高血圧症の治療
高血圧の治療の目的は、高血圧症による合併症の予防と、臓器障害を防ぐことにあります。
二次性高血圧症は、原因が明らかなので、原因疾患を治療すれば、原則として高血圧は改善しますが、本態性高血圧症では、高血圧の原因が明らかではないので、いまのところ原因の治療はできません。
本態性高血圧症は、遺伝的素因を持った人に、塩分やアルコールの摂りすぎ、肥満、ストレスや運動不足などの生活環境因子が加わって発病します。
したがって高血圧と診断された場合、まず、生活環境因子の改善が必要です。
塩分やアルコールを控え、食べすぎや間食、果物の摂りすぎに注意し、総カロリーを制限して体重を減らします。
過労を避け、睡眠を十分にとり、ストレスを解消するために気分転換や軽い運動を取り入れたりしましょう。
運動療法導入の前に薬で血圧を下げる
軽症の高血圧
食事療法や運動療法で三〜六か月間経過を観察しても、血圧が下がらなければ、薬を使って血圧を下げるべきです。
血圧を適正に下げることによって、脳卒中や心筋梗塞の発症頻度を減らすことができます。
中等以上の高血圧
すぐに薬を使って血圧を下げるべきです。
もちろん食事療法を行い、アルコールを控えめにし、睡眠を十分にとり、ストレスの解消にも努めます。
血圧を下げる前に運動療法を取り入れるのは、危険を伴うので、運動療法は薬で血圧を下げたあとに取り入れるとよいでしょう。
降庄療法は、降庄薬(降圧剤)を内服することによって血圧を下げる治療法をいいます。
降庄薬には、心拍出旦里を減らす薬と、血管拡張剤(血管を広げる薬)があります。
心抽出量を減らす薬には、降庄利尿剤、ベータブロッカー(ベータ受容体遮断薬)があります。
降庄利尿剤は、体内の塩分を尿中に排出して、循環血栄量を減らし、ベータブロッカーは、心収縮力を抑えて、心拍出量を減らします。
血管拡張剤には、ACE阻害剤(アンジオテンシン変換酵素阻害剤)、カルシウム括抗剤、アルファブロッカー(アルファ受容体遮断薬)があります。
ACE阻害剤は血管収縮を起こすレニン・アンジオテンシン系を阻害します。
カルシウム括抗剤は、血管を収縮させる血管平滑筋に必要なカルシウムイオンが細胞内へ流入するのをブロックします。
アルファブロッカーは、血管を収縮させる交感神経のアルファ受容体をブロックし、血管を拡張させます。
以上のように、降庄薬の種類はたくさんありますが、その患者さんに通した薬を選んで服用します。
また、一種類の薬で降圧が不十分な場合は、同じ種類の薬を増やすより、他の作用の薬を併用するほうが、副作用も少なく相乗効果もあり好ましいといえます。
血圧を高いまま放置すれば、脳、心臓、腎臓に合併症が起こり、脳卒中、心筋梗塞や腎不全などの重大な病気を招く危険が高くなります。
それを防ぐためには、血圧のコントロールが不可欠です。
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