冠動脈硬化症
内腔狭窄や閉塞で狭心症や心筋梗塞
冠動脈の動脈硬化の結果、内腔の狭窄や閉塞によって狭心症、心筋梗塞を生じます。
狭心症
冠動脈の血流が減少し、心筋の酸素濃度が一定期間低下しますが、器質的障害を残さずもとに戻るものが狭心症です。
労作によって発作を起こすのが、労作性狭心症ですが、これは運動することによって心筋の活動性が増し、酸素を多く必要とするのに、冠動脈の狭窄があるため、心筋への血流を増加できない状態をいいます。
また、これといった誘因もなしに発作が起こる安静狭心症もありますが、とくに早朝就眠時に発作の起こる異型狭心症は、冠撃縮(冠動脈の連続的けいれん)が原因と考えられています。
狭心痛は発作的に起こります。胸部中央から左側にかけて圧迫されるような、締めつけられるような、焼けるような痛みが生じ、左肩、背中やあごなどに痛みが放散することもあります。
安静にすれば、狭心痛は普通二⊥二分でおさまります。
また、発作を止める亜硝酸剤は、非常に有効です。
症状が典型的である場合は、診断は比較的容易です。発作時には、心電図に異常所見が現れますが、発作がおさまっているときは、多くの場合、心電図に異常は現れません。
そこで、携帯用で二十四時間心電図を記録できるホルター心電図検査を行うと、発作時の心電図変化を記録することができます。
また、負荷心電図検査やトレッドミル負荷検査で発作を誘発し、心電図異常を記録することができます。
明らかに心電図異常を示す場合は、短期間入院して、冠動脈造影検査を受ける必要があります。
この検査で、冠動脈の狭窄の部位や程度を詳細に観察し、治療方針を正確に決定することができます。
心筋梗塞
狭窄した冠動脈に血栓がつまったり、けいれんが起こったりして、冠動脈が完全に閉塞し、その血管が栄養している心筋が壊死を起こしてしまい、心筋の収縮力を失うのが心筋梗塞です。
多くは突然の激しい胸痛で始まります。
痛みの持続時間は三十分から数時間と長く、左肩、左腕や背中に痛みが放散します。
顔面は蒼白で苦痛にゆがみ、全身に冷や汗をかき、口唇や手足の指にチアノーゼを示します。
脈は弱く乱れ、血圧は下がります。
さらに症状が悪化するとショック状態になります。
診断に、心電図検査は欠かせません。典型的な心電図異常を認めれば、診断は比較的容易です。
また、血液検査では、心筋が壊死になると、血中に放出される心筋逸脱酵素が増加するので、診断の助けとなります。
心筋梗塞が明らかな場合は、冠動脈造影検査で、冠動脈のどの枝に閉塞あるいはどの程度の狭窄があるのかを観察し、施行可能であれば、その場で直接PTCA(経皮的冠動脈形成術。)を行い、閉塞部を解除します。
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