肝臓がんの治療
外科的切除
今日ではエタノール注入療法や、肝動脈塞栓術などの新しい内科的治療法が開発され、手術による治療は減少傾向にありますが、肝臓がんに対する手術の安全性も向上し、外科的切除(手術)も重要な治療法のひとつです。
ただ、肝臓がんの80〜90%に肝硬変を合併しているために、手術前の肝機能を十分に評価し、手術可能かどうか、また肝臓がんの大きさ、個数、部位などから肝臓をどれだけ切除するかどうか、十分に検討する必要があります。
経皮的エタノール注入療法(PEIT)
純アルコールの持つ強力な細胞壊死作用を利用して、超音波で肝臓を見ながら、細い針を用いて直接肝臓がんに純アルコールを注入して、がんを壊死させる治療法です。
この治療法は、がんの大きさが三センチ以下の早期がんで、がんの個数は三個以下がよい適応になります。
超音波でがん全体が描出できる部位なら、どこへでも行うことができますが、高度な技術を必要とします。
PEITは、肝臓に対する侵襲が少ないため、高度の黄症や出血傾向などの重大な肝機能障害のある例を除いた多くの症例や、再発症例にも積極的に行われています。
治療効果も、手術に劣らない成績が得られているために、注目されています。
冠動脈塞栓療法(TAE)
肝臓がんは、栄養のすべてを肝動脈から受けており、健康な肝細胞は栄養の二割を肝動脈から、八割を門脈から受けているという特徴を利用した治療法で、足の付け根から肝動脈まで細い管を通し、管から血管をつめる塞栓剤を注入して、がんの栄養を断つというものです。
その適応は広く、多発例にも施行可能であり、治療不能部位がなく、侵襲も少ない治療法ですが、肝臓がんのなかには肝動脈以外から、栄養を受けているものもあり、それらは適応外になります。
最近では、TAEの効果増強のためのくふうとして、塞栓剤といっしょに抗がん剤を注入する、肝動脈化学塞栓療法(TACE)が注目されています。
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