がん治療の様々な方法
がん、心臓病、脳卒中は三大成人病と呼ばれています。
死亡原因のトップは依然がんですが、がんはいま、かつての「不治の病」から「治る病気」になってきています。
それには、がん検診や人間ドックの普及による早期がんの発見、次のような検査・診断捜術の進歩、そして治療法の進歩が大きく貢献しています。
ジャイロスコープス�]線撮影
患者のからだを回転させて、いろいろな方向から�]線撮影ができます。
とくに消化管の診断に有用です。
胃がんでは、造影剤のバリウムと、胃をふくらませて造影剤を胃壁に定着させる発泡剤を飲んで撮影する二重造影法によって、小さながん病巣もとらえることができます。
電子スコープ内視鏡
内視鏡機器の開発が進み、やわらかく屈曲しやすいグラスファイバーの先端に、ビデオカメラなどに使用されているCCD(固体撮影素子)をつけた電子スコープが普及しています。
CCDでとらえた対象臓器の情報をテレビモニタに映像として鮮明に映し出します。
また、疑わしい組織やポリープが発見された場合などは、それを採取ないし切除して病理検査に回すこともでき、上部消化管(食道、冒、十二指腸)、下部消化管(大腸)の精密検査には欠かせない検査です。
内視鏡検査には、そのほか肺がんの診断に役立つ気管支ファイバ20いま成人病が恐ろしいースコープもあります。
超音波診断装置
超音波を体外から目的の部位に向けて発射し、その反射波を画像にして診断します。
肝臓、胆道、膵臓、腎臓などの検査に用いられます。
深部にあって早期発見が難しかった膵臓がんも、この装置のおかげで早期発見が可能になりました。
超音波内視鏡
内視鏡の先端に超音波装置を取り付け、体内からの超音波画像を得ることができます。
がんの深さ、進行度を診断するのに有用です。
食道、胃、直腸、胆道や胆のう、前立腺などの検査に用いられます。
超音波誘導下穿刺法
組織を採取するとき、「目」の代わりに超音波画像で見ながら器具を確実に病巣に刺す方法です。
乳がん、肝臓がんなどの検査に用いられます。
CT
コンピュータ・トモグラフィの略で、�]線断層撮影装置です。
からだの周囲を回転しながら�]線を照射し、得られた情報をコンピュータで解析して画像にします。
全身のスライス画像が得られます。
とくに脳腫瘍や肺がんの発見に威力を発揮します。
最近では、ヘリカルCTといって、らせん状に回転して、連続的な画像を描出し、内部の三次元構造を立体情報として得られる装置も開発・普及しつつあり、より小さながん病巣も検出できるようになってきています。
MRI
磁気共鳴撮影装置です。
�]線を使わずに、磁気のなかでは体内の水素原子(プロトン)が共鳴する原理を利用し、画像化するものです。
CTは、いわば人体の輪切り画像だけですが、MRIは縦、横、斜めと任意の断面を描き出すことができます。
また、MRアンギオグラフィ(MRA)といって、同じ装置で血管を撮影することもできます。
がんの診断に限らず、脳血管障害などさまざまな病気の診断に活用されています。
マンモグラフィー
乳房を調べる特殊な�]線撮影装置です。
こうして診断したがんに対し、外科療法、放射線療法、化学療法を基本に集学的治療で臨んでいます。
外科療法の有効なほとんどのがんで、手術のマニュアル『がん取り扱い規約』が作成されており、ごく早期であれば、内視鏡を用いてがんを切除する(冒がん、大腸がんなど)ことも可能です。
放射線療法では、正常組織に影響が少なく、がん組織に最大のダメージを与える照射法が開発されています。
がんの形状を画像診断でとらえ、�]線装置とコンピュータを結んで、がんに多角的、集中的に照射することができるようになりました。
化学療法では、抗腫瘍効果を高め、副作用を軽くするため、作用の異なる抗がん剤を組み合わせて用いる多剤併用療法が主流となり、副作用対策も進みました。
たとえば、骨髄毒性(造血機能が低下し、赤血球、白血球、血小板が減る)のため、抗腫瘍効果は高いのに十分に投与できなかった抗がん剤も、白血球を増やすG-CSF(骨髄細胞増殖因子)が薬剤として開発されたおかげで、使えるようになりました。
また、がん病巣に集中的に抗がん剤を浴びせる動注療法もたいへん有効な療法です。
これは、がんが栄養をとっている動脈に細いチューブを通し、そこから直接抗がん剤を注大してがん細胞を死滅させる方法です。
さらに免疫療法、温熱療法、レーザー療法、ホルモン療法ほか、さまざまな治療が行われています。
一方、基礎研究も進んできました。
がん遺伝子、がん抑制遺伝子が発見されて、発生のしくみが遣伝子レベルで解明されつつあります。
発がんには二つの因子、つまり初発因子(イニシエーター)と促進因子(プロモーター)が作用することもわかっています。
将来、さらにがんの解明が進むとともに、がんを防ぐ方法もよりはっきりと見えてくることでしょう。
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