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高脂血症の運動療法
運動療法の効果は食事療法と併用して
運動療法は善玉(HDL)コレステロールを増加させ、悪玉(LDL)コレステロール、中性脂肪を減少させ、高脂血症を改善させるだけでなく、肥満、糖尿病のほか、高血圧などの動脈硬化性疾患の防止や進展を防ぐために有益で、食事療法と併せて行うことによって、よりその効果が増大します。
ただし、高血圧、心臓病、ひざなどの関節の痛みや腰痛のある人はもちろんのこと、運動療法を始める前には、必ず主治医に相談し、運動療法を行っても支障がないかどうかを診断してもらい、運動の種類、強さ、頻度などを決めるために心電図、トレッドミル、エルゴメーターなどの器具を用いて心臓の耐答能力を調べるなど、健康状態をチェックしてもらいましょう。
自己判断でむやみに運動をするのは、かえって心臓などをわるくする危険性もあり、よいと思ってやったことが、逆の結果を招くことがあることも理解しておかなければなりません。
運動療法には有酸素運動と無酸素運動があります。有酸素運動とは歩行(ウォーキング)、ジョギング、サイクリング、水泳など、運動時に十分に酸素を取り入れながら行う運動で、心臓にあまり負担をかけないでできる運動です。
体内の脂肪をエネルギー源として利用するため、高脂血症の治療にはより適しています。
一方、無酸素運動は、重量挙げ、筋力トレーニング、全力疾走などのように息をつめて短時間に行うもので、循環器系に大きな負担をかけるだけでなく、血中の乳酸濃度が上昇し、高脂血症の治療法としては好ましいとはいえません。
それではどんな運動をどれくらい行えばいいのかです。
午前八時頃から十時頃までは、心筋梗塞などの虚血性心疾患の発生頻度が高いので、起床から二時間以内の運動は避け、一日めは十分ないし五百メートルくらい歩いてみて、体調に変化のないことをたしかめましょう。
つぎの日には、一日一回三十分間、約二千メートルを、一分間に七十歩弱の速さで歩きます。これを週に三〜四日くらい続けます。
これが支障なくできたら、つぎの過から四十分間約三千歩、五十分間約四千歩と一週ごとに少しずつ増やしてみます。
そして、四週めには、六十分約五千歩を週に三〜四日歩くという方法です。
運動前の準備運動、運動後の整理体操は、必ず行うようにしましょう。
運動療法の効果は、約一か月後くらいから認められてきます。
カテゴリー:高脂血症
高脂血症の治療
肥満の人はまずカロリー制限から
高脂血症の合併症には、心筋梗塞、狭心症、急性膵炎など、ときには生命をおびやかすおそれのある合併症があり、これらが働き盛りの年代の人に発症してくるのですから放置すべきではありません。
総コレステロールが二百二十mg/dl以上では、二百mg/dl以下の人に比べて、心筋梗塞の発症危険度は一・五倍になります。
食事療法
まず最初にカロリーを制限することがたいせつです。
肥満のある人はボディマス指数で標準体重を算出し、その体重一キログラムに対して、三十キロカロリーをかけた数値が平均的な必要カロリーです。
たとえば、身長百七十センチの人を例にとると、「七×二七×二二=六三・五八で、約六十三・六キログラムが標準体重となります。
これに三十をかけた数値の、千九百キロカロリーが必要カロリーです。
コレステロールは一日三百mg以下に
私たちの食事でコレステロールに関係の深いものといえば、まず卵の黄身です。
黄身一個で二百〜三百ミリグラムのコレステロールが含まれており、厚生省の設定した一日三百ミリグラム以下にしようという値の大半を卵一個で摂ってしまうことになります。
また、牛、豚肉をあまりたくさん食べすぎないようにしましょう。
動物性の油には飽和脂肪酸が多く含まれており、体内でコレステロールを上げるもとになるからです。
繊維性食品は十分に摂るように努めてください。
木くらげ、干ししいたけのほか、海藻類などに豊富に含まれています。
同じ高脂血症でも、中性脂肪が高く、飲酒習慣のある人は節酒、できれば禁酒することがたいせつです。
また、中性脂肪が五百mg/dl前後の上昇を認めるのは、多くは糖質の摂りすぎが原因です。
このような場合は、まず甘い物など間食を控えることが必要です。
中性脂肪が千mg/dlを超えていると、急性膵炎を発症する可能性が増します。
この場合、薬の効果はあまり期待できないため、なによりもまず食事中の中性脂肪を減らさなければなりません。
これにはバター、チーズ、肉類の脂の多いところなどを摂取カロリーの十%くらいに制限することです。
青身の魚、繊維食品オリーブ油もいい
一方、高脂血症には、どんな食品がよいのでしょうか。
たとえば青身の魚のイワシ、サバ、マグロ、サケなどは、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などを多く含み、血清中の脂質を低下させ、HDLコレステロールを増加させる好ましい効果のある食品といえます。
このほかオリーブ油も、LDLコレステロールを低下させる効果を持っています。
食物繊維は腸の環境を整え、脂肪の吸収などを阻害し、高コレステロール血症を改善させる作用を持っています。
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高脂血症に関連する病気
糖尿病
高脂血症を高頻度に伴っていて、よりいっそう動脈硬化症を増悪、進展させることとなります。
この場合、WHOの分類でいうと�W型や�Ub型が多くみられます。
糖尿病が重症である場合は、�X型になることがあり、中性脂肪が著明に増大します。
また、糖尿病の型からいうと、インスリン非依存型では、より高脂血症の合併が多いといわれています。
虚血性心疾患
動脈硬化、とくに冠動脈硬化と脂質の関係については、多くの報告があり、とくに総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪およびHDLコレステロールとの関係が深いといわれています。
虚血性心疾患のない人でも、総コレステロールが二百四十mg/dl以上では、死亡率が急に増加しており、また、冠動脈疾患のある人では、コレステロールが二百mg/dl未満でも、これのない人に比べて、二倍以上の死亡率を示しています。
LDLコレステロールが多い場合も、同様の影響をもたらし、総コレステロール、LDLコレステロールともに、適正な値を保つように、予防と治療が必要です。
また、HDLコレステロールは、逆に低いほうが危険因子となり、できるだけ四十五mg/dl以上になるように心がける必要があります。
脳血管障害
脳の表面を走る脳動脈と、脳底を走る太い動脈での障害は、他のおもに内部を走る血管の障害に比べて、HDLコレステロールの減少、中性脂肪の上昇という形の高脂血症の例が多いといわれています。
脳出血に限ってみると、以前から中性脂肪が低い人に多いといわれ、一時は脳出血の予防策として、血清コレステロールを上げるように指導されたこともありました。
しかし、最近では、脳動脈の脆じやくせい弱性をもたらすものは、コレステロールが低いということよりも、LDLコレステロールの増加と良質のたんばく質の不足に原因があることがわかってきたため、以前のような指導はされなくなっています。
脂肪肝
糖尿病、肥満症、過剰栄養、アルコールの多鉄などが原因で、肝細胞のなかに脂肪が蓄積するために発症するといわれています。脂質では中性脂肪が高くなります。
原発性肝臓がん
肝硬変では、普通、総コレステロールは減少することが多いのですが、肝臓がんでは逆に総コレステロールが上昇することがあります。
肝硬変に肝臓がんを合併しているかもしれませんので、詳しい検査がぜひとも必要です。
肥満
中性脂肪の増加とHDLコレステロールの低下がみられ、WHOの分類でみると、�Wまたは�X型に属することが多いといわれています。
これらの原因には、肥満者では高インスリン血症を伴っていることが多く、インスリンが肝臓での中性脂肪の合成を増大させるためといわれています。
肥満に伴う脂質の代謝異常は、肥満の解消により改善されます。
膵炎
多いものではありませんが、膵炎のために高脂血症となる場合と、高脂血症から膵炎が引き起こされる場合とがあります。
後者の場合、WHO分類では中性脂肪とカイロミクロンが上昇するI型、ないし�X型がほとんどです。
このような膵炎は、頻度としてはそれほど多いとはいえないのですが、ときに致命的になることがあり、注意が必要です。
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高脂血症の予防
食事の質と滴の量に注意
コレステロールの高い人の約半数は、食事によって値が変動するといわれています。
そして、中性脂肪の高い人の約半数は、肥満、またはアルコールによるものです。
このことからも、高脂血症といわれる人でも約半数の人は、日常生活を改善させるだけで、薬を服用したりすることなく、高脂血症を改善させることができます。
標準体重を保つために、摂取カロリーを超過しないこと、食物繊経をできるだけ多く摂り、動物性脂肪、コレステロールの多い食物を避け、アルコールの多鉄をしない、運動不足にならないようにからだをよく動かす、たばこを吸わないなどが、生活や食習慣を改善するうえでたいせつな点です。
高脂血症の予防は成人病の予防にもつながる
高脂血症そのものがなんの自覚症状もないので、これまでの食生活やライフスタイルを急に変えるのも困難なことでしょう。
ですから、成人になってからでなく、子どもの頃から、日常生活や食事を通じて、高脂血症を予防することが、虚血性心疾患をはじめとする成人病の予防につながるということを理解しなければなりません。
子どもの健康という面からも、お母さん方にももっともっとこの点に関して関心を持ってもらうことが必要だと思います。
そして、自分がどんなタイプの高脂血症かを知ったうえで、コレステロールが高ければ、コレステロールと動物性脂肪を制限する必要があり、中性脂肪が高いときは脂肪を制限し、中等度のものであれば糖質を制限するなど、高脂血症のそれぞれのタイプによって注意する点も異なってきます。
コレステロールの多い食品には、卵の黄身、レバー、魚卵、卵を使用している菓子類、牛豚の肉類、バター、ラードなどがあります。
運動不足にならないように、常に心がけることも必要です。
運動をすると、総コレステロールや中性脂肪が多少は低下するという報告がある一方、必ずしも低下しないという報告もあり、その評価は定まっていませんが、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が増加することは認められています。
まずは一日一万歩前後を目標に歩くことから始めてみましょう。
アルコールの過鉄は中性脂肪の上昇をきたし、短時間での多量の飲酒は、HDLコレステロールを低下させることもわかっています。
ビールなら中ビン一本、日本酒なら一合、ウイスキーならシングル二杯、ワインは小グラスで五〜六杯以内にしたいものです。
喫煙するとHDLコレステロールが低下し、LDLコレステロールを増加させるため、動脈硬化が進展することになるので、禁煙することが必要です。
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高脂血症のなりやすい人
体内のコレステロールには、食物に由来するものと体内で合成されるものがあり、食物によるものはそのうち約二十%だといわれています。
コレステロールが高くなる原因は、
(1)コレステロールの多い食品の摂りすぎ、
(2)体内でのコレステロールの合成過剰、
(3)胆汁酸の排泄不良
などが考えられます。
これらのことから大食家、飲酒量の多い人、肉食・卵を好む人、野菜や海藻類をあまり食べない人などは、食生活を改める必要があります。
肉より魚を多く摂り、食物繊維を多く含む食品をたくさん食べるように心がけましょう。
たばこを一日五本以上吸っている人は、やめるか、せめて減らしましょう。
たばこがよくないのは、血管を収縮させたり、悪玉コレステロールを変性させるためです。
そして、運動不足にならないよう日常生活のなかでよくからだを動かして、標準体重を維持するように心がけましょう。
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高脂血症の症状
動脈硬化が進んでその障害はあるが
高脂血症それ自体には、症状はまったくありません。
ただし例外的なものとして、コレステロールが非常に高いとき、関節のなかに生じる黄色腫のために関節の痛みが出現することがあります。
また、中性脂肪の極端な増加で急性膵炎を起こし、心裔部痛、背部痛を起こすこともあります。
そのほか、高脂血症は動脈硬化を促進します。
動脈硬化の終末像として狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳梗塞など脳血管障害が起これば、それに伴って胸部の圧迫感、胸痛、呼吸困難、頭痛、めまい、吐き気、半身不随など、発症した病気の症状がみられることになります。
コレステロールと中性脂肪値が高い状態
高脂血症とはコレステロールや中性脂肪が、正常より多い状態をいいます。
日本動脈硬化学会では、コレステロール二百二十mg/dl中性脂肪百五十mg/dl以上を高脂血症としています。
コレステロールには、肝臓から組織にコレステロールを運ぶLDL(低比重リボたんぱく)と、組織から肝臓にコレステロールを戻す働きをするHDL(高比重リボたんぱく)がありますが、LDLが増加し、HDLが減少した場合も、高脂血症と同様に注意が必要です。
コレステロールや中性脂肪は、十二時間以上食事を摂らない空腹若年心疾患も時に採血して測定します。
コレステロールはあまり食事時間に影響されませんが、中性脂肪やHDLコレステロールの値には影響があるからです。
このほかに、高脂血症の痛型分類では、リボたんぱくの異常がどのように組み合わさっているかを示した表現型の分類としてWHO分類があります。
これらは食事治療や薬物治療時の有効な手がかりとなります。
高コレステロール血症のうちでも、もっとも恐ろしい疾患は、家族性高コレステロール血症です。
家族歴がはっきりしており、常染して、小さい頃から高コレステロール血症が著しく、動脈硬化が早期に進展して、四十歳頃から狭心症、心筋梗塞などを発症してきます。
これらの重大な疾患が発症するまでは、無症状で経過するため、病気であることを認識しにくいようです。
健診などで高コレステロールを指摘されたら、家族の人にも同じような人がいるかどうかを必ずたしかめるとともに、家族性高コレステロール血症かどうかを調べてもらう必要があります。
コレステロールが高くなるおもな疾患には、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、原発性胆汁性肝硬変、糖尿病などがあります。
中性脂肪(トリグリセライド)が高くなるのは、大多数が飲酒によるものですが、膠原病のひとつであるSLE(全身性エリテマトーデス)などでも高くなります。
カテゴリー:高脂血症
高脂血症
日本人の血中コレステロール値は年ねん上昇しており、総コレステロール値の平均値は、百八十九ml/dlから二百四ml/dlに増加しています。
なかでも若年層で急激に上がっており、八〇年以後は二十歳以下で米国の平均値を上回っています。
この傾向は現在も続いており、十年、二十年後の心筋梗塞の発症の増加が心配されています。
高脂血症の遺伝的要素
コレステロールの多いものを食べたとき、コレステロール値がすぐ上昇する人と、上昇しない人がいます。
このことから、高脂血症には遺伝的要素が大きく関与していると思われます。
ひとくちに高脂血症といっても、いくつかの種類があり、そのなかでも家族性高コレステロール血症といわれるものは、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の処理能力が欠けているか、正常の人の半分しかなく、遺伝的な背景がはっきりしています。
これは常染色体優性遺伝で、病的な遺伝子をひとつ持つものと、二つ持つものとの、二つのタイプがあります。
ひとつ持つものは人口五百人に一人、二つ持つものは重症で、百万人に一人に発症し、若いうちからコレステロール値がきわめて高く、したがって、動脈硬化症をきたす度合いも強く、狭心症、心筋梗塞を発症することが多いのです。
病的遺伝子を二つ持つものでは、これを放置していると、二十歳代で心筋梗塞のために亡くなるケースがほとんどです。
わが国では二十万人以上の患者がいると推定されています。
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