虚血性心疾患
虚血性心疾患の症状
虚血性心疾患では、胸痛を訴えるものが多くあります。
胸痛は、冠動脈(冠状動脈)の血流不足、あるいは血流が途絶えることによって生じる心筋の虚血のために起こりますが、普通は発作的に起こるので、狭心痛ともいわれます。
胸痛には胸部の不快感、胸の重苦しさ、締めつけるようなといった症状から、焼けるような激しい痛みまで、いろいろな種類があります。
胸痛を起こすおもな疾患には、心臓疾患(狭心症、心筋梗塞、心膜炎など)、大動脈疾患(解離性大動脈痛、大動脈痛など)、呼吸器疾患(気胸、胸膜や肺疾患など)、消化器疾患(食道炎、胃・十二指腸潰瘍、胆のう疾患、膵臓疾患など)、胸壁の骨、筋肉、神経などの疾患や不安神経症などの心因性の疾患などがあります。
また、胸痛があるからといって、必ずしも疾患があるとは限らないこともあります。
心筋梗塞の胸痛は狭心症より長く続く
狭心痛を感じる部位は、前胸部、とくに胸骨(胸の中央に触れる縦に細長い骨) の裏側が多く、ときに咽喉部(のど)、前頚部、下顎ぶ部(あご)、左肩から左腕、背中などに痛みが放散することがあります。
狭心痛の痛み方は、圧迫感(重いものを胸にのせられたような)、絞拇感(締めつけるような)、灼ねつ熱感(火ばしを突っ込まれたような)などとよく表現されます。
狭心痛の持続時間は、狭心症では二〜三分から十分間くらいですが、心筋梗塞では狭心症より長く十分以上で、ときに二〜三時間から数時間以上持続することがあります。
労作時に起こる狭心症は、労作を中止すると、痛みは消失しますが、睡眠中や安静時に起こる狭心症では、二〜三分から三十分近く持続することもあります。
いずれのタイプの狭心症も亜硝酸剤(ニトログリセリンや二トロールなど)の舌下投与が有効ですが、心筋梗塞では、これらの舌下錠も効果はありません。
胸痛に伴う症状には、狭心症では動惇程度ですが、心筋梗塞では顔面蒼白、冷感、吐き気、嘔吐やショック症状などを伴い、狭心症より重い症状が現れます。
しかし、高齢者や糖尿病患者では、まったく胸痛を自覚しない無痛性心筋梗塞を起こすこともまれではありません。
そのため、診断が遅れることも多いのです。
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