脳卒中
たとえ死は免れたとしてもからだのマヒなどの後遺症が
脳の血液は四本の脳動脈(左右二本の内頚動脈・椎骨動脈)を介して送られ、脳細胞は血液から酸素と栄養を受けて活動しています。
四本の脳動脈は、脳の内部で細かく枝分かれし、脳のすみずみへ網の目のように広がっています。
この脳動脈が、つまったり破裂して脳に障害を与えるのが脳卒中です。
「卒」は「にわかに」、「中」は中毒と同じく「わるいものにあたる」という意味です。
脳卒中は、突然、脳動脈に出血や閉塞が起こり、運動マヒや言語障害、意識障害などをもたらす病気です。医学的には脳血管疾患と呼ばれています。
成人の平均的な脳の重量は約千三百グラム、体重の約二〜三%程度の重さでしかありません。
しかし、脳が正常に活動するためには、他の臓器の五倍の血液が必要とされています。
その量は、心臓から送り出される血液の約十五%にもなります。
血液の供給が絶たれてしまうと、脳は考えることも、運動を指令することも、感覚を働かせることも、感情を味わうこともできなくなります。
血流が十秒間、完全に絶たれれば、意識を失い、数時間後には、脳の組織は永続的に破壊されてしまいます。
脳卒中は、いったん発病すると死に直結するばかりでなく、死を免れたとしても、からだのマヒ、言語障害、意識障害などの後遺症を残すことの多い病気です。
現在のわが国の死亡原因は、がん、心臓病、脳卒中の順ですが、つい十数年前までは脳卒中がトップでした。
順位が入れ替わったのは、高血圧がコントロールされるようになり、脳出血による死亡が著しく減少したためです。
しかし、脳卒中全体の患者数は、二十年前に比べて約三倍に増えています。
脳卒中のおもな病気は、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞です。
病院で治療を受ける患者数の割合は、およそ七割が脳梗塞、二割が脳出血、残りの一割がくも膜下出血です。
たしかに脳卒中の全体の死亡者は減りました。
しかし、くも膜下出血は横ばい、脳梗塞は逆に増加している、というのが実情です。
わが国の超高齢化社会に向かって、脳卒中による患者の増加は、社会問題としてますます深刻になることはまちがいありません。
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