糖尿病の症状
初期には症状が現れないがやがてあらゆる臓器に合併症
糖尿病のほとんどは、無症状のままじょじょに進行していきますが、比較的初期に認められる症状には、次のものがあげられます。
(1)口が渇き、よく水を飲む
(2)尿が多くなる
(3)急激な体重の減少
(4)空腹感が強く、よく食べる
(5)疲れやすく、けだるさがある
(6)傷が治りにくく、化膿しやすい
(7)目がかすむ
ただし、これらの症状は、朝食前の血糖値が正常の場合や、正常より少し高いくらいの軽い糖尿病では、ほとんど現れません。
また、尿が多い、のどが渇く、だるいなどの症状はあっても、それをその人が症状として自覚するかどうかは個人差もあって、本人が気づいていない場合も多くみられます。
糖尿病には、その治療にインスリンの注射が欠かせないI型(インスリン依存型)糖尿病と、必ずしもインスリンを必要としない�U型(インスリン非依存型)糖尿病とがありますが、このうち�U型に属する糖尿病は、生まれつきの素質の上になんらかの誘因が加わって起こってくる病気で、遺伝的な要素の濃い病気といえます。
誘因としては、食べすぎ、飲みすぎ、肥満、運動不足、ストレスなどが考えられます。
糖尿病になると・・
発病後まず五、六年で神経障害その後網膜症や腎障害も起きる
糖尿病では、血液中の糖分が多くなり、この状態を放置しておくと、しだいに血管や神経、腎臓、目など、全身のいたるところに障害が生じてきます。
糖尿病のタイプにかかわらず、発病後五〜六年で神経障害が生じ、七〜八年目に網膜症が、少し遅れて腎障害が起こってきます。
また、急性に起こる危険な状態として、糖尿病性代謝異常が急速に悪化し、意識障害などをきたす糖尿病性昏睡があります。
糖尿病性昏睡は、著明な高血糖と脱水を特徴とし、ケトアシドーシス昏睡と非ケトン性高浸透圧性昏睡の二つのタイプがあります。
とくに、インスリン注射をしている患者さんが、注射を急にかってにやめたり、インスリンの旦里が足りなかったり、かぜなどの感染症にかかったり、過度のストレスや過労、暴飲暴食をしたときなどに起こりやすく、尿が多くなり、口が渇き、倦怠感が強く、吐き気などが出現し、食欲が低下、しだいに意識がもうろうとしてくる、非常に危険な事態です。
症状が出たときはかなり進行、悪化
糖尿病は、初期にこそ症状らしいものもなく経過していきますが、五年、十年と高血糖が続くと、全身のありとあらゆる臓器に合併症が出てきます。
症状が出てきたときには、糖尿病がかなり進行した状態か、急に悪化したものと考えなくてはなりません。
合併症のなかでも、畑中血管が障害される神経障害、網膜症、腎症は三大合併症といわれ、このほかにも大血管の障害によって起こる心血管障害や脳血管障害、壊疽などがあります。
しびれ、痛み、冷感ほてり、便通異常も
糖尿病性神経障害
高血糖が続き神経細胞のなかにソルビトールという物質が蓄積されて生じるもので、糖尿病の合併症のなかでももっとも多いものです。
治療が遅れ、障害が進展すると、しだいに臓器障害を引き起こし、全身にさまざまな症状をもたらします。
糖尿病性神経障害は、おもに代謝異常を原因とするものと、血管の閉塞から起きるものとに分類されます。
とくに無症候性低血糖、冒無力症による血糖コントロールの乱れ、起立性低血圧からの重症な不整脈、無痛性心筋梗塞、呼吸停止や壊痘からの感染などから、命にかかわるような事態を招くことになります。
糖尿病性神経障害のなかでもっとも多いものは、知覚神経の障害によるものです。
症状は、糖尿病になってからの時間が長いほど、また血糖のコントロールのわるいものほど強く現れます。
おもな症状は、両足にほぼ同時に出現するしびれ、痛み、冷感、ほてり、感覚の鈍麻ないし消失、下腿を主とするこむら返り、全身的に起こる自発痛、筋力の低下、眼筋マヒ、顔面神経マヒなどで、足の痛みは夜間に強く感じるのが特徴です。
自律神経の障害もみられます。症状には、頭部の血流が一時的に低下して起こる立ちくらみ、発汗異常などのほか、胃の運動がわるくなり、食べ物が胃内に停溜して、食事をしたのに低血糖を起こしたり、食事をして時間がたってから高血糖になったり、血糖のコントロールも乱れます。下痢などの便通異常もみられます。
膀胱にも異常が出現し、膀胱炎や腎孟炎などの尿路感染症の原因になることがあります。
このほかにも、糖尿病患者の三十数%に勃起不全がみられるとの報告があります。
これは細小血管障害のため、支配神経の栄養障害がおもな原因と考えられています。
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