ウイルス肝炎
C型に感染すると大半が慢性肝炎に
肝機能障害や肝炎を起こし、肝硬変や肝臓がんの原因とされている肝炎ウイルスは、現在Fを除くA型からG型まで知られています。
なかでもB型とC型の肝炎ウイルスが肝硬変、肝臓がんと深く関係しています。
B型肝炎ウイルス(HBV)は、食物を介して感染することはなく、血液、精液などの体液が原因で感染していきますが、ほとんどが母子感染によるもので、幼児期から持続的にウイルス保有者になり、成人期になって発病すると、慢性肝炎になり、一部は肝硬変へと進んでいきます。
成人がはじめて感染した場合は、一過性に急性肝炎を起こすことがありますが、ほとんどの場合、慢性化せずに治癒してしまいます。
C型肝炎ウイルス(HCV)は、HBVと同様、血液などの体液によって感染します。
昭和三十年代から四十年代にかけて、輸血や血液製剤を必要とする手術や治療がたくさん行われていました。
当時は、肝炎ウイルスに対するチェックが不十分だったため、この時期にウイルスに汚染された血液が体内に入って感染した人が、現在のウイルス保有者の約四十%にのぼります。
しかし今日では、輸血用血液や血液製剤からC型肝炎ウイルスに感染することは、ほとんどなくなりました。
C型肝炎ウイルスは、B型肝炎ウイルスと比べて感染力が弱いため、家族間の感染や、性行為による感染はごくまれであるといわれています。
しかし、問題なのは、一度感染してしまうと自然治癒することがなく、大半がウイルス保有者となって、慢性肝炎を発症し、さらには、肝硬変や肝臓がんへと進展していくことです。
多くは無症候性だが慢性肝炎、肝硬変も
キャリア肝炎ウイルスを保有している人をキヤリアといいます。
B型肝炎ウイルスキャリアの場合、大半が幼児期に感染していますが、多くは、ワクチンが開発される以前に感染した人と考えられます。
キャリアとなった子どもは、B型肝炎ウイルスが体内に存在しても、その毒性が弱く、また子どもの免疫能も未熟なため、なんの症状も出現せず、無症候性キャリアとして経過します。
おとなになって免疫能も成熟すると、免疫機構が肝炎ウイルスを敵と認知し、攻撃を始めます。
このときに肝炎ウイルスとともに、正常肝細胞まで攻撃してしまうため、肝炎が生じるのです。
その結果、ウイルスが減少して、肝炎のあとは症状が出ないまま、無症候性キャリアとして生活していく人がほとんどですが、残りの一部の人はウイルスを十分排除できずに、肝炎ウイルスとの戦いをくり返していき、慢性肝炎となります。
慢性肝炎の経過中に、肝硬変に進展する場合もあり、そのなかでさらに、肝臓がんに移行してしまう人もいます。
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