最近のがんの動向
世界では一位 肺がん 日本では一位 胃がん
WHO(世界保健機関)の発表によると、一九九六年一年間のがんによる死亡者数は、世界で約六百三十万人。
そのワースト3は一位肺がん、二位冒がん、三位大腸がんだった。
ほとんどの国で激増し、とくに近年女性の増加が目立つ肺がんは、男性患者の八十五%、女性患者の四十六%に喫煙の影響がみられ、やはり喫煙との深い因果関係を示唆している。
地域的には、肺がん、大腸がん、乳がんは先進国に多く、後者二つのがんには高脂肪・低繊維食といった食生活との関係が大きいとみられる。
途上国では胃がん、食道がん、口腔がん、子宮(頚)がんの発症率が高い。
冒がんでは全患者数の六十五%以上を、また食道がんでは八十五%を、口腔がんでは七十五%を途上国が占め、子宮がんは途上国の女性にもっとも多いがんになっている。
食道がん、口腔がんでは喫煙と飲酒の影響が大きいとされているほか、胃がんではヘリコバクター・ピロリ菌、子宮頚がんではヒトパピローマウイルスなど、ウイルスや細菌との関係も疑われている。
中国では肝臓がんが激増しており、全がん患者の五十五%を占めている。
その八十%以上でB型肝炎ウイルスの関与が指摘されているが、飲酒の影響も大きいとされている。
では、日本は?
厚生省人口動態統計によると、日本ではがんで二十七万五千人が死亡しているが、
その第一位は胃がん。二位肺がん、三位大腸がん、四位肝臓がん、膵臓がん。
胃がんは以前から日本人にもっとも多いがんで、今日でも発症率は高いが、近年、死亡率は減少してきている。
代わって肺がん、大腸がんなどの増加が目立ち、将来的には世界の動向と近づきそうだ。
とくに高脂肪・低繊維の食生活との関係が大きいとされる大腸がんや膵臓がん、また子宮体がん(子宮内膜がん)や乳がんも、今後、増加していくことが予想される。
わが国では、発症率の高い胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がんについては老人保健法による検診システムが確立されているので、積極的にこれを受け、他の部位のがんについては人間ドックなどを受診して早期発見に努めることが、現在のところ、がん死を防ぐ最大の予防法であるといえる。
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