあります。
腹部超音波検査や腹部CT検査が診断に有用です。
治療はカロリー制限、アルコール制限で、予後も良好です。
アルコール性肝障害の基本的病態は脂肪肝で、放置しておくと、アルコール性肝線維症やアルコール性肝炎から、アルコール性肝硬変と進行していきます。
なお、アルコール性肝障害患者では、進行度、重症度が高くなるほど、肝炎ウイルスの陽性率が高くなります。
これはアルコール依存症者に、輸血、手術歴、入れ墨を持つものが多く、覚醒剤の常用者も含まれることが関係していると考えられます。
また、多くに肝障害とともにアルコール依存を認めるため、肝障害の治療と同時に断酒を維持する精神科的アプローチも必要です。
カテゴリー:肝炎・肝硬変
肝硬変の治療
食生活に注意
肝硬変では代償期(安定期)をできるだけ長く維持することが大切です。
この時期は明らかに肝機能が低下しているとはいえ、普通の日常生活に近い状態に耐えられるだけの肝機能は残っています。
基本的には、食事の栄養バランスと消化、吸収を考え、とくにたんぱく質、ビタミンの豊富な食事を摂るように心がけます。
また、食後一〜二時間の安静は、肝臓の血流を増加させるために必要です。
しかし、一日中安静にしている必要はなく、状態に応じたしごとぉよび生活を続けるほうが、体力の維持によいと考えられます。
もちろん、肉体労働、過労は厳禁で、禁酒、禁煙は当然です。また、便秘にも注意しましょう。
食事療法と薬物療法
非代償期には、安静・食事療法に加えて、薬物療法、合併症に対する治療が必要となります。
基本的にはビタミン剤、ブドウ糖、肝庇護剤を投与します。
腹水、むくみには、塩分を制限し、利尿剤、アルブミンを投与します。
それでも効果がみられないときには、腹腔内に細い管を入れて腹水を抜きます。
食道静脈癌破裂による出血には、食道にバルーン付きチューブを入れて止血したり(SBチューブ)、内視鏡を使って止血します(硬化療法)。
内視鏡による止血法は安全性が高く効果的で、患者さんに対する肉体的負担も小さく、最近では主流となっています。
肝性脳症には、たんぱく質の摂取制限をし、下剤、ラクツロース、抗生物質、特殊なアミノ酸製剤を投与します。
カテゴリー:肝炎・肝硬変
肝硬変
肝障害が長く続き肝臓の機能が低下
肝硬変とは、長期間にわたって肝障害(肝細胞の破壊)が続き、肝臓が硬い疲痕組織のかたまりになり、肝臓本来の機能が低下してしまう病気です。
わが国では、B型、C型慢性肝炎から肝硬変に移行する場合がほとんどで、全体の七十〜八十%を占めています。
A型急性肝炎や成人以降に感染、発症したB型急性肝炎は、ほとんど慢性化しないので、肝硬変に移行することはありません。
欧米では、肝硬変の大部分がアルコール性肝硬変で、最近わが国でもじょじよに増加しています。
厚生省の人口動態統計によると、肝硬変は死亡率第八位で、高齢者の男性に多く、男女比は二以上となっています。
肝硬変の様々な症状
ひとくちに肝硬変といっても、程度はさまざまで、その程度によって症状も多彩です。
組織所見では、肝硬変に至っていても、肝機能が保たれていれば症状も軽く、検査上の異常もあまりみられません。
このような状態を代償性肝硬変、もしくは安定期といいます。
進行すると、全身倦怠感、食欲不振、吐き気、疲労感を感じたり、肝臓や牌臓がはれたりし、腹腔内に水がたまってくると、腹部膨満感を感じるようになります。
そのほかにも、肝機能が低下し、エストロゲン(女性ホルモン)を不活化できなくなるため、てのひらが赤くなったり(手掌紅班)、皮膚にくも状の血管腫ができたり(くも状血管腫)、男性の乳房(乳腺)が大きくなったりします(女性化乳房)。
重症になると、体重が減少し、黄症が出たり、腹部や食道の静脈が太く、こぶ状になります(食道静脈痛)。
食道静脈癌は破裂すると、大量の吐血、下血をきたします。
このように、多彩な症状がみられる状態を非代償性肝硬変といいます。
生体に必要な肝機能が発揮できなくなると(肝不全)、ちょっとした傷でも非常に出血しやすくなったり(出血傾向)、出血が止まりにくくなったり、肝性脳症といって性格の変化、知能レベルの低下をきたし、黄終的に昏睡状態となります。
いずれにしても非代償性肝硬変になると予後は非常に悪くなります。
また、B型、C型肝炎ウイルスによる肝硬変では、肝細胞がんの併発が多く、肝細胞がんの九十%以上が、肝硬変を基礎疾患として持っています。
カテゴリー:肝炎・肝硬変
肝炎
急性肝炎は、肝炎ウイルス、その他のウイルス、アルコール、薬剤などによって急性の肝障害が起こり、発熱、全身倦怠感、食欲不振、吐き気・嘔吐、黄痘などの症状を呈する疾患です。
通常、原因が除去されれば、肝障害は改善し、病気は治癒しますが、急速に肝不全に陥る劇症肝炎を起こしたり、原因が持続するために、慢性肝炎に移行するものもあります。
A型肝炎
A型肝炎は、一般的には経口感染します。以前は学校、施設などで、汚染された地下水による集団発生が多かったのですが、衛生環境の改善とともに、このような発生は減少しました。
最近は、カキなどの生の魚介類の摂取によると思われる、 春から夏にかけての散発性の発生が多くなりました。
また、海外のA型肝炎発生の多い地域への旅行も感染経路となることがあります。
A型肝炎は慢性化することはなく、劇症肝炎に移行することもまれで、発症後六〜八週から数か月で治癒する予後良好な疾患といえます。
急性肝炎
一般的には、肝炎ウイルウの感染によるものをいいます。
A型肝炎の症状
潜伏期間は四週で、はじめに発熱、咽頭痛、関節痛などのかぜに似た症状が出現します。続いて全身倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐などの消化器症状が出現し、その後、黄症が出現します。
A型肝炎の診断
血清中の1gM抗HAV抗体を測定します。1gM抗HAV抗体は、発症一週目から検出され、三〜四週目に抗体値はピークとなり、三〜六か月日になると陰性化します。
B型肝炎
B型肝炎の感染経路には、輸血、汚染された注射針などによる医療事故、夫婦間感染(性的接触)、母子感染などがありますが、HBs抗原・HBc抗体の検査が実施されるようになったことから、輸血による感染はほぼなくなりました。
また、医療事故による感染は、HBワクチン、HBグロブリンの並日及による感染防御の徹底により減少しました。
現在B型肝炎のおもな感染は、母から子への母子感染と、性的接触によるものとなりました。このうち母子感染は、出生前後の母体血の児への流入、あるいは産道での血液や分泌物からの感染が、王と考えられ、「キャリア」のおもな発生源となっています。
予防処置として、出生直後に受動免疫としてHBグロブリンを投与し、その後HBワクチンを投与して、能動免疫を獲得させる方法が実施されています。
B型肝炎の症状
潜伏期間は四〜二十四週で、A型肝炎に比べて発熱、消火器症状は軽度です。
黄疸はほぼ必ず出現し、ほかに筋肉痛、関節痛、神経痛、発疹などの症状がみられます。
B型肝炎の診断
血清中の1gM型HBc抗体を測定します。通常、HBs抗原が陽性になりますが、重症および劇症肝炎では、HBs抗原がすでに血中から消失している場合もあります。
C型肝炎の診断
B型肝炎と同様に血液を介して感染し、感染経路もほぼ同様です。
1980年代の輸血後肝炎は、90〜95%がC型肝炎でしたが、1990年代に入り、HCV抗体のスクリーニングが行われるようになり、輸血後C型肝炎は減少しています。
ほかに針治療、刺青、医療従事者の針刺し事故などによる汚染事故などが、感染経路と考えられています。
しかし、いったん感染すると、高率に慢性化し、肝硬変、肝がんまでにしんてんすることがあります。
C型肝炎の症状
潜伏期間は四〜十六週で、発症初期の症状はA型、B型肝炎に比べて軽度であり、自覚症状のあったくないものもあります。
通常は黄疸、全身倦怠感、食欲不振、発熱などがみられます。
C型肝炎の診断
血清中のHCV抗体を測定します。ただし、急性期に検出される率は焼く五十%で、発症後三ヶ月で約九十%、六ヶ月でほぼ百%になります。
そのため抗体診断をする場合は、発症から少なくとも六ヶ月くらいまで経過を観察してCV抗体の推移をみる必要があります。
その他のウイルス肝炎
D型肝炎、E型肝炎、G型肝炎などがありますが、わが国ではいずれもまれです。
アイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、麻疹ウイルスなどによる肝炎もあります。
カテゴリー:肝炎・肝硬変
肝臓という臓器・役割
肝臓はすぐ下にある臓器で、左右の二葉に分かれています。重さは千〜千五百グラムあり、右莫のほうが大きいのが普通です。
他の臓器は動脈が注ぐだけですが、肝臓には肝動脈と門脈とが注ぎます。
門脈には食道の下部、胃、小腸、結腸、膵臓、牌臓、胆のうからの静脈が注ぎ、門脈を経て、これらの臓器からの血液が肝臓に送られ、肝臓で処理されます。
肝臓からの血液は、肝前脈を経て大静脈に注ぎます。
肝臓の主な働き
胆汁の生成、分泌
胆汁を生門脈を経て集まった栄養を処理成し、分泌します。
胆汁は、膵臓から分泌される時贅に作用して脂質の硝化に重要な役割を果たすほか、胆汁中の胆汁酸という成分は大腸の働きを強める働きがあります。
大便が黄色いのは、胆汁中に含まれる色素のためです。
グリコーゲンの精製、分解、貯蔵
門脈から肝臓に入る血液中にブドウ糖が多いときには、ブドウ糖からグリコーゲンをつくって肝臓内に貯えます。
血液中にブドウ糖が不足すると、グリコーゲンをブドウ糖に分解してエネルギー源として血液中に動員します。
また、吸収されたアミノ酸や脂質もグリコーゲンにして貯えます。
アミノ酸の分解
血漿たんぱくのうち、アルブミンおよびフィブリノーゲンは、肝臓でつくられます。
また、不要になったアミノ酸を分解して、尿素をつくり、腎臓から排泄させます。
脂肪酸の分解
脂肪酸を分解したり、コレステロールを生成します。また、ケトン体を産生します。
ホルモンの分解、不活性化
ホルモンの不活化を行い、余分なエストロゲン(女性ホルモン)や抗利尿ホルモンを分解します。
解毒作用
血液中の有害物質(体内に生じたもの、体外から取り込まれた薬物・有害物質)を分解して無毒とし、また有害物質を胆汁中に排泄して取り除きます。
血液凝固と凝固阻止
血液凝固に関与するフィブリノーゲン、プロトロンビンを生成し、血管内での血液凝固を阻止する作用のあるヘパリンを生成します。
カテゴリー:肝炎・肝硬変
肝炎・肝硬変
初期症状は、気づきにくい
肝臓は通常、全能力の二十%程度で働いており、また肝臓の六十〜七十五%を切除しても、一〜二か月後には再生して機能を回復することが知られています。
そのため、かなりのダメージを受けても、初期にはほとんど症状らしい症状を現しません。「沈黙の臓器」といわれる所以です。
日常症状は、たとえあったとしても、全身がだるい、疲れやすい、食欲がない、おな小がはる、吐き気がする、尿の色が濃いなどといった漠然とした症状です。
ウイルス性肝炎は感染症ですが、アルコール多飲者は、脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変になりやすく、肥満(栄養過多)、糖尿病では脂肪肝になることがあります。
カテゴリー:肝炎・肝硬変
