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膵臓がんの予防
肉食、コーヒーや喫煙は危険因子
膵臓がんは、予後が不良であるために、その早期発見がポイントになってきます。
検診や人間ドックなどでがんが見つかった場合、がんが小さければ小さいほど、その切除率は高くなります。
腹痛や食欲不振などの症状が出現したときには、胃や十二指腸の病気だといわれて安心せずに、念のため膵臓の病気も調べてもらうことをおすすめします。
また、最近では膵臓がんの危険因子として、一に喫煙、二に肉食、三にコーヒーがあげられています。
アルコールは、それほど膵臓がんには関係ないようですが、ウイスキーの飲用者は、日本酒やビールの飲用者に比べると、死亡率が高いとの報告もあるので、それらの摂りすぎには注意しましょう。
カテゴリー:がん予防・治療
膵臓がんの症状
特有症状はないが早期に症状がでることも
膵臓がんは、病巣の占居部位によって、膵頭部がん、膵休部がん、膵尾部がんなどに分けられますが、膵頭部がんが半数以上を占めています。
膵臓がんには、特有の症状がありませんが、膵頭部がんのなかには、その解剖学的位置関係のために、早期から黄症が出現することがあり、黄症のない頭部がん以外の膵臓がんも、膵液の流れる膵管が細くなるために、みぞおちや背中の痛み、吐き気、嘔吐、食欲不振などの症状が出現します。
しかし、これらはいずれも胃や十二指腸の疾患に通ずるものがあるため、まざらわしく、これが膵臓の疾患が見逃されやすい理由のひとつです。
突然出現した糖尿病や、糖尿病が急にわるくなった人も、膵臓がんを見逃さないように注意が必要です。
ほかにも、下痢や腹部腫痛といった症状がありますが、以上にあげた症状が出現するのは、ほとんどの例が進行してからです。
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膵臓がんの検査
血液検査、膵逸検査
アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、エラスターゼ1といった酵素の上昇は、膵臓がんによる膵管閉塞で生じた膵炎の結果です。
膵臓がんの可能性がある場合に測定されます。
腫瘍マーカー
CA19−9は、小さな膵臓がんでは陰性に出る場合がありますが、胆管や膵管の閉塞によって陽性を示すので、早期発見のきっかけとなります。
画像診断エコー(超音波検査)
無侵襲で簡便な検査であるため、第一選択の検査法として用いられています。
黄症のある例では膵管の拡張を認め、膵臓がん自体は膵臓がほれているように写り、他の正常な膵臓に比べると、黒っぼくなっています。
がんが大きくなると、膵管が拡張しているのがわかります。
頭部、休部のがんは一センチ以下のものまでわかりますが、尾部に発生した小さながんは発見が難しいことがあります。
X線CT検査
レントゲンの被曝はありますが、エコー同様、低侵襲な検査です。
おなかを輪切にした状態を観察することができ、膵臓がんはやはり黒く写し出されます。
造影剤を用いると、小さながんも描出しやすくなります。
ECRP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)
内視鏡を飲んでもらい、胆管、膵管にチューブを挿入し、胆汁や膵液の流れに逆らって造影剤を注入して、膵管の閉塞状態や拡張の有無を調べる検査です。
ERCPは膵臓がんの診断には不可欠ですが、技術的に難しく、逆行性に造影剤を注入するため、膵炎などの重大な合併症を起こすこともあり、侵襲度の高い検査でもあります。
腹部血管造影
足の付け根から、細い管を挿入していき、膵臓に走っている血管を調べる検査です。
膵臓がんでは、膵内動脈の閉塞や狭窄を認めますが、大きながんでは、膵臓周囲の動脈の狭窄を認めます。
がんの進行度診断には有用な検査です。
以上のさまざまな検査を組み合わせ、黄症例なら、胆石や輝炎などの良性疾患との鑑別を、悪性を疑うなら、膵臓周辺の他のがんとの鑑別をしていきます。
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膀胱がん
泌尿器科系がんのうちで、もっとも発生頻度が高い病気です。
発生年齢は四十歳以上、とくに五十〜六十歳代に多発し、男女比は三〜五対一と男性に多く認められます。原因は不明です。
膀胱がんの症状
まず、無症候性の血尿があげられます。何の症状もなく、突然、血尿が現われます。
この血尿は数日で自然に消失しますが、進行とともに間隔が短くなり、再び出現します
がんが膀胱の頚部に近いと、尿の出口を閉鎖し、尿が途中で止まったり、出にくくなります。
がんが尿管口に近い部位で発生すると進行とともに尿管を閉塞し、水腎症となって背部痛が出てきます。
膀胱がんの進行
がんは連続性に粘膜下層や筋層、深層へと進み、リンパ行性に膀胱周囲、ついで動脈周囲へのリンパ節に進みます。
血行性には肺転移がもっとも多く、ついで肝臓、骨の順に転移します。
膀胱がんの検査
尿中に赤血球を認めたり、肉眼的血尿がある場合には尿路系のがんを疑います。
尿中の細胞の検査も必要です。
膀胱鏡検査
内視鏡で膀胱内を観察し、腫瘍の有無、大きさ、部位を確認します。
がんが疑われた場合は、組織の一部を切除し、病理学的検査を行います。
画像診断
腫瘍の有無や大きさを見るため、エコー検査、膀胱造影検査を行います。
また、腎臓や尿管の拡張を見るためにIVP(静脈性腎孟造影)検査、リンパ節の転移の有無を含め、CTスキャンやMRI検査、血管の変化を調べる骨盤動脈造影などを行います。
また、腎臓や尿管の拡張を見る為にIVP(静脈性腎盂造影)検査、リンパ節の転移の有無を含め、CTスキャンやRI検査、血管の変化を調べる骨盤動脈造影などを行います。
膀胱がんの治療
かなり進んだ進行がんでも、手術療法を中心に化学療法や放射線療法、免疫療法などを併用する集学的治療で治療成績も向上してきています。
経尿道的膜胱腫瘍電気切除術および凝固術
がんがポリープ状で、母指頭大程度の場合に行われます。
膀胱部分切除術
がんが筋層に及んでいるが、限局している場合に行われます。
膀胱全摘手術
かなり進んだがんや、広範囲のがん病巣、再発をくり返す場合に行われます。
尿路変更術
膀胱仝摘出術に伴って行います。
尿管を直接皮膚に出す尿管皮膚壕術、回腸に尿管を出し、さらに回腸の断端を皮膚に出す回腸導管造設術、回腸や結腸で代用膀胱をつくり、尿道につないだり皮膚に出す膀胱形成術があります。
放射線療法
コバルトを用いて治療します。
化学療法
シスプラチン、アドリアマイシン、ビンクリスチンなどの抗がん剤を点滴静注します。
直接膀胱のなかへ抗がん剤を注入する方法もあり、最近はBCGが使用されています。
その他、水圧療法や温水療法などがあります。
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皮膚がん
顔、胸、手足写どからだのあらゆる場所に発症
皮膚のがんは、からだのあらゆる場所に発症することが知られています。
とくに頭、顔、わきの下、胸、外陰部、手足などは皮膚がんができやすいところです。
最近は、世界的にも皮膚がんの発症が増加してきています。
地球環境の変化やオゾン層の破壊がその原因ともいわれています。
顔にできた治りにくいできものはありませんか?
ほくろやしみが大きくなったり濃くなったりしていませんか?
からだにただれた場所はありませんか?
手や足に黒いあざのようなものができたりしていませんか?
もし、このような症状があれば、念のため皮膚科で調べてもらいましょう。
カテゴリー:がん予防・治療
肺がん
肺がんは、肺にできるがんです。
肺は呼吸という生命に非常にたいせつな働きをしている臓器で、右と左の両方にあります。
肺がんはその肺のなかで、空気を通過させている気管支という管の壁から発生します。
がんは、はじめは非常に小さいのですが、しだいに大きくなってくると、レントゲン写真でも発見されるようになりますが、口のほうに近い比較的太い気管支にできた場合は、心臓の影に隠れて見えなかったりして、そのために発見が遅れることがあります。
肺がんは、大きく分けて四種類のがんがあるのが特徴です。
たばこや大気汚染が原因の扁平上皮がんと、女性に多い腺がん、それに大細胞がん、いちばん質のわるい小細胞がんの四つです。
どんどん進んでしまって、発見、治療が追いつかずに死亡してしまうものがあると思うと、何年間もほとんど同じ大きさでいて、大きくならないものまでいろいろあります。
しかし、大部分のがんは、少しずつ確実に大きくなって、全身に転移したり、はじめからあった場所でそれが大きくなって、呼吸が苦しくなってきたりします。
よく「胃がんは治るけれども、肺がんは治らない」というのを聞くことがあります。
それは肺がんが、肺という非常に血液の豊富な臓器にできるために、他のがんと比較して、早くから全身にがん細胞をばらまきやすいからです。いわゆる転移が起こりやすいからなのです。
がん細胞が肝臓とか脳、全身の骨などに移るのです。
そのために、せきとか血疾という症状があったり、レントゲン写真などではじめて肺がんと発見されても、そのときには、全身のどこかの臓器に転移していたりします。
肺がんと診断されて、手術を受けてそれを取り除いても、すでに他の場所に転移していたがんが、手術をしたあとに大きくなったりして、せっかく手術をしても、転移のために亡くなることがしばしばあるのです。
しかし、早期であれば、がん細胞が転移していることは少なく、手術をして、それを完全に取り切ることができれば、治るわけですから、肺がんでも他のがんと同様に、その早期発見がきわめて重要だということになります。
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乳がんの症状
移動性がなく硬い乳房のしこり
乳がんの症状でもっとも多いのは、乳房のしこりです。
乳房のしこりを発見したら、病院で診察してもらったほうがよいでしょう。
がんのしこりの硬さはごつごつしていて、さわってもあまり移動性がありません。
また、ほとんどの場合痛みは伴いません。
常に触診するくせをつけましょう。
妊娠や出産後でもないのに、乳首から分泌物が出る場合も要注意で、専門医の診断を受けましょう。
数は多くないのですが、しこりをつくらないタイプの乳がんもあります。
これは乳腺のレントゲン検査や乳管造影検査、超音波検査を駆使しないと、なかなか発見できないタイプの乳がんです。
乳房にしこりがないからといって、安心はできないのです。
三十歳を過ぎたら、年に一回は検診を受けましょう。
乳がんの進行
乳腺組織に発生しリンパから全身に
進行経過乳房の表面は皮膚で、その中央に乳頭があります。
乳頭にほ乳管が開口しており、乳管は乳腺組織のなかに入り込んでいて、乳汁を分泌します。
乳腺組織は脂肪組織に囲まれており、大胸筋、小胸筋という筋肉の上にのっています。
さらにその筋肉は、肋骨の上にのっています。
乳腺のなかには、リンパ腺という組織があって、リンパ管という管でつながっています。
この管は、筋肉のなかを通って、わきの下のリンパ腺で集まっています。
乳がんは、乳腺組織に発生して大きくなると、まず周囲の脂肪組織に直接浸潤していきます。
そして皮膚や筋肉に浸潤していきます。ひどい場合は肋骨まで浸潤する場合もあります。
また、リンパ腺に転移して、わきの下のリンパ腺から、全身のリンパ腺に転移することもあります。
乳腺組織は血管が豊富にあり、この血管のなかに転移することによって、骨や肺、肝臓などに転移する場合もあります。
このように乳がんは、他のがんと比べると、比較的進行の遅いがんにもかかわらず、ひとたび転移を起こすと、非常に予後がわるいのです。
他のがんは五年経過すると、再発は少ないのですが、乳がんの場合は十年以後に再発する場合もあります。
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乳がん
乳がんは、乳汁を分泌する乳腺という腺組織から発生するがんです。
男性にもまれに発生することもありますが、ほとんどは女性のがんということができます。
欧米女性と比較すると、梶患率は三分の一程度ですが、ここ数年でかなりの増加傾向を示しており、いずれ女性のがん罷患率のトップになるものと思われます。
死亡率も年々増加しており、昭和六十年には子宮がんを抜き、平成九年には八千四六四人が乳がんで死亡しています。
死亡者数は、昭和三十年の一千五七二人と比べると、五倍以上に増えているのです。
乳がんは、その組織型にもよりますが、一般に比較的進行の遅いがんです。
それにもかかわらず死亡者数が多いのは、発見が遅いということができます。
欧米では、乳がんの罷患率は増加していますが、死亡率はほぼ一定に抑えられています欧米では、大規模な乳がん検診が行われているのが、その理由と思われます。
わが国でも老健法に基づいて市町村単位で乳がん検診が行われていますが、検診に参加するのはほんのわずかな人だけなのです。
検診での乳がん発見率は約0.1%ですが、多くの女性が定期的に検診を受ければ発見率はさらに上昇するものと思われます。
すべてのがんがそうですが、乳がんも早期発見、早期治療が原則なのです。
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大腸がんの症状
なんといってもいちばん多い症状は、便に血が混じることです。
排便後に自分の便をよく見る習慣をつけることがたいせつです。
候に赤っぽい血のようなものが混ざっていたり、粘液のようなものが混ざったりしていたら要注意です。
痔だろうとか、肛門が切れたのだろうと、安易に自己判断してはいけません。このような場合は必ず精密検査を受けるようにしてください。
また、便が細いとか、便秘と下痢をくり返すようなときも気をつけましょう。いずれにしても、症状が出るのは、ある程度病状が進んだ状態といえます。
初期のがんは無症状です。無症状のがんを見つけるには、定期的に調べるしかありません。
最近、大腸がんは、その約半数が遺伝的な要素から発生するということもわかってきました。自分の家族や親類に大腸がんになった人がいたら危険信号です。
とくに四十歳を過ぎたら、少なくとも三年に一回は精密検査を受けたほうがよいでしょう。
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大腸がんの検査
便潜血反応
大腸がんのスクリーニング法に、便潜血反応という検査があります。
これは集団検診でよく使われる方法で、肉眼でわからない便のなかのごくわずかな血液まで調べることができます。最近では食べたものに左右されない免疫学的な方法で行われています。
これは進行がんで約九十%、早期がんで約五十%が陽性に出ます。
便を調べるだけの簡単な方法ですから、手軽にできます。これを定期的に行うのは、かなり有用です。
しかし、これだけでは十分ではありません。
逆にいうと約五十%のがんが見逃されるのです。
浣腸造影検査
胃の検査で使うバリウムを薄めて肛門から注入し、さらに空気を注入して大腸全体のレントゲン写真を撮る方法です。
大腸全体にバリウムと空気が入るため、検査中はかなりおなかが張ります。
さらに、体位をいろいろと変えるために、多少苦痛を伴いますが、大腸全体の像を把握するには有用な検査です。
しかし、一センチ以下の小さな病変を見逃す可能性があり、また、便が残っていたりすると正確な診断ができなくなります。
もちろん動きの制限される人には適さない検査です。
大腸内視鏡検査
大腸ファイバースコープを肛門から挿入して、大腸の内腔全体を観察する方法です。
軽い鎮静剤を注射して、うとうとしている間に行うのですが、体位の変換もいらず、熟練した医師が行えば、非常に楽な検査といえます。
しかも、大腸の内腔を直接観察できるので、大腸の検査法としてはもっともおすすめしたい検査です。
このとき二センチ以下の病変なら、切除することも可能です。
最近では画像解析力に優れた電子スコープが登場して、さらに精度を増してきました。
しかし、困ったことに、この操作に熟練した医師は非常に少ないのです。
医師によって、検査の苦痛度も診断力も差があるのです。
事前に評判を聞いてから病院を選んだほうがよいでしょう。
通常はうとうとと眠っている間に終わる楽な検査です。
この大腸ファイバースコープの発達によって、以前は開腹手術で取っていたポリープがんや、二センチ以下の早期がんは、ファイバースコープを使って切除可能となりました。
もちろん、将来的にがんになりやすい大腸ポリープも、同様に切除できます。
今後この検査が主流になることは確実です。
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大腸がんの肝臓への転移
大腸がんでもっとも恐ろしいのは、肝臓への転移が約20%から25%と多いことです。
肝臓の一部分だけの転移の場合は、この部分の肝臓を切除します。この方法が、五年生存率30%から40%ともっとも高いのです。
多発した場合は、手術の適応はなく、おもに以下の方法が行われます。
�@肝臓の動脈に抗がん剤を付着させたリピオドール(がんだけに付着する造影剤)を流し込み、がんを栄養している血管をつめてしまう方法
�A肝臓の動脈に細い管を入れ、皮膚の下に埋め込んだポンプから抗がん剤を定期的に注入する方法
�B抗がん剤の静脈からの投与
近親者に大腸がんの方がいる場合、特に注意!
大腸がんでは遺伝的素因が強いのですが、い
ったいどれぐらいの頻度でみられるのでしょうか。
最近の分子生物学の進歩で、家族性大腸腺腫症による大腸がん、遺伝性非ポリポーシス大腸がんは、遺伝性のがんであることが証明されました。
しかし、残りの大腸がんのうちの約半数も、なんらかの遺伝的素因が考えられます。
このことから、近親者に大腸がんの人がいたら、とくに注意して大腸の定期検査を行ったほうがよいでしょう。
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大腸がん
大腸がんは肺がん、乳がんとともに増加が著しいがんのひとつです。1970〜90年の大腸がんの増加率は二倍以上になっています。
その原因としては、日本人のライフスタイルの欧米化が考えられます。とくに食生活の変化は、大きな影響を及ぼしていると考えられます。
日本人の伝統的な食事といえば、米食中心の魚と野菜のおかずといったいわゆる和食でした。
しかし、西欧文化の輸入で、食生活にも変化が起こり、牛肉、ハム、ソーセージ、バター、ハンバーグなどの動物性の脂肪を好んで食べるようになりました。
この高脂肪・低繊維の食事が、大腸がんの発生を増加させる原因なのです。
動物性の脂肪摂取と大腸がんの関連性は、古くからいわれてきました。欧米諸国に大腸がんが多いのも、このような理由からなのです。
また、食物繊維をよく摂れば、大腸がんの予防になることもわかっています。
食物繊維を大量に食べるアフリカ地域では、他の国に比べてとくに大腸がんが少ないのです。
緑黄色野菜に含まれるベータカロチン、セレニウム、ビタミンC、Eなども、発がんの抑制因子になっています。
さらに、魚類、鶏肉を食べれば、大腸がんのリスクを下げることもわかっています。
伝統的な日本の食事、つまり和食中心の食生活こそが、大腸がん予防の第一歩なのです。
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前立腺がんの検査
直腸内指診
肛門から人差し指を入れて、前立腺を触れて、その状態を調べます。
がんの場合には表面に硬結を触れます。
熟練した泌尿器科医であれば、九十%は指診で診断が可能といわれています。
前立腺生険
確定診断のために組織の一部を取って調べます。
陰のう・肛門間から針を入れる会陰式、肛門より針を入れる経直腸式、経尿道的に採取する方法があります。
画像診断
�]線検査が主になり、尿道から造影剤を注入する尿道膀胱造影(CUG)、点滴で造影剤を入れて尿路を造影する静脈性腎孟造影(IVP)などが行われます。
がんの浸潤やリンパ節の状態を調べるにはCTスキャンやMRI検査があります。エコー検査も簡便で有益な検査です。
腫瘍マーカー
前立腺がんがあると血中に現れる特異な物質を調べます。病期の進行により上昇し、治療効果の判定や経過観察に役立ちます。
もっとも有効な腫瘍マーカーは、前立腺特異抗原のPA、PSAです。
転移数の検索
前立腺がんは骨転移が多く、とくに骨盤骨、腰椎、大腿骨上部に好発します。転移病巣は�]線フィルム上で白く見えます。
骨シンチグラフィ
テクネシウム99mというラジオアイソトープを用いた検査で、より高感度で骨転移の有無がわかります。
カテゴリー:がん予防・治療
前立腺がん
前立腺がんは、六十歳以上の男性に多く発病しますが、四十歳代でもまれではありません。
人口の高齢化に加えて、生活様式の欧米化が進み、増加傾向がみられます。
死亡率でみますと、欧米では男性のがんによる死亡の第二位(一位は肺がん)を占めています。
日本では八位ですが、泌尿器・生殖器のがんでは第一位です。
前立腺は、男性ホルモンによって、その発育や機能が保たれており、がんの発生にも男性ホルモンの関与が考えられます。
前立腺がんの症状
無症状からやがて排尿困難や血尿など
尿路症状
前立腺がんは、前立腺の外側の外腺から発生するため、初期は無症状が多く、進行、増大すると、排尿困難(おしっこが出にくい)、頻尿、残尿感や血尿が出現します。
転移による症状
前立腺がんは骨に転移しやすく、この骨転移による痺痛がもっとも多くみられます。
他に症状がなく、骨の痛みで発見されることも少なくありません。
その他、神経の圧迫によるマヒやしびれ感を訴えることもあります。
カテゴリー:がん予防・治療
舌がんの治療
がんが粘膜内に限局しているものは、レーザーなどで全体を切除します。
筋層の浅いところまで浸潤している場合は、浸潤範囲とその周囲二センチほどを含めて、レーザーで切除します。
切除した組織標本の断端を組織診で調べて、悪性細胞があるときは、放射線照射と化学療法を追加します。
がんが筋層の深いところまで達しているものや、周囲の組織にも広く浸潤しているものは、放射線照射を少しかけてから、周囲も含めて大きくひとかたまりに切除してから、舌の再建手術をします。
断端に悪性細胞があるときは、放射線の追加照射をします。
照射野(放射線をあてる範囲)を決めて、その部分にだけ線源からの放射線があたるようにするのが普通の放射線治療の方法です。
これに対して、線源そのものを直接患部に刺入、または挿入して照射する方法を組織内照射といいます。
この照射法では、周囲の正常な組織への放射線の影響を少なくして、患部の腫瘍にのみ高線量をあてることができます。
舌がんの場合には、この組織内照射が、手術と同じくらいの高い治療効果が期待できます。
舌がんの予後
組織内照射の適応になるものや、レーザー切除ですむものは、予後は良好ですが、大きな手術が必要になるものの予後はよくありません。
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舌がん
舌がんの症状
舌に異和感が生じたり、舌とくに舌緑に腫瘤ができたり、舌に痛みを感じたりします。
舌の痛みは、食事のとき、香辛料で刺激されて起こったり、義歯があたって起こったりもします。
舌がんが進行すると
前述の自覚症状のほかに、進行すると、頚部のリンパ節がほれてきたり、周囲の骨に浸潤したり、遠隔転移も起こすようになります。
舌がんの検査と診断
まず舌の表面をよく観察し(視診)、潰瘍や普通の状態と変わっている部分があるかどうかをみます。
そして、舌の表面をさわったり、二本の指ではさんでさわってみて(触診)、かたいしこり(腫痛)などがないかを調べます。
表面にとくにあやしいところもなく、さわってみて腫癌もなければ、ようすをみます。
もし、あやしいところがあるときは、それが周囲の歯などがあたったり、こすれたりしてできたものかどうかを考えます。
歯に、舌に刺激を与える原因となるような鋭利なところがあれば、その部分を削ったり、また金属アレルギーで舌に病変が起こるともいわれているので、歯にかぶせてある金属をはずしたりして、一〜二週間ようすをみます。
それでも治らないときは、すぐに治療を開始できるように準備をしてから、あやしいところを全部、または一部を切除して組織診をします。
腫痛のあるときには、CT写真を撮って調べ、治療の準備をしてから、腫痛の一部または全部を採って組織診をします。
なお、舌の前三分の二は口腔に含まれ、舌の後ろ三分の一は咽頭に含まれるので、舌がんは舌の前三分の二の病変をいい、舌の後ろ三分の一の舌根部がんは、咽頭がんに含まれます。
カテゴリー:がん予防・治療
腎臓ガンの検査
尿検査
顕微鏡を使って尿中の赤血球を認めたり、見た目で赤い血尿を認めます。他の尿路系のがんもそうですが、血尿を認めたら、まずがんを疑ってかかるべきです。
膀胱鏡検査
内視鏡の検査です。
赤い血尿が認められたときは、この検査で出血の部位を確認します。
腎臓がんの場合には、尿管から血尿の流出が認められます。
エコー検査
簡単に受けることができますから、症状の出る前に発見することが容易です。
IVP検査
腎臓を造影する一般的な検査で、がんであれば腎孟やじんばい腎杯の圧迫が認められます。
CTスキャン
腎臓がんのリンパ節転移や浸潤の程度をみます。
腎動脈造影
がんの血管の変化をまた、がんの栄養血管を塞栓物質でつめてしまうこともできます。
カテゴリー:がん予防・治療
腎臓ガン
血尿があったらまずがんを疑う
最近、腎臓がんの死亡率が増加しており、十年前と比べると二倍になっています。
発生頻度は五十歳から増加し、六十〜七十歳に多く、二〜三対一で男性に多くみられます。
原因は不明ですが、食生活や遺伝因子が注目されています。
早期無症状が多いが五十%は血尿症状症状
最初は無症状で、進行してから症状が出てきます。
症状はまず、無症候性血尿といって、痛みなどの症状のない血尿が出ます。
見に見える血尿のほかに、尿検査でわかる血尿を含めると五十%がこの症状です。
ついで腎部(背中)の痛みや、腎部のしこりなどです。
がんが進行すると、肺やリンパ節、肝臓、骨の順に転移が起こり、せきや骨の痛みが出現します。
その他、原因不明の発熱や貧血、腹部の異和感も認められます。
カテゴリー:がん予防・治療
食道がんの症状
飲み込みにくいとか声のかすれなど
食道がんの大半は、ものを飲み込むと胸につかえるという症状で発見されます。
そのほかに、胸の違和感、胸から背中に響く痛みなどがあります。
また、リンパ腺への転移が早いために、首のリンパ腺のはれや、声がかすれて発見されることもしばしばです。
しかし、このような食道がんは、かなり進行しているがんといえます。
早期の食道がんは、症状のないことが多く、胃カメラや胃のバリウム検査で、たまたま発見されることがほとんどですから、定期的に検査する必要があります。
進行した食道がんと早期の食道がんとでは、治療法がまったく違います。
早期の食道がんは、症状のないことが多く、胃カメラや胃のバリウム検査で、たまたま発見されることがほとんどですから、定期的に検査する必要があります。
進行した食道がんと早期の食道がんとでは、治療法がまったく違います。
早期の食道がんは、内視鏡による切除で治りますが、進行がんは、たとえ手術したとしても死亡率はかなり高くなっています。
カテゴリー:がん予防・治療
食道がんの検査
バリウムによる食道造影検査
バリウムを飲んでレントゲン写真を撮る方法で、比較的楽な検査ですが、隆起や陥凹の少ない早期の食道がんは見逃されやすく、また、撮影の条件や技術によって、発見率に差があります。集団検診向きの検査です。
食道内視鏡
胃のファイバースコープで食道を直接観察する方法で、胃と十二指腸も同時に観察できます。
最近では電子スコープという解像力の高い内視鏡が使われており、いろいろな色素を用いることによって、食道がんの早期発見が増えています。
また、四センチ以下の粘膜に限局した食道がんなら、内視鏡を使って切除することが可能になってきました。
いずれにしても、食道がんの最終診断は、組織を内視鏡を用いて少し採って、病理医に顕微鏡下で診断してもらってはじめて決定します。
早期食道がんを発見するには、最初から食道内視鏡を行ったほうがよいと思われます。
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食道がんにならない為には
食道がんにならないためには、日常生活で、つぎのような注意をするべきです。
�@たばこを吸わない
�A濃いお酒を飲まない
�Bからいものなどの刺激物は控えめに食べる
�C熱いお茶は飲まない
この四つを守ることで、かなりリスクを減らすことができると思われます。
しかし、遺伝的な素因が関係していることがわかってきています。いくら生活習慣に注意しても、がんは突然発生してきます。定期的に食道カメラを行うことが必要なのです。
前にも書いたように、食道がんの手術は、頚部、胸部、腹部の三つの部位を手術するために、かなりからだに対する侵襲が大きく、死亡率も高い手術になります。
早期に発見されれば、内視鏡で切除できるのです。定期検診のたいせつさをもっとも感じさせられるがんといえます。
カテゴリー:がん予防・治療
食道がん
六十歳代が男性のピーク女性は七十代
食道が兆他臓器への転移率が高く予後はあまりよくない
食道は、食べたものを胃まで運ぶ長さ約二十五センチの管状の臓器で、心臓、肺、大動脈に囲まれています。
また、食道の周囲にはリンパ節や、呼吸や心臓の動きに関係する重要な神経が網目状に走っています。
内腔より粘膜、粘膜下層、筋層、外膜と層状になっており、がんはこの粘膜組織から発生します。
食道は周囲に重要な臓器があり、また、リンパ節や迷走神経(心臓の動きや呼吸に関係する神経)も近くを走っており、がんが発生して周囲に転移すると、致命的な影響を与えるので、予後の非常にわるいがんといえます。
胃がんや大腸がんは、粘膜下層までのがんであれば、リンパ腺や他臓器への転移の率は低いのですが、食道がんは、この粘膜下層レベルで、すでに頚部、胸部、腹部のリンパ腺や遠くの臓器に転移する率が高いのです。肺、肝臓転移が多く、骨や脳に転移することもあります。
また、食道がんの患者の約10〜20%には、同時にほかの臓器にがんが発生することが知られています。
これを重複がんといいますが、このようなことも予後をわるくする因子になっています。
食道がんにかかったら、同時にほかの部位のがんも心配しなければならないのです。
平成九年の食道がんによる死亡者数は、九千五九九人でした。
男性患者は女性の約五倍と多く、男性のピークは六十歳代にあり、女性は七十歳代にあります。
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上顎がん
上顎がんの症状
片側の鼻間や鼻漏頭痛や顔面痛 片鼻だけの長く続く鼻閉や鼻漏(血性のこともある)および一側性の流涙が起こることが多くあります。 がんこな頭痛や顔面痛、知覚鈍麻(しびれ感)を伴うこともあります。上顎がんの検査と診断
鼻腔内の視診および、ファイバースコープで鼻腔と上顎洞(頬にある骨の空洞)の自然口をよく観察します。 レントゲン写真とCT写真が重要で、画像上に骨破壊が認められると可能性は大です。 骨破壊が認められなくても、片側性の陰影があって、がんの存在が完全に否定できないときは、疑わしいと考えます。 いずれの場合も、最終的には、上顎洞を開いて組織を採取し(生検)、組織診を行って診断を確定します。上顎がんが進行すると
放置すると、自覚症状に加えて悪臭や顔面の変形なども起こります。上顎がんの治療
治療の準備を整えたうえで上顎洞を開き、組織診をします。悪性でも骨破壊がなければ、病巣を仝摘出して経過を観察します。 骨破壊がひどかったり、深くまで進んでいるときは、仝揃はせず 、に、生検だけを行います。 その際、化学療法のためのカテーテルを浅そくとうどうみやく側頭動脈に入れておきます。その後、化学療法と放射線照射を併用して行います。 h3>上顎がん治療の予後 骨破壊のないうちであれば予後は良好ですが、進行していると、予後のわるいことが多くなります。 現在のところ、早期発見、早期治療しかないと思われます。カテゴリー:がん予防・治療
子宮体がんの症状
初発症状は不正性器出血ですが、初期には褐色のおりもののこともあります。
また、子宮腺筋症といって、子宮内膜と非常によく似た組織が子宮の筋層で増殖する疾患がありますが、これに体がんが同居する場合があります。
子宮腺筋症の症状は、月経痛や月経困難症、過多月経およびそのために起こる貧血ですが、これらの症状があればチェックを受け、子宮腺筋症があれば子宮体がんの検査を受けるのが賢明です。
検査と診断
まず子宮内膜の細胞を採取して調べる細胞診で診断します。
検査結果は「陰性(がん細胞は認められない)」「疑陽性(がんを疑う細胞が認められる」「陽性(がん細胞が認められる)」の三段階に分類されます。
がんが疑われたら、子宮内膜の組織の一部を採取して顕微鏡で調べ(組織診)、確定診断します。
そのほか子宮鏡(ヒステロスコープ)検査を行うこともあります。
浸潤や転移の有無を調べるには、MRIやCT検査を行います。
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子宮体がんの治療
子宮体がんは、子宮膣内にとどまっている時間が長いため、初診時にすでに手術できないほどに進行している例はまれです。
早期がんの五年生存率は九十%前後で、手術で子宮を取り除けば、治る確率の高いがんです。
治療の第一選択は子宮全摘出術で、化学療法も組み合わされます。
また、体がんの発生にはエストロゲン(女性ホルモン)が強く関与しているので、ホルモン療法も併用されることがあります。
手術は、病巣の広がりの度合いによって当然切除範囲も広くなり、I期では単純子宮仝摘出術、�U期以降は広汎子宮仝摘出術を行い、いずれも周囲のリンパ節をきれいに切除します(リンパ節部活)。
また、卵巣は体がんが転移しやすい臓器なので、同時に摘出するのが一般的です。
放射線が比較的よく効く扁平上皮がんが多い頚がんに比べ、体がんの大部分は腺がんで、放射線療法の効果はあまり期待できないので、化学療法が併用されます。
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子宮がんの予防
清潔な性生活と定期検診で防ぐ
性生活との関係が深いので、特定のパートナーと清潔で健全な性生活を営むようにしましょう。局部を清潔に保つこともたいせつです。
細菌性腺炎などの慢性炎症が土台になることもあるので、日常のおりものに注意して、異常を感じたら放置せず受診しましょう。
そして、年に一度は検診を受け細胞異形成の段階、少なくとも0期までに発見されるように努めることがたいせつです。
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子宮がんの症状
がんの初期では、無症状のことが多く、多くは子宮がん検診や婦人科ドックで発見されます。
初発症状としてもっとも重要なのは不正性器出血(月経以外の出血)です。
とくに性行為に関連して出血する接触出血が特徴的です。
といっても接触出血は、むしろ頚管ポリープや頚管炎で頻度が高く、すぐにがんの心配をする必要はありませんが、異常なおりものや出血に気づいたら、放置せずにまずは婦人科を受診してください。
無症状で検診で発見されたもの、およびはじめて不正性器出血に気づいて発見されたがんのほとんどは早期がんで、手術によって九十%以上が治癒します。
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子宮がんの治療
治療手術が原則だが進行度で異なる
細胞の高度異形成(前がん病変)や0期(上皮内がん)では、病変部分だけを小さく切除する円錐切除術が一般的です。
このとき摘出した子宮組織の病理検査で浸潤がんであれば、腹式または腹式で単純子宮仝摘出術(子宮のみを摘除する)を行って確実に治療します。
浸潤がないと考えられる異形成細胞に対しては、レーザーで病巣を気化させてしまうレーザー蒸散法が行われることもあります。
微小浸潤のIa期では、腹式単純子宮仝摘術か、腹壁の一部も摘出する拡大(準広汎)子宮仝摘出術が行われます。
Ib期、�Ua期、�Ub期では、子宮を含んで広い範囲を摘出する広汎子宮仝摘出術と、骨盤内のリンパ節をきれいに切除する骨盤リンパ節部活術が行われます。
�V期、�W期では手術は不可能なので、外部照射と腔内照射(子宮の内部に管を入れてなかから照射する)を組み合わせた放射線療法を行います。
子宮頚がんは比較的放射線が効きやすいがんで、欧米ではI〜�U期の早期の子宮頚がんは、主としてこの方法で治療しており、また再発病巣にも効果があります。
しかし、進行がんになりますと、治療成績はよいとはいえません。
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子宮がん
子宮がんと一般に呼ばれている病気には、子宮頚がんと子宮体がんの異なる二種類のがんがあります。
子宮頚がんは、子宮頚部と呼ばれる子宮の入り口が脛に突き出ている部分に発生するもので、子宮体がんはその奥の休部に発生するものです。
圧倒的に多いのは頚がんで、女性のがんでは胃がん、乳がんにつぎますが、死亡率は胃がんの三分の一にすぎません。
頚がんは検診での見逃しが少なく、年に一度検診を受けていれば、早期発見によって治癒する例が多いのです。
一方、体がんはこれまで、仝子宮がんの五〜十%程度といわれていましたが、ここ数年、急激に増え、現在十五〜二十%を占めるようになっています。
将来的にもさらに増加傾向が続き、やがて体がんと頚がんの比率が逆転するのではとさえ危ぶまれています。
子宮頚がん 好発年齢は四十歳代、ついで五十歳代ですが、近年、若い年代の患者も増えており、とくに三十歳代で著しい増加をみせています。
女性性器がんのなかでもっとも催患率の高いがんですが、死亡率は減少しており、この四十年間でほぼ半減したといわれます。
これは、衛生環境の向上、子宮がん検診による早期発見、女性が全般的におりものに敏感になり、婦人科受診率が上がったことなどによるものと思われます。
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喉頭ガン
喉頭ガンの初発症状は、喉頭のどこにがんができるかによって異なります。
声帯の上方にできると、のどの異物感や飲み込むときの痛みがまず起こります。
声帯にできると、声がれがまず起こります。
声帯の下方にできると、せき、たん疾(血疾のこともあります)がまず起こりますが、相当な大きさになるまで無症状のこともあります。
いずれの場合も、時間がたてば、声がれやせき、のどの異常感(乾燥感、かゆい感じ、とリヒリした感じ、異物感、飲み込み時の痛みなど)、疾、発熱、出血、息苦しさが起こります。
喉頭ガンの検査
喫煙歴が長ければ癌の細胞診も
過去からの喫煙状態を十分に調べることがたいせつです。
喉頭がんの発生とたばこは、深い関係にあることがわかっているからです。
つぎに、頚部のリンパ節を調べます。左右対称にないものや、動かないものが要注意です。
そのあと喉頭部の状態を調べます。
硬性鏡(耳、鼻、のどなど細い管腔内や洞内を見るための金属製の棒状の器具)かファイバースコープ(同じ目的のための器具で、自由に曲げることができる)で観察しますが、そのとき光源をストロボにすると、声帯の振動の状態までわかります。
声帯粘膜の振動ががんのところで消失するので、ストロボでの観察は重要です。
以上の検査で、疑わしい部位がまったくなければ、そのままようすを見るか、喫煙歴の長い人であれば、念のため疾の細胞診(悪性細胞があるかどうか調べる)をします。
もし、疑わしい部位があれば、全身麻酔をして、喉頭微細手術でその組織を採取し、病理組織検査を行って診断します。
全身麻酔下なので、喉頭も入念に観察することができ、また出血している部位があれば、止血することもできます。
がんの疑いが強い場合には、迅速診(手術中に病理組織検査を行い、その結果から治療方針を決める)を行って、できるだけ早く治療を開始しなければなりません。
ただし、迅速診は、永久診に比べて多少精度が落ちます。
喉頭がんが進行すると
進行すると、頚部に転移したり、他臓器に転移したりして、頚部リンパ節腫大や喉頭の可動性の消失、あるいは甲状腺への浸潤や肺陰影出現などが起こります。
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肝臓がんの症状
肝臓がんに限らず、肝臓病全体を通じて、初期段階にはほとんど自覚症状を認めません。
なぜなら、予備力、再生力の大きい肝臓は、その八十%に障害があっても、残りの肝臓が十分肝臓としての働きをしてくれるからです。
そのため、早期発見が困難で、急性肝炎や劇症肝炎などを除いて、自覚症状や他覚症状が現れてきた場合は、病状が進行していると考えられます。
肝臓がんには特有の自覚症状がありません。症状が出るとしたら、合併する肝硬変による症状です。
肝機能障害が進むと、全身倦怠かん感、発熱、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、肝腫大、黄症、腹水、食道静脈痛、吐血、下血、くも状血管腫、女性化乳房、手掌紅斑、ばち状指などの症状が現れますが、早期の肝臓がんは、自覚症状に乏しいため、定期的な血液検査や超音波検査(エコー)、X線線CT検査などの画像検査が必要です
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肝臓がんの治療
外科的切除
今日ではエタノール注入療法や、肝動脈塞栓術などの新しい内科的治療法が開発され、手術による治療は減少傾向にありますが、肝臓がんに対する手術の安全性も向上し、外科的切除(手術)も重要な治療法のひとつです。
ただ、肝臓がんの80〜90%に肝硬変を合併しているために、手術前の肝機能を十分に評価し、手術可能かどうか、また肝臓がんの大きさ、個数、部位などから肝臓をどれだけ切除するかどうか、十分に検討する必要があります。
経皮的エタノール注入療法(PEIT)
純アルコールの持つ強力な細胞壊死作用を利用して、超音波で肝臓を見ながら、細い針を用いて直接肝臓がんに純アルコールを注入して、がんを壊死させる治療法です。
この治療法は、がんの大きさが三センチ以下の早期がんで、がんの個数は三個以下がよい適応になります。
超音波でがん全体が描出できる部位なら、どこへでも行うことができますが、高度な技術を必要とします。
PEITは、肝臓に対する侵襲が少ないため、高度の黄症や出血傾向などの重大な肝機能障害のある例を除いた多くの症例や、再発症例にも積極的に行われています。
治療効果も、手術に劣らない成績が得られているために、注目されています。
冠動脈塞栓療法(TAE)
肝臓がんは、栄養のすべてを肝動脈から受けており、健康な肝細胞は栄養の二割を肝動脈から、八割を門脈から受けているという特徴を利用した治療法で、足の付け根から肝動脈まで細い管を通し、管から血管をつめる塞栓剤を注入して、がんの栄養を断つというものです。
その適応は広く、多発例にも施行可能であり、治療不能部位がなく、侵襲も少ない治療法ですが、肝臓がんのなかには肝動脈以外から、栄養を受けているものもあり、それらは適応外になります。
最近では、TAEの効果増強のためのくふうとして、塞栓剤といっしょに抗がん剤を注入する、肝動脈化学塞栓療法(TACE)が注目されています。
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肝臓がん
肝臓に発生する悪性腫瘍が肝臓がんです。
肝臓がんは、肝臓内から発生する原発性肝がんと、大腸がんなど他のがんが転移して発生する転移性肝がんに分けられます。
このうち、原発性肝がんは、肝細胞がんと胆管細胞がんなどに分類されます。
普通、肝臓がんといえば肝細胞がんのことを指します。
肝臓がんの発生頻度は、世界的に地域差がありますが、近年では日本でも増加傾向にあります。
とくに六十歳前後の男性に好発し、男性は女性の約四倍とされています。
男女を合わせると、肝臓がんの死亡数は年間に三万二千人を超え、胃がん、肺がんについで第三位を占めています。
肝臓がんは、ウイルス肝炎や肝硬変との関連が注目されています。
肝臓がんの患者の九十%は、B型もしくはC型肝炎ウイルスに感染しており、とくにC型肝炎ウイルスに感染している患者は七十%を占めています。
また、肝臓がんの八十〜九十%が、肝硬変やそれに近い病態を合併しています。
肝臓がんは、正常の肝臓に発生するのはまれで、肝炎ウイルスの感染→慢性肝炎→肝硬変という経過中に、肝臓がんが発生すると考えられています。
その他、アルコール常飲者、薬剤、自己免疫疾患などを原因として発生しますが、それらは数%にすぎず、わが国の肝臓がんは、ほとんどがウイルス肝炎を母地として発生しているのです。
カテゴリー:がん予防・治療
咽頭の検査
自覚症状をよく聞いてから、硬性鏡やファイバースコープで咽頭を直視下に観察します。
観察したところでは、はっきりとした病変が見あたらなければ、上・中咽頭では擦過細胞診(綿花などで細胞をこすりとり、顕微鏡で調べる)や疾の細胞診を、下咽頭では疾の細胞診を行います。
疑わしい部位がみられれば、その組織を一部採取して(生検)、病理組織検査をします。
下咽頭の深いところの病変が疑われ、ファイバースコープによる観察や組織採取が難しい場合は、全身麻酔をして食道鏡を挿入し、組織を採取して調べます。
診断がついたら、できるだけ早く治療を開始します。
進行がんでは、がんの広がりを正確に把握するために、CTによる検査も必要です。
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咽頭がんの治療
上・中咽頭は放射線下咽頭は手術主体
上咽頭がんは放射線の効くものが多いので、まず放射線照射を行いますが、再発することも少なくなく、何度も照射しなければならないこともあります。
中咽頭がんも、放射線照射を主体として、一部化学療法を加えます。
下咽頭がんでは、手術が中心となり、その前やあとに補助療法として放射線照射や化学療法を併用します。
下咽頭がんでは、喉頭や咽頭だけでなく、食道も除去しなければならないことが多いので、結腸を移植して食道を再建することがあり、血管縫合を含めた大手術になります。
咽頭がん治療の予後
予後上咽頭がんは、かなり大きくなってから見つかることが多いので、放射線が効かないと予後はわるく、脳のほうへ浸潤してしまうことがあります。
また、放射線が効いても再発することがまれではありません。
中咽頭がんは、悪性リンパ腫のことが多く、進行してから見つかると予後は不良です。
下咽頭がんは、進行してから見つかることが多いうえに、転移する率が高いため、頭頚部がんのなかでももっとも予後がわるい病気です。
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咽頭がん
咽頭は上中下の三つに分けられ、そのそれぞれで自覚症状が違います。
上咽頭は鼻の奥にあたるところで、耳管(耳のなかの気圧を調節するためのもの)の開くところのそばにあります。
咽頭がんの症状
上咽頭がんの自覚症状は、耳閉感が片耳だけに起こって長く続くことや、鼻出血または血性の後鼻漏(鼻からの出血がのどにたれること)が少量長く続くことです。
進行すると耳に水がたまったり、耳鳴りや難聴が起こったりします。
ある程度の大きさになると、鼻閉が片鼻だけに起こり、長く続いたりします。
もっと進んで、脳の方向へ浸潤すると、視野・視力障害が起こり、さらに進行すると、顔面痛、味覚障害、噴下障害、声がれなどさまざまな症状が起こります。
中咽頭は扁桃のあるところで、中咽頭がんはごく少ないのですが、その自覚症状は噴下痛、のどの痛み、血痕、異物感などです。
舌根部は中咽頭に含まれます。
下咽頭は食道入口部とその周囲ですので、その自覚症状は、初期のうちはのどのいがらっぽい感じや異物感だけですが、少し進むとある部位に限局した痛みや囁下痛が起こります。
さらに進むと、耳への放散痛や血疾、噴下障害が起こり、口臭を放つこともあります。
周囲の咽頭に浸潤すると声がれも起こります。
咽頭がんが進行すると
自覚症状以外には、頚部リンパ節のはれや甲状腺の腫痛などがみられることがあります。
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舌がんの予防
舌がんは、喉頭がんほどではなくとも、やはりたばこや飲酒との関連があるといわれています。
また、歯があたったりして慢性的な刺激を受けているところにもできやすいといわれているので、このようなか所があったら、歯科で治してもらっておきましょう。
早期発見、早期治療がたいせつなのはもちろんです。
舌は自分で見たりさわったりできる部位ですから、日頃からときどき観察しましょう。
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喉頭がんの予防
喉頭がんは、声帯そのものや、声帯の上下のいずれにできるものでも、たばこと深い関係があることは、統計的に証明されています。
ですから、できれば禁煙すること、少なくとも一日あたりの本数を減らす努力をすることがたいせつです。
喉頭がんでは、一日の本数×喫煙年数の影響が大きいとされています。
また、飲酒との関連も統計上高いことがわかっていますが、これは、アルコールを飲むと、たばこが増えるためと考えられます。
喉頭がんの患者さんの男女比は、十対一で男性に多いのですが、これは喫煙を含めた男性的生活環境が、がんを増加させると理解されています。
本人だけでなく、家人の吸うたばこの影響もあり、他人の吸っているたばこの煙を吸わないように注意することもたいせつです。
喫煙する人は、家人に吸わせないように注意してください。
とくに妊娠中の女性は禁煙に努めるのはもちろんのこと、家に妊娠中の人や小さな子どものいるときは、戸外や別室で吸うような心配りをしてほしいものです。
喉頭に異常を感じたときは、専門医をできるだけ早く受診し、早期発見、早期治療に努めることがたいせつです。
万一、喉頭がんにかかったとしても、手術を不必要に恐れたりして、タイミングを失することのないようにしてください。
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喉頭ガンの治療
治療自覚症状や硬性鏡あるいはファイバースコープによる検査、喉頭のレントゲン写真やCT写真、組織検査などのいろいろな検査からがんの広がりを把握して治療を開始します。
がん病巣が小さければ、放射線照射だけで治ることも多くあります。
がんがある程度広がっている場合は、化学療法(抗がん剤による治療)をしてから手術するのが普通です。
手術は、喉頭を含めて、がん病巣のすべてを取り除きますが、頚部に広がっているときは、頚部のリンパ節もいっしょに取り除きます。
喉頭部分切除といって、喉頭の発声・呼吸・囁下といった機能を温存しつつ、がんの切除も完全に行う方法がありますが、この方法の適応にあたっては、患者さんの状況を十分に把握して、慎重に検討する必要があります。
機能を残しても、がんが取り残されたのでは、生命予後にかかわるからです。
他臓器にまで広がっている場合は、たとえばそれが甲状腺であれば、甲状腺もいっしょに切除しますが、肺、肝臓などへの遠隔転移がすでに起こっているほど進行している場合は、手術をしても意味がありませんので、多くは化学療法を行います。
喉頭ガン治療の予後
喉頭を除去しても電気喉頭で会話
がんの広がりが小さく、放射線治療だけで治れば、発声機能も残ってベストです。
がんが声帯の上下へ進展しておらず、声帯におさまっていれば、たとえ声帯の動きが少し落ちていても、八十〜九十%は、放射線治療だけで治ります。
声帯の上下に進展しても、声帯の動きが良好なら、治癒率は前記に近い成績です。
しかし、がんの声帯上下への進展と声帯可動性低下の両方があるときは、治癒率は五十%くらいになります。
もし再発したときには、救済手術として喉頭を除去する手術をします。
放射線治療単独では困難と考えられ、手術を要する場合には、その進展度によって予後は異なります。
当然ながら、進展範囲が小さいほど、予後は良好です。
喉頭を全摘出すると、通常の発声はできなくなりますが、電池と器具さえあれば、だれにでもすぐ会話ができる電気喉頭や、食道発声法(道具はいらないが訓練が必要で、うまくできない人もいる)などで、話すことができるようになります。
喉頭を失うことを恐れて、手術を拒否すると、治る可能性は、極端に減ってしまいます。
肺、肝臓などに遠隔転移がある場合には、予後はよくありません。
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皮膚ガンの治療
転移のない時期なら手術で根治治療も
治療皮膚がんでも他のがんと同様に、早期発見、早期治療がたいせつです。
すべての皮膚がんは、根治的治療が可能です。
もちろん、そのためには早期に発見し、転移のない以前に手術によって治療してしまうことが必要です。
他のがんが目に触れることが少ないのに対し、皮膚の変化は自分自身の目で「おかしい」と気づきやすく、皮膚がんも早期発見、早期治療がしやすいがんです。
皮膚に少しでもへんだと思う変化があったら、専門医を受診することをおすすめします。これがもっともたいせつなポイントです。
皮膚がんの治療は、手術的治療が主体となりますが、それほど難しい手術ではありません。
皮膚がんの種類にもよりますが、比較的悪性の度合いが小さなものでは、がんの周辺0・五〜一センチくらい、中等度のがんでは一〜二センチくらい、悪性度の高いものでは三〜五センチ程度離れたところまで切除するのが普通です。
したがって、早期に発見すれば、切り取る範囲も小さくてすむことになります。
皮膚がんを切り取ったあとは、小さながんであれば、直接皮膚を縫い合わせ、形成外科的手法によって、傷跡も目立たないようにすることができます。
切り取ったあとが中等度〜大きなものでは、周辺部の皮膚を引き伸ばして寄せたり、皮膚の移植が必要な場合もありますが、最近の形成外科的技術の向上とともに、顔のしわや輪郭にそって傷を目立たなくする方法や、新しい植皮術の開発によって、正常な形態と変わらないまでにすることができるようになっています。
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皮膚がんの種類
悪性黒色腫
ほくろや黒あざ、しみからできる皮膚がんは、皮膚のなかにあるメラニンや母斑細胞から変化するがんで、医学的には悪性黒色腫といって、死に至ることもあるこわいがんです。
からだのあちこちにできますが、日本人では足のうらや手の先、てのひら、顔、爪、外陰部などの発生率が高いとされています。
足の裏や手のほくろに注意が必要です。
大きくなってきたり、にじみ出したように形がくずれてきたら、がんの疑いが濃くなります。
顔や日光にあたる各部で、薄茶色のしみが黒くなったり、しこりのようになったり、ふくらんできたりしたときも、がんの疑いがあります。
顔のほくろも注意が必要です。
短期間のうちに、色や形、大きさなどが変化してきたら注意信号です。
有細胞がん
むかし受けたやけどの跡、傷、放射線照射を受けたあとにできる皮膚がんは、表皮の変化によって起きるがんで、有煉細胞がんといわれています。
最近では、日光(老人性)角化症が原因であるものが増加しています。
むかしのやけどの跡が、赤みをおびてきたり、硬くしこりとなったり、潰瘍となったり、治りにくいただれとなったりしていませんか?
このような変化が認められたときには、このタイプの皮膚がんの疑いが濃くなります。
顔や手足など日光のあたる部位に、ピンク色や茶色の混じったびらんしたところが認められるのも、このがんの疑いが強くなります。
日光の強い地方の出身者や、戸外での労働や職業活動の多い人は、とくに注意が必要です。
基底細胞がん
四十歳代以降の高齢になるにつれて多くみられるようになります。
普通は転移しないことが多いのですが、ときに死に至ることもあります。
この皮膚がんは七十%以上が顔にできます。色は黒っぽいものが多く、しばしば中央部にただれを伴います。
皮膚のがんのうち、もっとも多くみられるがんで、統計的には四十歳代七・六%、五十歳代十七・四%、六十歳代二十五・七%、七十歳代以上四十四・四%と、高齢になるにつれて発生頻度は高くなります。
このがんも日光との関係が深いとされています。
ページェット病
外陰部やわきの下にできる、やや湿ったり、びらんを伴ったりするピンク色のまだら状の皮膚がんがあります。
これはページェット病と呼ばれる表皮内がんのひとつです。
アポクリン汗腺がかかわっているために、これが密に分布する外陰部、わきの下、おへそのまわり、おしりのまわり、乳房のまわりに生じます。
外陰部に発生するものが、もっとも多くみられます。
典型的な病変では、湿ったびらん状のピンク色をしたまだら状の局面を示しますが、一般的に自覚症状は強くありません。
外陰部などに、なかなか治らない湿疹のようなものができているときには要注意で、この皮膚がんを疑わなければなりません。
死に至るこわいがんですが、リンパ腺に転移のないものは予後はよいとされています。
カテゴリー:がん予防・治療
前立腺がんの治療
前立腺がんは、男性ホルモン依存性の性質があり、抗男性ホルモン剤によく反応するため、がんの縮小や排尿障害の改善、がん性痺痛の改善に非常に有効です。
前立腺は、脳の視床下部→脳下垂体→精巣→前立腺という流れで男性ホルモンのコントロールを受けており、このルートのいずれかを断ち切って、がんを抑えます。
がんが前立腺を超えて進んだり、転移のある例の第一選択の治療法となります。
手術療法
原則的に早期で、がんが前立腺の被膜内に限局しているものに適応されますが、初期は自覚症状がないので、適応は全体の十%程度です。
経尿道的前立腺切除術 排尿障害が強い例に行います。
放射線治療
進行例に行います
前立腺がん治療の予後
前立腺がんは比較的発育がゆっくりで、予後も比較的よく、進行例でも適切な治療によって良好な予後が期待できます。
五年生存率は限局しているがんでは七十〜八十%、転移がみられる例では三十五%です。
カテゴリー:がん予防・治療
腎臓ガンの治療
まず早期手術以外はあまり期待できない
原則は早期発見、早期手術です。
手術は腎周園の脂肪やリンパ節を含めて摘出する根治的腎摘出術が第一です。
術前、術後に免疫能を高めるα型インターフェロンが併用されることもありますが、インターフェロン単独での有効率は高くありません。
その他、抗がん剤や放射線療法もありますが、あまり有効ではありません。
予後
一般に不良で、五年生存率は、がんが限局している場合は六十〜八十%、転移している場合は0〜五十%です。
しかし、エコー検査でたまたま見つかった偶発のがんは予後がよく、五年生存率も九十五%を示しているので、年に一度程度はエコー検査を受けるべきだと思います。
カテゴリー:がん予防・治療
子宮体がんの予防
閉経後と考えず三十代から自覚して
子宮体がんの多くは、閉経後に発症するため、子宮体がん検診も、最近六か月以内に不正性器出血があり、「五十歳以上の人」「閉経後の人」「末妊婦の月経不順の人」を対象に行っています。
しかし、体がんは三十歳代でも見つかり、これ以降急激に増えますが、現在のところ検診がおろそかになっています。
閉経後の不正出血に限らず、閉経前の人でも自分で自覚して、婦人科ドックなどですすんで体がん検診を受けてほしいと思います。
とくに、子宮体がんになりやすい因子を持っている人は、頚がん検診と同様、年に一度チェックを受け、早期に発見されるように努めてください。
高血圧や糖尿病、肥満がある人は、これらの改善も予防につながります。
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子宮体がん
子宮休部の内膜に発生するので「子宮内膜がん」とも呼ばれています。体がんは、世界的に増加傾向にあり、わが国でも急激な勢いで患者数が増えています。
子宮体がんになりやすい人
五十歳以降に多く(八十%前後が閉経後)、また頚がんとは対照的に、次のような人がかかりやすいといわれます。
(1)妊娠・分娩の経験がないか、あっても少ない人
(2)初妊年齢が高い人
(3)高血圧症、糖尿病、肥満、不妊症、月経不順、脂肪食を好む人
(4)家族(母、姉妹)に子宮に異常が発生した人がいると発生率が高くなる(遺伝傾向)
(5)子宮頚管に対する刺激を受けていない(性生活に乏しい)
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子宮がんの検査
細胞診→膣拡大鏡→組織診という順序です。
宮がん検診で一般に行われているのが細胞診です。
子宮頚部の内壁を綿棒などでこすって細胞を採取して、ガラス板に塗って特殊な染色をほどこし、顕微鏡で観察して異常な細胞がないかを調べます。
細胞診の結果は「クラスI〜クラス�X」までの段階に分類されます。
クラス�V以上は、異形成細胞(細胞の形に変化が起こる)がプラスであることを意味し、異形成の度合いによってさらに軽度(�Va)、中等度(�Vb)、高度(�VC)に分けられます。
クラス�W以上は、がんと診断されます。
結果がクラス�V以上のときには、腹拡大鏡(コルポスコープ)で子宮腹部を観察し、さらにがんが疑われる部位から組織の一部を採取します。
この組織を病理医が調べて、異形成か、上皮内がんか、浸潤がんかの診断をつけます。
がんが進行していると判断された場合には、その広がりを知る検査を行います。
これには視診、内診、直腸診などの基本的検査のほか、超音波検査、CT、MRIなどの画像診断、周辺臓器や遠隔臓器への転移が疑われれば、それぞれの部位の精密検査をしま
年に一度検診すれば0〜I期で見つかる
子宮頚がんは、まず細胞の異形成から始まります。
その約八十%は自然に消えてしまい、二十%が二〜四年を経て0期の上皮内がんに進みます。
年一回の子宮がん検診を欠かさなければ、細胞異形成か、少なくともI期までの段階で発見できます。
0期に発見されたものの治癒率は百%、I期でも九十%が治癒します。
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乳がんの治療
乳がん治療に、手術は絶対に必要
乳がんの治療方法には、手術、ホルモン療法、放射線療法などがありますが、がんを完全に治すためには、手術が絶対に必要です。
また、乳がんには、ホルモン療法や放射線治療もよく効きます。
これらを組み合わせることで、かなりの治療効果を上げることができます。
抗がん剤による治療法も、最近では効果を上げてきています。
美容上の観点から乳房温存の手術も
手術
以前はこの手術が基本でした。
乳腺と胸の筋肉とわきの下のリンパ腺をすべて切除する方法で、がんの治る確率のもっとも高い手術といえます。
しかし、手術後の胸部の美容上の観点から、現在では胸部の筋肉神経を温存する縮小手術が主流になってきています。
さらには乳房を温存する方法も行われるようになってきています。
乳房は女性にとってたいせつなからだの一部であり、しかも乳がんの進行度は他のがんに比べると遅いということもあって、これらの縮小手術が流行のように行われるようになりました。
しかし、乳がんの場合、十年後に再発する場合もあるので、術式については、慎重に決定しなければなりません。
乳がんの術式については、その適応がまだ確立されておらず、施設によって違うのが現状です。
よく医師と相談して、十分に理解、納得して手術を受けることがたいせつです。
拡大乳房切除術
定型的乳房切除術よりも、さらに広範囲のリンパ腺を切除する方法ですが、最近ではほとんど行われなくなりました。
なぜかというと、そこまで進行すると、予後はほとんど変わらなかったからです。
胸筋温存乳房切除術
定型的乳房切除術の場合、術後は、肋骨の上に皮膚がのっているだけですので、外観がわるく、女性にとってはつらい術式でした。
そこで胸の筋肉を残して、乳房とわきの下のリンパ腺を切除する術式が開発され、現在はこの方法が主流となってきました。
肋骨の上に大胸筋がのっているので、肋骨が浮き出ず、美容上はかなり改善しました。
乳房温存手術
乳房を全部取らずに、しこりを含んだ乳房の一部分とわきの下のリンパ腺を切除する方法です。
この手術は美容上は優れていますが、早期の乳がんのみに適応する術式といえ、適応については慎重に決定すべきだと思われます。
さらに、術後に放射線をかけるかどうかが、今後の課題といえるでしょう。
乳房再建術
形成外科領域では、乳がんの手術後、背中の筋肉などで、乳房を再建する方法が研究されてきました。
いろいろな方法がありますが、がんの手術よりもたいへんな手術が多く、またまったくもとのとおりになるわけではなく、からだのあちこちに傷ができるので、医師とよく相談してから行ったほうがよいと思われます。これは、形成外科が専門です。
ホルモン療法
乳がんの発生と増殖には、卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンが関与しています。
そこで、以前は卵巣を切除したり、男性ホルモンを服用したりしていましたが、現在ではタモキシフェンという抗エストロゲン剤が開発され、用いられています。
この薬剤はエストロゲンのがん増殖作用を抑制します。
放射線療法
放射線治療も、かなり効果があります。
おもに手術後のリンパ腺転移の予防と治療に使われています。
乳がんの縮小手術後に、放射線治療を行うかどうかは、これからの課題でしょう。
抗がん剤による治療
乳がんはリンパ腺だけでなく、血管のなかに入り、血液の流れにのって骨、肺、脳などの臓器に転移します。
進行がんの場合、術後、少なくとも五年間は、経口的に抗がん剤を飲んだほうがよいでしょう。
がんが直径一センチ以下で、さらにリンパ腺転移のない症例に限っては、その必要はないでしょう。
リンパ腺転移外の十年生存率90%
乳がんは比較的進行が遅いがんですが、通常十年生存率で評価します。
つまり十年経過したら、ほとんどだいじょうぶといえます。
乳がんの治療成績は、おもにリンパ腺転移の有無によって決まってきます。
リンパ腺転移がない症例の十年生存率は約九十%とかなり良好です。
しかし、リンパ腺転移のある症例では、約六十%とかなり差があります。
また、がん病巣の大きさが大きいほど、予後がわるいこともわかっています。
したがって、いかに早期発見、早期治療が必要かがわかります。
乳がん発生のピークは四十歳代後半です。遅くとも四十歳になったら、乳がん検診を定期的に受けるようにしましょう。
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乳がんの検査
触診
乳がんのもっとも多い症状は、しこりです。
乳がん検診で、まず行われるのが触診で、このしこりを発見する方法です。
これにはかなりの経験が必要ですが、熟練した医師なら、触診だけで大部分の乳がんを診断することができます。
しかし、しこりをつくらないタイプの乳がんもあるので、これだけに頼るのは危険です。
典型的な乳がんの触診所見は、しこりの硬さが周囲の乳腺と比べると、明らかに硬く、さわってもあまり動かないのが特徴です。
そして表面をなでると、ごつごつした感じがあります。
また、そのしこりのある部分の皮膚が、えくぼのようにくぼんでいたら確定的だといえます。
定期的に自分で触診するくせをつけるのがたいせつです。
しこりを見つけたら、すぐに専門医の診察を受けるようにしましょう。
また、乳頭から異常な分泌液が見られる場合も要注意です。
いずれにしても、触診はもっとも乳がん発見にたいせつな検査です。
乳腺X線検査(マンモグラフィ)
乳がんは硬いしこりをつくります。
レントゲン検査をすると、その周囲の正常乳腺と区別できる場合が多く、石灰化といって真っ白の粒状の陰影が、多数集まるのが特徴です。
がん組織は、ウニのように突起をいろいろな方向に伸ばしながら大きくなっていきます。
その突起状の組織が、レントゲンに写る場合もあります。
しこりをつくらないタイプのがんも、このような特徴を持っているので、触診と組み合わせて行ったほうがよいと思われます。
乳腺の超音波検査
この検査は、他のしこりをつくる乳腺の疾患との鑑別に役立ちます。
生険
最終的な診断は、組織を小さく採って、病理学者の顕微鏡診断によります。針を刺して採る方法や、切開して組織を小さく採る方法があります。
この診断によって乳がんの手術を行うかどうかが決まるのです。
乳管造影
乳頭に乳管が開口していますが、この乳管に造影剤というレントゲンに写る液を注入して、レントゲンを撮ることによって、乳がんを発見しようという方法です。
多少苦痛を伴う方法ですが、乳頭から血の色をした分泌液が出る場合には、この検査を行います。
しこりをつくらないタイプの乳がんを診断するもので、特殊な検査の部類に入ります。
腫瘍マーカー
血液と乳汁に対してそれぞれあります。
血液のなか写真 乳房X線検査(マンモグラフイ)の血清という成分中のCEA、CA15−3などは、乳がんの再発や転移の際に上昇しますが、乳がんの早期診断には、ほとんど役に立ちません。
乳汁中のCEAは、これを測定することによって、ある程度乳がんかどうかの判断はつきますが、これも確定的ではありません。
あくまでも補助診断の域を脱し得ません。
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乳がんの原因
女性ホルモンと肥満が関与
乳がんの発生には、エストロゲンという女性ホルモンが、かなり関与しています。
女性ホルモンは、乳がんの発生や増殖を促進します。
このことは実験的に証明されています。
初潮が早かったり、閉経が遅かったりすると、それだけ女性ホルモンの分泌期間が長くなり、乳がん発生の確率が高くなるのです。
また、脂肪組織には、エストロゲンを合成する酵素があり、脂肪が多いと、それだけ乳がんになりやすいといえます。
ですから、太らないように心がけることは、乳がんの予防にもなるのです。
そのためには、高脂肪・高たんぱくの食事は避け、適度な運動を習慣づけるようにしましょう。
乳がん研究会ではつぎの八項目の危険因子を発表しています。
危険因子
(1)四十歳以上の女性
(2)三十歳以上で未婚の女性
(3)出産が三十歳以上、あるいは三十歳以上で出産していない女性
(4)閉経が五十歳以上
(5)肥満の女性(標準体重のプラス二十%以上)
(6)過去に乳腺の良性疾患にかかったことがある
(7)一度乳がんにかかっている
(8)家族や血縁の親族に乳がんになった人がいる(家系内に乳がんの人がいる場合、そうでない人と比べて約二倍の発生率)
この八つの項目にあてはまる人は、とくに気をつけて、少なくとも、年に一回は、乳がん検診を受けておいたほうがよいでしょう。
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最近のがんの動向
世界では一位 肺がん 日本では一位 胃がん
WHO(世界保健機関)の発表によると、一九九六年一年間のがんによる死亡者数は、世界で約六百三十万人。
そのワースト3は一位肺がん、二位冒がん、三位大腸がんだった。
ほとんどの国で激増し、とくに近年女性の増加が目立つ肺がんは、男性患者の八十五%、女性患者の四十六%に喫煙の影響がみられ、やはり喫煙との深い因果関係を示唆している。
地域的には、肺がん、大腸がん、乳がんは先進国に多く、後者二つのがんには高脂肪・低繊維食といった食生活との関係が大きいとみられる。
途上国では胃がん、食道がん、口腔がん、子宮(頚)がんの発症率が高い。
冒がんでは全患者数の六十五%以上を、また食道がんでは八十五%を、口腔がんでは七十五%を途上国が占め、子宮がんは途上国の女性にもっとも多いがんになっている。
食道がん、口腔がんでは喫煙と飲酒の影響が大きいとされているほか、胃がんではヘリコバクター・ピロリ菌、子宮頚がんではヒトパピローマウイルスなど、ウイルスや細菌との関係も疑われている。
中国では肝臓がんが激増しており、全がん患者の五十五%を占めている。
その八十%以上でB型肝炎ウイルスの関与が指摘されているが、飲酒の影響も大きいとされている。
では、日本は?
厚生省人口動態統計によると、日本ではがんで二十七万五千人が死亡しているが、
その第一位は胃がん。二位肺がん、三位大腸がん、四位肝臓がん、膵臓がん。
胃がんは以前から日本人にもっとも多いがんで、今日でも発症率は高いが、近年、死亡率は減少してきている。
代わって肺がん、大腸がんなどの増加が目立ち、将来的には世界の動向と近づきそうだ。
とくに高脂肪・低繊維の食生活との関係が大きいとされる大腸がんや膵臓がん、また子宮体がん(子宮内膜がん)や乳がんも、今後、増加していくことが予想される。
わが国では、発症率の高い胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がんについては老人保健法による検診システムが確立されているので、積極的にこれを受け、他の部位のがんについては人間ドックなどを受診して早期発見に努めることが、現在のところ、がん死を防ぐ最大の予防法であるといえる。
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膵臓がんの治療
膵臓がんの、もっとも確実な治療法は手術です。
基本的に脾臓の手術は、その解剖学的な位置関係のために、手術そのものが難しく、かつては切除率は数%にすぎず、手術をしたために亡くなってしまう患者もたくさんいました。
最近は、手術手技や術後管理の進歩によって、手術の危険率はだいぶ低くなっています。
膵臓がんは早期発見が困難なため、進行例に対する周囲臓器への浸潤の程度によって、手術方法、切除範囲が異なります。
また、膵臓周囲には生命に深く関係している血管や臓器が密集しているため、切除範囲にも限界があります。
膵頭十二指腸切除術(PD)
頭部にがんがある場合に行われる手術です。
最近では手術後の患者のQOL(生活の質)を考慮し、全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)が多く行われるようになりました。
この手術法はいままでの手術に比べて、胃をすべて残せるので、手術後の栄養障害が少ないとの報告がありますが、当然その適応として、胃やその周辺リンパ節に、がんの転移などがないことが前提となります。
膵体尾部切除術
休部、尾部のがんに行われる術式です。
膵全摘術
病巣の範囲によっては膵臓を全摘する場合もあり、このときは手術後に糖尿病状態が必発するので、一生インスリン注射をしていかなければなりません。
その他の治療法として、手術を適応する場合にも、また不能例に対しても、放射線療法を行ったり、抗がん剤を投与することによって、がんの治療成績を向上させる努力をします。
しかし、いずれの治療法も、その効果はあまり期待できないのが現状です。
姑息的手術
切除不能で、消化管の閉塞などがあったとき、バイパスをつくって胆汁や食物を通過させる目的の手術。
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膵臓がん
死亡者が増加傾向の第五位のがん
日本の膵臓がん発生数は増加傾向にあり、年間死亡者は一万六千人を超え、胃、肺、肝臓、大腸についで五番目を占めています。
とくに六十歳以上の膵臓がん死亡率が上昇しており、罷患率は欧米諸国とともに高い水準にあります。
膵臓は、胃の裏にある後腹膜腔に位置しており、全長十八センチ、幅三〜六センチ、厚さ一〜三センチの横に長い臓器です。
十二指腸に固まれる頭部と、休部、尾部に分けられます。
膵臓には、外分泌腺と内分泌腺とがあります。
外分泌腺は膵液という消化液を産生し、十二指腸へ分泌します。
内分泌腺は、インスリンなどのホルモンを産生し、血管へ分泌します。
外分泌腺の細胞は、腺房細胞と導管系細胞(膵管上皮細胞と腺房中心細胞)に分けられます。
腺房細胞は膵組織の九十%を占め、でんぷんを分解するアミラーゼ、脂肪を分解するリパーゼ、たんばくを分解するトリプシンなどの消化酵素を産生し、導管系細胞から水と重炭酸イオンを産生し、それらが輝管で混ざり合って、膵液となります。
内分泌腺は、ランゲルハンス島(膵島)にあるα細胞からグリカゴンを、β細胞からインスリンを産生して、血糖の調節をしています。
膵臓がんの種類
膵臓がんには、外分泌系のものと内分泌系のものがあります。
外分泌系は、膵管上皮から発生する膵管がん、腺房細胞から発生する腺房細胞がんに分けられ、内分泌系には、ランゲルハンス島から発生する島細胞がんがあります。
膵管がんはさらに管状腺がん、乳頭腺がんなどに分けられ、膵臓がんの七十〜八十%を占めており、通常、膵臓がんというときは膵管がんを指します。
膵臓がんは症状が出にくいため早期発見例が少なく、また後腹膜腔に位置しているので、周囲組織、とくに血管に浸潤しやすく、発見されたときには、すでに切除が不可能ということが多くあって、不治の病といわれていました。
しかし、画像診断の技術の進歩で早期発見例も増え、また、拡大根治術によって、近年、治療成績が向上してきています。
最近では、膵臓に生じた袋状の構造物を膵のう胞性疾患という概念で分類する場合もあります。
なかでもしょう液性のう胞腫瘍は良性悪性の判断が困難ですが、ゆっくりと発育していくため、早期に発見して切除すれば、再発率も低く、予後も良好との報告もあります。
その他、粘液性のう胞腫瘍というがんになりやすい腫瘍もありますが、早期に切除できれば、やはり予後は良好です。
島細胞がんは、腫瘍からホルモンを産生し、そのホルモン特有の症状が現れます。
今日では、島細胞以外にも、ホルモンを産生する細胞があることがわかっており、膵内分泌腫瘍と呼ばれるようになってきています。
腫瘍のなかには、単一のホルモンだけでなく、複数のホルモンを産生するものもあり、その場合、活性の強いホルモンの症状が出現します。
また、血中ホルモンが上昇していても、その特有の症状が出現しない、非機能性の腫瘍もあります。
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肝臓がんの予防
検査での早期発見
肝臓がんの生命予後は、肝臓がんの進行具合とともに、合併する肝硬変の病態にょって決定されます。
切除例では、五年生存率は約六十%を超え、エタノール注入療法や肝動脈塞栓術施行例でも、手術療法に匹敵する良好な結果が報告されています。
しかし、残された肝臓は、肝硬変を合併している例がほとんどのため、再発の可能性は高く、切除五年後の再発率は60%にものぼります。
したがって、肝硬変に肝臓がんを合併した人は、肝臓がん切除後も定期的に、超音波に代表される画像検査や血液検査を受け、その再発の早期発見につとめることと、肝硬変症の管理をしていくことが、再発予防となります。
また、とくにB型もしくはC型肝炎ウイルスの感染者や慢性肝炎、肝硬変のある人は、肝臓がん発生のハイリスク群として、定期的な検診が必要です。
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肝臓がんの検査
血液検査、GOT、GPT
GOTとGPTは、ともに肝細胞にある酵素で、たんばく質の源となるアミノ酸の合成に関与しています。
これらは肝臓に障害があると、肝細胞から血中に流れ出し、それらの上昇の程度によって、肝臓の状態を把握します。
しかし、GOTは、肝臓だけでなく、心臓や筋肉にも含まれているため、GOTが高い場合、心臓の病気や筋肉の病気(外傷や疲労など)も考えなければなりません。
γ-GTP、ALP(アルカリフォスファターゼ)
γ-GTPとALPは、肝細胞の毛細胆管などに存在し、肝臓でつくられる胆汁という消化液がうまく流出できないと、血液中に増える酵素です。
γ−GTPは胆汁うっ帯のほかに、とくにアルコール性肝障害時に敏感に反応するため、大酒飲みの人は、γ−GTPの値が休肝のよい指標になります。
ビリルビン
血液やからだにビリルビンがたまると、眼球や皮膚が黄色くなる黄症が現れます。
リルビンは、古くなった赤血球が壊されてできます。
血液中では、アルブミンと結合して肝臓に取り込まれたあと、胆汁中に排泄され、腸管内へ流れていきます。肝臓に取り込まれる前とあとで、ビリルビンの形が異なり、それらを測定することによって黄症の種類、原因を推測します。
血清タンパク、アルブミン
肝臓は糖質、脂質、たんばく質などの代謝をつかさどっています。とくにアルブミンは、総たんばくの半分以上を占めているため、肝機能障害でたんばく合成能が低下すると、アルブミンも低下します。その結果、浮腫(からだのむくみ)や腹水が生じます。
ICG
ICGという緑色の試薬を注射すると、肝臓に取り込まれて、胆汁となって流れ出ます。
十五分後に採血して、どれだけこの色素が血中に残っているかで、肝臓の排泄機能を調べます。
肝硬変や高度の肝障害時には、ICG測定値が高くなり、手術時の危険度や肝血流量の状態を評価します。
PT(プロトロンビン)時間
プロトロンビンは肝臓で合成される血液凝固因子のひとつで、肝機能をより鋭敏に示すため、PT時間が延長して血が止まりにくいときは、肝機能の障害を疑います。
腫瘍マーカー
がんができると、血液中に次のような特別な成分が増え、それを調べることで、どんながんが発生しているか、見当をつけることができます。
画像検査、エコー(超音波検査)
エコーはもっとも有力な検査法で、一センチ前後の病変まで発見可能です。簡便な検査でありながら、放射線と違って人体に侵聾を与えずに行えます。
X線CT,MRI
肝臓を輪切りにした状態や、縦、横、斜めにして観察できる検査で、エコーの補完的意義を持つ検査です。
造影剤を使用することによって、その質的診断に役立っています。
血管造影
正常な肝臓は、二割を動脈血で、残りの八割を門脈血によって栄養されていますが、肝臓がんの栄養は、すべて動脈から受けているため、血管造影検査によって、がんの存在や部位などがわかります。
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ウイルス肝炎
C型に感染すると大半が慢性肝炎に
肝機能障害や肝炎を起こし、肝硬変や肝臓がんの原因とされている肝炎ウイルスは、現在Fを除くA型からG型まで知られています。
なかでもB型とC型の肝炎ウイルスが肝硬変、肝臓がんと深く関係しています。
B型肝炎ウイルス(HBV)は、食物を介して感染することはなく、血液、精液などの体液が原因で感染していきますが、ほとんどが母子感染によるもので、幼児期から持続的にウイルス保有者になり、成人期になって発病すると、慢性肝炎になり、一部は肝硬変へと進んでいきます。
成人がはじめて感染した場合は、一過性に急性肝炎を起こすことがありますが、ほとんどの場合、慢性化せずに治癒してしまいます。
C型肝炎ウイルス(HCV)は、HBVと同様、血液などの体液によって感染します。
昭和三十年代から四十年代にかけて、輸血や血液製剤を必要とする手術や治療がたくさん行われていました。
当時は、肝炎ウイルスに対するチェックが不十分だったため、この時期にウイルスに汚染された血液が体内に入って感染した人が、現在のウイルス保有者の約四十%にのぼります。
しかし今日では、輸血用血液や血液製剤からC型肝炎ウイルスに感染することは、ほとんどなくなりました。
C型肝炎ウイルスは、B型肝炎ウイルスと比べて感染力が弱いため、家族間の感染や、性行為による感染はごくまれであるといわれています。
しかし、問題なのは、一度感染してしまうと自然治癒することがなく、大半がウイルス保有者となって、慢性肝炎を発症し、さらには、肝硬変や肝臓がんへと進展していくことです。
多くは無症候性だが慢性肝炎、肝硬変も
キャリア肝炎ウイルスを保有している人をキヤリアといいます。
B型肝炎ウイルスキャリアの場合、大半が幼児期に感染していますが、多くは、ワクチンが開発される以前に感染した人と考えられます。
キャリアとなった子どもは、B型肝炎ウイルスが体内に存在しても、その毒性が弱く、また子どもの免疫能も未熟なため、なんの症状も出現せず、無症候性キャリアとして経過します。
おとなになって免疫能も成熟すると、免疫機構が肝炎ウイルスを敵と認知し、攻撃を始めます。
このときに肝炎ウイルスとともに、正常肝細胞まで攻撃してしまうため、肝炎が生じるのです。
その結果、ウイルスが減少して、肝炎のあとは症状が出ないまま、無症候性キャリアとして生活していく人がほとんどですが、残りの一部の人はウイルスを十分排除できずに、肝炎ウイルスとの戦いをくり返していき、慢性肝炎となります。
慢性肝炎の経過中に、肝硬変に進展する場合もあり、そのなかでさらに、肝臓がんに移行してしまう人もいます。
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肺がんの治療
肺がんの治療法は、大きく分けて四つあります。
手術療法、放射線療法、化学療法、免疫療法の四つです。
手術と聞くと、まずこわいというイメージがわくと思いますが、からだからがんを除くのに、これほど確実な方法は他にありません。
むかしに比べて、手術の技術も麻酔の技術も非常に発達し、80歳近い人でも、かなり安全に手術ができるようになってきました。
しかし、せっかく胸のなかからがんを取り除いても、全身にすでに転移していては、手術をした意味がないので、手術ができるのは、がんが胸のなかだけに限局してある患者さんだけになります。
がんを早期に発見できれば、それだけ胸のなかだけにがんがあるうちに手術できるのですから、早期発見の必要性が理解できると思います。
手術は心臓がわるかったり、糖尿病がひどかったり、たばこをたくさん吸っていて、肺気腫がひどいといったきびしい合併疾患を持った人には、危険なことがあります。
日頃から健康管理をしっかり行っておけば、こういう際にも、安全に手術を受けられます。
手術療法は、がんがなかに入っている肺をいっしょに切り取る方法ですが、七十歳以下であれば、左右いずれかの肺を全部取ることも可能で、手術後もほぼ正常な生活ができます。
普通は左右のいずれかの肺の約半分を切り取ることが多くなります。
放射線療法、化学療法もかなり有効ですが、手術療法と比べると、どうも見劣りがします。その理由は、これらの治療法では、がんを完全になくすことができないからです。
それに、これらの治療法には、必ずといっていいほど副作用がつきもので、決して快適に治療が受けられるというものではありません。なかには、副作用が手術の痛みよりも耐え難いほど強い人もいます。
将来、いま以上にがんによく効いて、副作用の少ない薬が開発されるようになれば、手術も必要がなくなってくるでしょう。
免疫療法もありますが、有効とされるには、まだ先が長い治療法のようです。
以上、肺がんの治療法について簡単に書きましたが、この数十年間、がんの治療法の主流はなんといっても手術療法で、他の治療法にはこれといって大きな進歩はないのですが、長い目で見れば、抗がん剤も少しずつ新しいものが開発されてきており、近い将来は、外科療法が主流の座を降りる日が来ることを願っています。
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肺がんの検査
胸部レントゲン
最初に肺がんらしいものがあると知らせてくれるのが、胸のレントゲン(�]線)写真です。肺の写真でへんな影があるということから、いろいろな検査が始まることになります。
胸部のレントゲン検査は、喀疾検査やCTというレントゲン検査法と同様に少しの苦痛もなく、ごく気軽にできます。
胃や大腸の検査のように、前日に絶食するとか、候をよく出しておくなどという繁雑な前処置はいっさい必要なく、いちばん楽な検査といえます。
肺にはがん以外にも多くの原因で、いろいろな影が出ることがあります。
肺の写真で影があるからといって、すぐに肺がんということにはなりません。
それは肺炎の痕跡だったり、むかしの結核のあとだったり、まれには良性の腫瘍だったり、いろいろです。
しかし、ベテランの医者になると、レントゲン写真の影を見て、どうも肺がんらしいという一応の見当をつけることができます。そうはいっても、レントゲン写真はあくまでも影にすぎず、はっきりとは断言できません。
どうも肺がんらしいから、それ以上の検査をしようということで、さらにつぎの検査をすすめることになります。
写真ではいかにも肺がんらしくても、実際にはそうではないという例がたくさんありますので、医者からこの先の検査をしましょうといわれても、すぐに自分はがんだからだとは決して思わないでください。
CT
普通のレントゲン検査よりも、さらに細かいところまでも写せるのがCT検査です。これは丸い大きな筒のなかに患者さんに入ってもらい、患者さんは上向きにじっと潅ているだけで、十数分間で終わってしまうというごく簡単な検査です。
これでへんな影がより精密に、詳しく写し出されて、影の分析が精巧にされるのです。
この機械では、約五ミリほどのとても小さながんが発見されることがあります。
また、胸のなかで、肺がんがどのくらい進行しているかもわかるので、非常に有益な検査法です。
喀疾検査
患者さんにとって苦痛もなく、非常に楽な検査は喀疾検査です。自分の疾を容器に入れて、病院へ持ってくるだけですみます。その疾のなかにがん細胞があるかないかを調べるのです。
朝起きて顔を洗って、うがいをしたときに出る疾がよいのですが、他の時間に出たものでもかまいません。
いまは三日間くらいは容器に疫を入れたまま家に置いておいてもかまわないものができて便利ですが、溶液が入った特殊な容器がなければ、病院でくれる普通の容器でもけっこうです。
びんに疾を入れて、その日の午前中に病院へ持って来ていただくのです。できたら五日間続けますが、必ずしも連日である必要はありません。
疾のなかにがん細胞がはっきりと認められれば、肺がんと診断できるのですが、疫のなかにがん細胞が見つかる患者さんはむしろ少なく、確定診断には、さらに先へと検査を進めなければならないことのほうが多いのです。
気管支鏡検査
その先の非常に重要な検査が気管支鏡検査です。
気管支鏡は、太さが約五ないし六ミリで鉛筆とほぼ同じ太さの、先端から光が出る管で、これを気管支の細いところまで入れて内部を観察します。
管を入れる前には、十分に口中とのど、気管のなかまでも麻酔します。麻酔が十分にされていれば、それほど苦しい検査ではありません。
のどが非常に敏感な人とか、比較的若い人で、のどの反射が強い人には、ちょっと苦しい検査になるかもしれません。
この検査をすれば、肺のなかのかなりのところまでの情報が得られます。
とくに、気管支鏡で見える範囲内にがんがあれば、がんそのものを直接見ることができ、また、がん組織を採取してくることができます。
肺がんがもっと肺の端のほうにあって、気管支鏡で見えないときには、レントゲンを使って、その病巣まで細い器具を入れ、組織を採ってきて調べます。
この検査は外来でもでき、食事も検査が終わってから二時間もすればできるので、決して大げさな検査ではありません。
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肺がんの症状
症状初期には出ないがせきと血痕が重要
肺がん患者さんが、肺がんを黄初に発見したとき、どういう自覚症状を持っていたか、つまり、どんな症状があったのかを調べてみると、いちばん多いのは、なんといってもせき、それもがんこなせきです。
せきは、こんなによくみられる症状はないといっていいほど、非常にポピュラーな症状のひとつです。
せきは、感冒から気管支炎、気管支炎とまではいかずとも、のどかぜ程度でも簡単に出てきます。ですから、肺がんが実際にあっても、これほど見逃されやすい症状はありません。
せきがあっても、一般の人はいつもかぜだとしか思わず、つい気にしないことになってしまいがちです。
しかし、そこでよく考えてみると、たとえせきというごくあたりまえの症状でも、どこかしらいつもと違うせきがあるものなのです。
たとえば、インフルエンザのような病気が流行してもいないのに出るせきだとか、鼻汁とかのどの痛み、発熱など、上気道の炎症からくる感冒症状がないのに、いきなりせきだけが出現したり、とうに感冒は治っているのに、せきだけが残っている場合には、とくに注意が必要です。
その人の年齢も大きく考慮しなければなりません。
二十歳から三十歳代くらいの人であれば、感冒が長びいているものと考えてほぼまちがいないのですが、六十歳から七十歳代の人となると、これは無視できないことで、すぐにでもレントゲン検査を受けるべきです。
せきのつぎに気をつけなければいけない症状は血疾です。
疾のなかに血が混じったり、血だけが出る場合がありますが、実際には、血疾と断定するのは難しいことがあります。
口から血が出たといっても、必ずしも肺から出たとは限らないからです。
たとえば、歯ぐきから出た血とか、鼻血が口にまわって吐き出されたりするからです。そこのところをよく自分でもたしかめておく必要があります。
たいせつなことはせきといっしょに出た血かどうかということです。せきとともに吐き出されたものなら、血疾といっていいのです。
もともと気管支がわるくて、とくに気管支拡張症という病気があって、普段からせきとか疾が多い人とか、かぜをひくとすぐに喀疾が出てなかなか治りにくいといった人は、一年に数回血疫を出すことがあります。
そういう人は、よく肺がんとまちがえられて、病院で精密検査を受けることがあります。
肺がんでは、喀血といって大量の血液を吐き出すことがありますが、それはかなり進行してしまってからで、ごく初期のうちでは、そういうことはありません。
正常な人は、血疾症状はまったくといっていいほど出現しないのですから、血疾はとても重要な症状といっていいと思います。
ですから、それがあったら、ぜひ医療機関で精密検査を受けてください。
がんこなせきや血疾は、早期のうちに肺がんを見つけるために、決してなおざりにはできない症状ですが、とくに長い年月にわたってたばこをたくさん喫っている人は、肺がんになる危険が高いので、ぜひ精密検査を受けるべきです。
肺がんが進行すれば胸痛や体重減、食欲減が起こる
ところが、肺がんだといっても、必ずしもいままで書いたような症状が出るとは限りません。とくに早期のうちは、まったく症状が出ないことのほうがむしろ普通です。
そして、会社の集団健診とか、市や区の保健所でやっている住民健診を受けたところ、偶然にレントゲンで発見されるということがよくあるのです。
ですから、五十歳をすでに越した年齢になって、しかもたばこを多く喫っているような人は、以上のような症状がなくても、ちゃんと定期検査は受けたほうがよいのです。
大きな会社では、比較的しっかりと健診をしていますが、自営業の方とか、定年を過ぎて不定期にしごとをしたり、家で悠々自適の生活を送っている人や、王婦は、どうしても健康診断を受けることが少ないのではないでしょうか。
役所からの広報を見逃さず、こわがらずに、積極的に健康診断を受けてください。
肺がんの症状としては、他に胸が痛いとか、体重が減ってきたとか、食欲が減少してきたとか、息苦しいというのがありますが、これらはいずれもがんがかなり進んでから現れる症状です。
このような自覚症状ではじめて発見されるような肺がんは、それたけ進んでいると考えてよいようです。
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肺がんの原因
肺がんは、女性よりも男性が多くかかるということは、よく知られていますが、そのことからも推定されるように、たばこの煙と大気中の有害物質が、肺がんの大きな原因といわれています。
日本でもいま、盛んにたばこの害が宣伝されていますが、そのわけは、たばこが心臓にも脳の循環にもわるさをするだけではなく、肺がんにもよくないということが、かなりわかっているからなのです。
最近では、若い女性の喫煙が多くなっているので、将来が心配です。
また、喫煙の害が叫ばれているのにもかかわらず、日本の男性の約六割ぐらいは、まだたばこと線が切れないのが現状のようです。
女性も肺がんになりますが、その原因は、たばこの煙や大気汚染とは関係がないようです。そこのところは、まだよくわかっていないようですが、毎日食べるもののなかのある物質や、女怪だけにあるホルモンの異常が関係しているようです。
したがって、食べものやホルモンに関しては、肺がんにかからないように日頃からくふうすることはできませんが、たばこをやめるとか、喫う量を減らすとかの努力は、皆さんの心がけによって可能ではないでしょうか。
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食道がんの治療
内視鏡的粘膜切除法
四センチ以下でリンパ腺転移のない食道粘膜に限局した表在がんは、内視鏡を使って切除することが可能になりました。
以前はこの程度のがんでも、食道をほとんど切除していたのですから、たいへんな進歩といえます。
最近では電子スコープのおかげで、このような表在がんの発見が増えています。
手術療法
食道の粘膜を越えたがんの場合は、リンパ腺を含む食道亜仝摘といって、食道の五分の四を切除する方法が行われます。
食道がんは粘膜を越えると、頚部、胸部、腹部のリンパ腺に転移しやすいので、胸を開き、腹部を開いてリンパ腺を切除し、さらに頚部のリンパ腺も切除しなければならず、かなりの大手術になります。
しかも、切除した食道の代わりに、胃で代用食道を作成して、胸を通して頚部の食道につなげなければなりません。
時間的には7〜8時間かかる大手術です。
患者さんはこの手術に耐え得るだけの体力と、十分な、肺、心臓、腎臓の機能を持っていることが条件になります。この条件に満たないときは、胸を開かずに、縦隔から食道だけを切除します。
この方法ですと、頚部と腹部を切開するだけでできますが、それでもかなりからだに及ぼす影響は大きなものです。
これだけの大手術をしても、従来の五年生存率は20〜30%しかありませんでした。
しかし最近では、手術方法の改良、早期がんの発見率の上昇、化学療法の発達、放射線治療などにより、40%前後に上がりました。
いかに早期発見が重要であるかが、おわかりになると思います。
抗がん剤による治療
シスプラチンとという抗がん剤が多少効果がある程度で、決定的なものはありません。
放射線治療
以前は手術前、手術後の照射に使われたこともありましたが、現在は肺合併症が多いために、あまり用いられなくなりました。
現在では、抗がん剤との併用で効果が増強されることが知られ、主として手術療法が不可能な患者の治療に使われています。
温熱化学療法
がん細胞が、正常細胞より温熱に弱く、抗がん剤に対する感受性も高まることから、進行がんを中心に温熱化学療法が行われています。
現在では、粘膜に限局した表在がんに限っては、内視鏡的に切除することによって治すことが可能ですが、その他の症例には、先に紹介した治療方法を総合的に用いて治療し、生存率の向上をめざす治療が行われています。
これは、集学的治療と呼ばれていますが、いずれにしても、定期的に内視鏡で食道を観察して、早期に発見し、早期に治療することがもっとも重要なのです。
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食道がんの原因
食道がんの原因には、もちろん遺伝的な要因もありますが、疫学的にはヘビースモーカーと濃いお酒を飲む人に多いことがわかっています。
また、からいものや熱い飲み物を好む民族に多いことがわかっています。
つまり、刺激の強いものを摂りすぎると、食道がんになりやすいといえます。
慢性的な食道粘膜への刺激が、食道粘膜に炎症を起こし、粘膜の脱落と再生をくり返すことによって、遺伝子の変化を起こすものと考えられています。
喫煙と飲酒の習慣のある人はとくに注意して、年に一回は胃カメラを行ったほうがよいでしょう。
遺伝的な要素も、最近では重要視されてきています。生活や食事にいくら注意しても、がんになるときはなるのです。早期に発見されるためには、定期的に検査を受けることが重要です。
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大腸がんの治療
大腸内視鏡による治療法
がんの前段階として現在考えられているのは、大腸ポリープと平坦隆起性病変と平坦陥凹病変の三つがあります。
このなかで圧倒的に多いのは大腸ポリープです。これはわかりやすくいうと、大腸の粘膜にできるいぼです。
ほうっておくと、がんになる可能性があります。見つかったら内視鏡を使って切除しておいたほうが安心でしょう。
アメリカのカウボーイが、馬の上から輪になったロープを頭上で回しながら、牛の首めがけて投げて牛を捕まえるのをテレビや映画で見たことがあると思います。
切除の方法もこれに似ています。
内視鏡の先から輪を出してポリープにひっかけ、その根元で締めて高周波電流を流して焼き切るのです。
この方法はポリペクトミーといいます。ひっかかれば、どんなポリープでも切除可能です。直径二センチまでのポリープであればだいじょうぶです。
問題は平坦な病変と陥凹した病変ですが、粘膜内に生理食塩水を注入してふくらましたところに、輪をかけて根元を絞り込んで切除します この方法はEMR(内視鏡的粘膜切除)といいます。
粘膜内に限局した病変なら、たとえがんであっても切除可能です。粘膜に限局した直径二センチまでのがんであれば、ほとんど内視鏡で治療できます。
手術による治療法
大腸はひとつの管状の臓器で、その断面は四層に分かれています。
内側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、葉膜と呼ばれていますが、がんがどの層まで進んでいるかによって治療法が異なってきます。
なぜそのように異なってくるのでしょうか。
腸管はリンパ腺という組織に囲まれています。リンパ腺のなかにはリンパ球があり、腸管を外敵(細菌、ウイルス、がん)から守っているのです。
粘膜内のがんは、このリンパ腺にはほとんど転移はないのですが、がんが粘膜上層にまで達すると、がんのリンパ腺への転移の確率は数%となります。
しかし、リンパ腺は内視鏡では切除することはできません。開腹手術でリンパ腺を含めて腸管を切除するしか方法はないのです。
いずれにしても、内視鏡で切除できそうな病変は、とりあえず内視鏡で切除し、その後の組織検査の結果で、開腹手術するかどうかを決定することになります。
もちろんそれより深い病変はすべて開腹手術になります。
最近では、腹腔鏡を使って大腸を切除する方法が行われるようになってきました。
腹腔鏡とは、腹部を小さく切開して、細い棒状の筒を腹腔内に挿入して、その先端のカメラの画像をテレビで見ながら、特殊な紺子で大腸を切除する方法です。
傷も小さく術後の回復も早いのですが、時間がかなりかかかるという欠点もあり、今後さらに改良されるものと思われます。
直腸以外の大腸がんの手術の基本は、がんの存在する腸管を周囲のリンパ腺を含めて切除して、腸管を吻合する方法です。
よほど進行していなければ、術後もとくに問題なく安全な手術です。
人工肛門なしの直腸がん手術も
大腸がんの手術のなかで、いちばんたいへんな手術は、直腸がんの手術です。
それ以外の大腸の手術は、よほど進行していない限りそれほど難しくありません。
直腸がんの手術がなぜ難しいのかというと、この部位は肛門から十センチまでのところで、膀胱とか生殖器に関係する神経が多いからです。
以前は、完治をめざして、この神経まで切除していました。
ところが、手術のあとに自力でおしっこができなくなったり、男性は勃起不能になったりする人がかなり多かったのです。
しかし、その後、神経を切除しない手術法でも再発率があまり変わらないことがわかって、現在では神経を残す縮小された手術が主流となっています。
そして、以前の直腸がんの手術は、その半分以上が人工肛門をつくらなければならなかったのですが、現在では肛門から五センチまでのがんは、人工肛門なしで手術可能です。
この場所の手術は、医師から十分説明を受けてからにしたほうがよいでしょう。
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大腸がんの特徴
大腸がんのなかでもっとも多いがんは、直腸がんで、全体の約四十%を占めています。
また、S状結腸がんが、最近かなりの増加を示しています。直腸がんとS状結腸がんで全体の約八十%を占めています。
日本の食生活、し好の変化で、今後さらに増加することが考えられます。
また、がんの前段階と考えられているポリープは、S状結腸にもっとも多くみられます。この大腸ポリープは、内視鏡で切除可能です。大腸がんを防ぐには、この段階での治療が必要なのです。
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胃がんの手術
胃が残せる手術
入院して全身麻酔のための検査を行います。
つぎに転移の有無を調べるために、肺のレントゲン検査、CTスキャン、胃の血管撮影などの検査をします。
またその間、術後疾をよく出せるように、肺の訓練をします。この間約一週間程度です。
手術の前日に入浴して、そのあとおなかの毛をそります。夜寝る前に下剤を飲み、当日の朝、浣腸をして腸をすっきりさせておきます。
点滴を入れて、肩に鎮静剤を注射し、手術室に入ります。麻酔医に全身麻酔をかけてもらいます。
手術は約三〜四時間で終わります。麻酔から覚めると病室に移ります。
痛み止めを射ち、朝まで眠ります。鼻から、胃と十二指腸をつないだ場所に、細いチューブが入っています。術後約一週間でこの管が抜けます。それと同時に傷口の糸も抜けます。
まず水分が許可になります。そして流動食、おかゆと少しずつあがっていき、術後約三週間後には普通のご飯が食べられます。
退院後は二週間ごとの外来通院をしばらく続けます。手術の前とほとんど同じ食事が可能になります。
胃を全部取る手術
術前は同じです。
手術時間は約四〜六時間かかります。普通のご飯が食べられるようになるには約四週間かかります。
退院後は二週間ごとに外来治療を続けます。
胃は切除されているので、腸でつくった代用胃が快適に機能するまでは食事療法が必要です。
しかし、手術後年数がたつと本来の胃に近い働きをするようになります。
再発を防ぐ為の抗がん剤治療
早期の胃がんなら、手術療法でほとんど完治できますが、進行胃がんの場合は、手術後に再発する可能性が残ります。
この可能性を少しでも減らすためには、抗がん剤を併用する必要があります。
現在、抗がん剤で胃がんに効果のあるものは数種類ありますが、単独で決定的な効果のあるものはありません。数種類組み合わせて使用されるのが一般的です。
副作用としては、吐き気、骨髄抑制、脱毛などがありますが、現在では副作用を抑える薬も開発されているので、以前ほど問題になるようなことはなくなりました。
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胃がんの治療
どれだけ深いかで治療方法は異なる
胃がんの治療は、がんの進行具合によって治療方法も異なってきます。
それは前にも述べたように、がんの大きさというより、がんがどの深さまで進行しているかによって決まります。
がんの治療方法を決めるうえでもっともたいせつなことは、胃の周囲のリンパ腺に転移の可能性があるかどうかによります。
リンパ腺という組織は、胃のまわりを取り囲んでいて、ウイルス、細菌、がん細胞などの外敵と戦うリンパ球という細胞が集まっています。
がんが胃から出て転移を始めると、まずこのリンパ球と戦うことになります。このリンパ腺に転移がある場合、せっかく手術で胃を切除しても、リンパ腺にがんが取り残されることになります。
がんが粘膜内にとどまっている場合は、リンパ腺への転移はほとんどありません。ですから、病変が小さい場合は、胃カメラを使って切除することも可能です。
また、胃を切除する場合でも、小範囲の切除で十分なのです。
粘膜のすぐ下の組織は粘膜下層と呼ばれています。この層にはリンパ管や血管がかなり多く分布しており、粘膜と違って、この層までがんが進行してくると、リンパ腺に転移する確率は約10%となります。
リンパ腺は、がんのすぐ近くを取り囲む一群リンパ腺、そのさらにまわりを取り囲む二群リンパ腺、さらにその外側を取り囲む三群リンパ腺に分けられています。
粘膜下層までのがんの一群リンパ腺への転移の可能性は、約十%ですから、その周囲のリンパ腺、つまり二群のリンパ腺まで切除することによって、ほぼ完全にがん組織を切除できたといえるのです。
したがって、粘膜下層までのがんは、胃を切除するだけでなく、この二群のリンパ腺まで切除しなければなりません。これによって約九十八%の人の胃がんが治っています。胃の切除範囲も、約三分の二程度の切除で十分でしょう。
粘膜下層より深い部位まで進行したがん
早期胃がんと比較して、進行胃がんと呼ばれます。
この部位まで進行すると、がんのリンパ腺転移の確率は二十%から六十%と急激に上昇します。
リンパ腺も、二群よりもさらに遠い三群のリンパ腺まで切除しなければならないように、理論上は考えられるのですが、実際はそれ以上行っても、あまり生存率に差はないのです。
むしろ手術の影響で、下痢や腹痛、腰痛などの後遺症が残って、日常生活に影響を及ぼす場合が多いのです。
最近では二群のリンパ腺の切除にとどめ、そのリンパ腺の転移の状態で、そのほかの治療法を考えるという傾向にあります。
進行がん患者の五年生存率(五年間生きられる確率)は、四十%から五十%で、三群のリンパ腺にまで転移していると、ほとんど0%に近い数字となっています。
そのほかに抗がん剤による治療や、免疫療法などの治療法がありますが、決定的なものはありません。いかに早期治療がだいじかがおわかりになると思います。
また、進行がんになると、がん自体の大きさも増してきており、手術で胃を全部切除する場合が多くなります。
胃を残す場合と全部取る場合とでは、手術後の食生活や栄養状態にかなり差が出てきますので、貴近では、腸で胃の代わりになるような代用胃をつくって、消化吸収を助けるくふうがいろいろと研究されています。
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胃がんの検査
バリウムによる胃の透視造影検査
集団検診によく使われる検査法で、バリウム液を飲んで胃をふくらませ、体位をいろいろ変えてレントゲン写真を撮ります。
胃の全体像がつかめ、内視鏡では診断しにくい硬がんという特殊な胃がんの診断にも役立ちます。
このがんは隆起や潰瘍をつくらず、内視鏡ではよほど注意して観察しないと発見できないやっかいながんです。
しかし、この検査の弱点もあります。胃の背中側の粘膜の変化はよくわかるのですが、おなか側の粘膜の変化はかなりていねいに検査しないと、見逃す可能性があります。
また、胃液が多いと、バリウムがあまり粘液につかず、うまく造影できない場合があります。
集団検診では一度に多くの人を検査するため、ていねいさに欠ける面があり、小さな病変の見逃しが心配されるところです。
しかし、苦痛が少ないので、一般にはこの検査のほうが好まれています。
胃カメラ
この検査は、ファイバースコープという約九十センチの管を直接胃のなかに挿入し、胃の粘膜面を観察する方法です。
この方法ですと、胃の粘膜をくまなく観察できるので、かなり小さな病変でも発見できます。
最近では、さらに電子スコープという画像をコンピュータ処理できるものも普及してきて、かなり鮮明な画像が得られるようになりました。
技術的にも進歩して、ポリープや小さながんも胃カメラで切除可能になりました。
たしかに、のどを通過するために、多少苦痛を伴いますが、最近では鎮静剤を注射して、眠っている間に検査を行う施設も増えてきました。熟練者が行うと、無麻酔下でもほとんど苦痛は感じません。
早期にがんを発見するためには、なくてはならない検査法です。定期的に行うのなら、最初から胃カメラを行うほうがよいでしょう。
唯一の弱点は、硬がんという特殊ながんが見つけにくいということです。
このがんは、粘膜の下をはうように広がるがんで、一見粘膜面は正常に見えても、かなり進行している場合が多いのです。それでも熟練した医師なら見分けはつきます。
怪しい病変があったら、色素をかけたり組織を採って調べたり、またレーザー光線をあてたりと、胃カメラにはいろいろな用途があり、これからもさらに進歩するでしょう。
がんであるという診断は、胃カメラや胃の造影検査を行って、肉眼的にもある程度つきますが、診断を確定するためには、胃カメラでの組織診断が必要です。
これは生検と呼ばれていますが、このとき胃の組織は五段階に分けられます。
�@正常の胃の粘膜細胞
�A異型を示すが正常と診断される粘膜細胞
�B良性と悪性の中間の粘膜細胞
�C強く悪性を疑う粘膜細胞
�Dがん細胞
�C、�Dは手術を行います。
�A、�Bは厳重にフォローアップします。
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胃がん
年間五万人も死亡する
がんは増加傾向にありますが、冒がんは減少傾向を示しています。胃がんの死亡率も同様に減少傾向にあります。
しかし、一九九三年までは、がんの死因のトップでした。今後はさらに減少していくものと思われます。
これは、胃がん検診で早期の胃がんが発見されるようになったからです。
もちろん、診断技術の進歩や治療技術の進歩も、これに貢献しています。
早期の冒がんなら手術によって、ほとんど治るのです。
また、日本人の食生活の変化も、大いに関係しています。塩分を多く摂る地域に胃がん患者が多いということは、疫学的な調査でわかっています。
日本人の食卓には、梅干し、味噌汁、漬け物など塩分を多く含んだものが日常並んできました。
最近では、食生活の欧米化とともに、高血圧予防のための減塩傾向が、世間に広がったために、冒がんの発生そのものが減少傾向になっていると考えられます。
しかし、まだ年間約五万人近い人が胃がんで亡くなっています。
胃の働き
ものを飲み込むと、まず長さ約二十五センチの食道を通って、胃の入り口に到達します。ここを噴門といいます。
噴門を通過すると、まず底部というお椀の形をした部位にいったんたまり、そこから胃の休部と呼ばれる胃の中心部を通過して出口に近い前庭部にたまります。
そして、幽門と呼ばれる括約筋でできた出口から十二指腸という小腸へと運ばれていきます。
胃には食べたものを貯留する働きと、胃液によって食物を消化する働きがあります。
また、胃の構造は、内腔は粘膜でおおわれており、その下に粘膜下層、固有筋層の順で層状構造をなしていて、いちばん外側は葉膜という膜でおおわれています。
胃がんの発生
胃がんは胃の粘膜から発生します。予後は大きさより深さに左右される原因としては、遺伝的な要因に外的な刺激が加わって発生するようですが、正確なところはまだわかっていません。
塩分の摂りすぎは、疫学的に胃がんの発生を増加させる重要な外的因子といわれています。
胃がんの生活史は長く、一個のがん細胞が数ミリメートルのがんになるためには、数年かかるといわれています。さらに、進行がんになるまでに約五年から十年かかるといわれています。
胃がんの予後は、その大きさより深さが左右します。
粘膜と粘膜下層までのがんは、早期胃がんといい、それよりも深いがんは進行がんと呼ばれます。
早期胃がんは、手術療法で約98%は治ります。この時期に治療することが重要なのです。
もちろん医学の進歩のおかげで、進行がんもかなり治るようにはなりましたが、それでも約半数の人は亡くなります。
早期がんでは、ほとんど胃のまわりにあるリンパ腺には転移はありません。
しかし、進行がんでは、リンパ腺のみならず、血管を介して肝臓、肺などの臓器や、直接近くにある他の臓器に転移する可能性があります。この他臓器への転移がいちばん恐ろしいのです。
転移の前に治療できるかどうかが、生死を分けるといっても過言ではありません。
萎縮性胃炎 加齢とともに胃の粘膜に萎縮性の変化が現れ、胃酸分泌が減少、胃がんが発生するケースもある。
症状早期は症状がないが便が黒ずんだら注意
早期冒がんの症状はほとんどありません。
早期冒がんの見つかるケースでいちばん多いのは、胃炎や胃潰瘍で胃のあたりが痛いというので胃カメラを飲んだら、たまたま見つかったというのが圧倒的に多く、そのつぎに多いのは冒がん検診です。
このように早期の段階で治すには、定期的な検査が必要なのです。
進行がんの症状には、胃のあたりの痛み、食べると吐く、おなかにしこりを触れる、おなかが張るなどがあります。
また、トイレに入ったときは、必ず自分の便を見るくせをつけてください。
胃からの出血の場合は、便が黒っぽくなります。
出血の量が多い場合にはコールタールのように真っ黒になります。このようなサインを見逃さないことです。
いずれにしても、冒がんの場合は、かなり進行しないと症状が出ません。むしろ、胃炎や胃潰瘍のほうが自覚症状があるのです。
何度もいいますが、定期的な検査がたいせつなのです。
カテゴリー:がん予防・治療
進行がんにたいしての治療法
早期がんの5年生存率
胃がんで95%以上、乳がんで約97%、子宮頸がんで約86%という成績が出ている。
以前はがんと聞くと、不治の病だとか、死を覚悟するなどとか悲惨な印象しかなく、事実死亡率もかなり高率でした。
しかし、医学の進歩はめざましく、早期のがんならほぼ百%治すことができるようになりました。それは診断技術の進歩と手術をはじめとする治療技術の進歩のおかげです。
しかし、進行がんに対しては、まだ確実な治療法がありません。
放射線治療、手術、抗がん剤、遺伝子治療などの治療を組み合わせて進行がんと闘っても、満足する結果は出ていないのです。
100%がんを治すためには、早期発見、早期治療が原則です。現在のところそれがいちばんの方法です。
ところが、早期のがんにはほとんど症状がありません。早期がんが見つかるのは、たまたまという場合が非常に多いのです。
がんの発生率は四十歳を過ぎると急激に増加します。
そこで四十歳を過ぎたら、定期的にがん検診を受けることが必要なのです。
地方自治体や職場、さらには人間ドックなどでは、さまざまな検査法でがん検診が行われています。
もちろん、これらの検診を受けることはたいせつなことです。しかし、必ずしも満足のいくものではありません。せっかく検診を受けても、その精度が低ければ意味がないのです。
それどころか、むしろ危険でさえあるのです。
肺がん検診
これは比較的ポピュラーで、どの施設でも行える胸部レントゲン検査が一般的です。
できれば定期的に撮っておいて、前のものと比較できるようにしたほうがよいでしょう。
現在は、数十秒で撮れるヘリカルCTのある施設があるので、肺CTで肺の断層写真までやっておけば、なおいっそう安心です。
胃がん・食道がん検診
ほとんどの場合、バリウムを飲んで、体位を変えてレントゲンを撮る方法が行われています。
この検査の欠点は、胃袋の前壁が造影されにくいということです。
また、胃が荒れていると、細かい病変が造影されにくいという欠点もあります。やはり胃カメラのほうが精度は数段上でしょう。
それによって早期発見率はかなり高くなるでしょう。
大腸がん検診
一般的には、便潜血反応という検査が行われています。これは便のなかに血液が含まれているかどうかを調べる方法です。
進行がんの九十%以上が陽性に出ますから、進行がんを発見するにはよい方法です。
しかし、早期がんでは陽性率は約50%なのです。これではせっかく検査しても不安が残ります。
今後大腸がんは増加の一途です。やはり大腸カメラによる検診が望まれます。CTスキャンによる検診が望まれます。
肝臓、胆のう、膵臓がん検診
CTスキャンによる検診が望まれます。超音波検査ももちろん有用ですが、膵臓の診断に難点があります。
最近のヘリカルCTによって、さらに鮮明な画像が診断の精度を上げました。
胆のうに関しては超音波検査が優れています。年に一度は行いたいものです。
乳がん検診
まず医師の触診が重要です。そして、乳腺レントゲン検査を組み合わせることによって、その精度は増します。
乳がん検診は定期的に受診することがもっともだいじなのです。
乳がん検診は外科で行います。婦人科ではありません。
カテゴリー:がん予防・治療
がんは、生活習慣や食事の改善で予防
がんは、遺伝子の病気ということがわかってきました。
しかし、だからといって、予防できないわけではありません。もちろんすべてのがんを予防することはむりですが、生活習慣、食事などに注意することによって、ある程度は可能です。
近親者にがんがあったら注意
禁煙する
これによって肺がん、食道がん、咽頭がん、大腸がんなど、いろいろながんの危険率を下げることができます。
魚中心の和食にする
肉などの動物性たんぱくの多い食事習慣は、大腸がん、乳がんの発生率を高めます。
魚類、野菜、穀類中心の質素な食事こそが、がんの予防になるのです。とくに緑黄野菜、海草類をよく摂るようにしましょう。
ストレス発散
ストレスはからだの敵です。
いろいろなストレスは、がん遺伝子を活性化させたり、がん抑制遺伝子を不活性化したりして、がんを発生しやすい状態にします。
運動をしたり、旅行をしたり、いろいろな形でストレスを発散させましょう。
週2〜3回の定期的な運動をする
これによって便通も、新陳代謝もよくなり、消化器がんの予防になります。
お酒は飲みすぎない
お酒は百薬の長ですが、飲みすぎは咽頭がん、食道がんの発生率を高めます。
塩分の摂りすぎは、胃がんの発生率を高めます。
身体は常に清潔に
陰茎がん、皮膚がんの予防になります。
日光に当たり過ぎない
紫外線は皮膚がんの発生率を高めます。
これらのことに注意して生活することは、がんだけではなく、他の成人病の予防にもつながります。
若いうちはむりがききますが、四十歳を越えると、自分のからだの細胞自体もいろいろな変化を起こしてきます。
また、がんについてはかなり遺伝的な要素が強いこともわかってきました。
近親者にがんになった人がいる場合は、とくに気をつけたほうがよいでしょう。
カテゴリー:がん予防・治療
がん発生の原因
がんは遺伝子の病気であることがわかっています。私たちの細胞のなかに存在するある遺伝子が、なんらかの原因で変異して、いくつかの段階を経てがん細胞になることがわかりました。
そしてこれには、がん遺伝子とがん抑制遺伝子の二つが関与しているということがわかってきました。
これらの遺伝子は、生まれつき 私たちの細胞のなかにあり、なんらかの原因でがん遺伝子の活性化が起こり、さらにがん抑制遺伝子の不活性化が起きることによって発がんするのです。
がん自体は遺伝しないのですが、がん遺伝子とがん抑制遺伝子は生まれつきあるので、家族にがん患者のいる人はとくに注意する必要があります。
最近では、がんのなりやすさを遺伝子診断することも可能になってきました。
これらの遺伝子に影響を及ぼすものが、化学物質、放射線、紫外線、ウイルス、栄養状態、食事、習慣などです。
化学物質
現在知られている発がん性のある化学物質は、約二千種類ほどあります。
これらの化学物質にさらされる機会としては、職場での接触、飲食物、汚染大気の吸入などが考えられます。これらは、動物実験の段階で認定されたら、その予防は可能です。
まず国レベルで対策を立てるでしょうから、私たちはそれに従って避けることができます。
放射線
広島、長崎に落とされた原子爆弾の影響で、白血病や甲状腺がんが高率に発生しました。また、最近ではチェルノブイリ原発事故後に、やはり甲状腺がんが多く発生したという報道もありました。
核の時代に入り、この種の事故はこれからも起こる可能性があります。
紫外線
紫外線と皮膚がんの関係は、以前からいわれていました。直射日光を避けるくふうは必要でしょう。
とくに農業、漁業など、長時間野外でのしごとを行う人たちは注意が必要でしょう。
ある種のウイルスは、発がんに関係しています。現在では、肝炎の原因であるC型・B型ウイルス(肝臓がん)、ヒトパピローマウイルス(子宮がん)、HTLV−1(成人T細胞白血病)などが知られています。
栄養状態
動物性脂肪の摂取量と大腸がんや乳がんの発生率は、よく相関しています。
また、肥満者に乳がん、子宮がんが多いのも事実です。
習慣
喫煙と肺がんの関係は、以前から知られています。喫煙開始年齢が低ければ低いほど、肺がんになりやすいことがわかっています。
禁煙をすれば肺がんの危険率はじょじょに低下して、禁煙してから十年後には、非喫煙者と同じくらいの発症となることもわかっています。
また、アルコール自体には発がん性はありませんが、多量の飲酒は食道がんや咽頭がんの発生率を高めます。
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男性の肺がん
がんについて死亡数を部位別にみてみますと、胃および子宮のがんは緩やかな減少傾向を示しています。
これは治療法の著しい進歩と同時に、検診によって比較的早期に発見・治療が行われているためだと思われます。
しかし、それ以外のがんによる死亡は増加傾向がみられます。
とくに男性の肺がんによる死亡数は、年ねんかなり増加しており、平成五年にははじめて胃がんを上回り、平成七年にはその差がさらに広がりました。
これはいうまでもなく、たばこと大気汚染による影響と思われます。とくにたばこと肺がんとの因果関係は、あまりにも有名です。
禁煙することでかなりリスクを減らすことができます。
また、喫煙者の吸い込む煙よりも、火のついたたばこの先から出る青白い煙のほうがはるかに発がん物質を多く含んでいます。
たばこを吸う本人よりも、その周囲の人びとへ与える影響のほうが大きいのです。
四十歳を過ぎると年齢とともに増加
つぎに、平成九年度のがんによる年齢別の死亡者数をみてみると、四十歳から急に増えています。
そして五十、六十、七十歳と、年齢とともに急激な増加を示しています。
一個のがん細胞が進行がんになるためには少なくとも十年かかるといわれています。少なくとも四十歳からの注意が必要と思われます。
これらの統計を基にして、全国の都道府県では四十歳以上の人を対象に (子宮がん、乳がん検診は三十歳以上)集団検診事業を行っています。
しかし受診率は非常に低く、また検査の精度も低いのが実状です。
たとえ検診で異常がなくても、100%安心はできません。
もちろん検診を受けるのは最小限必要ですが、信用のおける医療機関での検査が必要となります。
たとえば胃の検査にしてもバリウムでの検査が一般的ですが、この方法ですと、胃の背中側の粘膜はよくわかるのですが、おなか側の粘膜は、よほどしつこく検査しないとわからないのです。
しかし、胃カメラであれば全部の粘膜を観察することが可能です。
また、最近では電子スコープによって、数ミリの病変まで発見できるようになりました。
最初から胃カメラをやったほうがいいのです。その他の検査でも同じようなことがいえます。
検査を受ける側にも、検査に対する正しい知識が必要です。自分のからだは自分で守らなければならないのです。
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がん予防のための食生活
厚生省の『疾病予防と栄養に関する検討委員会』がまとめた、がん予防のための食生活は、つぎのとおりです。
高塩食品を避ける
塩分の摂りすぎは胃がんの原因のひとつになります。
精製しない穀類、野菜類、豆類など食物繊維に富む食費を多く摂る
食物繊維は大腸がんの発生を予防します。
アルコール飲料は飲みすぎないよう、飲酒を心がける
アルコールは食道がんなどの原因のひとつです。
脂肪およびカロリーを摂り過ぎないようにする
脂肪の摂りすぎは大腸がん、乳がん、肺がんなどの原因のひとつになります。
食道がん、胃がんの原因のひとつです。
野菜類、とくに緑黄色野菜や生野菜、柑橘類などカロチンやビタミンCに富む食品を多く摂る
カロチン、ビタミンCなどは体内の酸化を防ぎ、発がんを防ぎます。
偏食、同じものを繰り返して食べることを避け、いろいろな食物をバランスよく食べる
栄養をバランスよく摂るとともに、発がん物質を多量に摂ることを避けるためです。
低栄養食(たんぱく質の不足)は大腸がん、食道がんの原因のひとつです。
規則正しい食事を摂り、よくかんで食べる
不規則な食生活は胃がんの原因のひとつです。
これらはがんを予防するための食生活ですが、その他の成人病の予防にもなるのです。
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がん治療の様々な方法
がん、心臓病、脳卒中は三大成人病と呼ばれています。
死亡原因のトップは依然がんですが、がんはいま、かつての「不治の病」から「治る病気」になってきています。
それには、がん検診や人間ドックの普及による早期がんの発見、次のような検査・診断捜術の進歩、そして治療法の進歩が大きく貢献しています。
ジャイロスコープス�]線撮影
患者のからだを回転させて、いろいろな方向から�]線撮影ができます。
とくに消化管の診断に有用です。
胃がんでは、造影剤のバリウムと、胃をふくらませて造影剤を胃壁に定着させる発泡剤を飲んで撮影する二重造影法によって、小さながん病巣もとらえることができます。
電子スコープ内視鏡
内視鏡機器の開発が進み、やわらかく屈曲しやすいグラスファイバーの先端に、ビデオカメラなどに使用されているCCD(固体撮影素子)をつけた電子スコープが普及しています。
CCDでとらえた対象臓器の情報をテレビモニタに映像として鮮明に映し出します。
また、疑わしい組織やポリープが発見された場合などは、それを採取ないし切除して病理検査に回すこともでき、上部消化管(食道、冒、十二指腸)、下部消化管(大腸)の精密検査には欠かせない検査です。
内視鏡検査には、そのほか肺がんの診断に役立つ気管支ファイバ20いま成人病が恐ろしいースコープもあります。
超音波診断装置
超音波を体外から目的の部位に向けて発射し、その反射波を画像にして診断します。
肝臓、胆道、膵臓、腎臓などの検査に用いられます。
深部にあって早期発見が難しかった膵臓がんも、この装置のおかげで早期発見が可能になりました。
超音波内視鏡
内視鏡の先端に超音波装置を取り付け、体内からの超音波画像を得ることができます。
がんの深さ、進行度を診断するのに有用です。
食道、胃、直腸、胆道や胆のう、前立腺などの検査に用いられます。
超音波誘導下穿刺法
組織を採取するとき、「目」の代わりに超音波画像で見ながら器具を確実に病巣に刺す方法です。
乳がん、肝臓がんなどの検査に用いられます。
CT
コンピュータ・トモグラフィの略で、�]線断層撮影装置です。
からだの周囲を回転しながら�]線を照射し、得られた情報をコンピュータで解析して画像にします。
全身のスライス画像が得られます。
とくに脳腫瘍や肺がんの発見に威力を発揮します。
最近では、ヘリカルCTといって、らせん状に回転して、連続的な画像を描出し、内部の三次元構造を立体情報として得られる装置も開発・普及しつつあり、より小さながん病巣も検出できるようになってきています。
MRI
磁気共鳴撮影装置です。
�]線を使わずに、磁気のなかでは体内の水素原子(プロトン)が共鳴する原理を利用し、画像化するものです。
CTは、いわば人体の輪切り画像だけですが、MRIは縦、横、斜めと任意の断面を描き出すことができます。
また、MRアンギオグラフィ(MRA)といって、同じ装置で血管を撮影することもできます。
がんの診断に限らず、脳血管障害などさまざまな病気の診断に活用されています。
マンモグラフィー
乳房を調べる特殊な�]線撮影装置です。
こうして診断したがんに対し、外科療法、放射線療法、化学療法を基本に集学的治療で臨んでいます。
外科療法の有効なほとんどのがんで、手術のマニュアル『がん取り扱い規約』が作成されており、ごく早期であれば、内視鏡を用いてがんを切除する(冒がん、大腸がんなど)ことも可能です。
放射線療法では、正常組織に影響が少なく、がん組織に最大のダメージを与える照射法が開発されています。
がんの形状を画像診断でとらえ、�]線装置とコンピュータを結んで、がんに多角的、集中的に照射することができるようになりました。
化学療法では、抗腫瘍効果を高め、副作用を軽くするため、作用の異なる抗がん剤を組み合わせて用いる多剤併用療法が主流となり、副作用対策も進みました。
たとえば、骨髄毒性(造血機能が低下し、赤血球、白血球、血小板が減る)のため、抗腫瘍効果は高いのに十分に投与できなかった抗がん剤も、白血球を増やすG-CSF(骨髄細胞増殖因子)が薬剤として開発されたおかげで、使えるようになりました。
また、がん病巣に集中的に抗がん剤を浴びせる動注療法もたいへん有効な療法です。
これは、がんが栄養をとっている動脈に細いチューブを通し、そこから直接抗がん剤を注大してがん細胞を死滅させる方法です。
さらに免疫療法、温熱療法、レーザー療法、ホルモン療法ほか、さまざまな治療が行われています。
一方、基礎研究も進んできました。
がん遺伝子、がん抑制遺伝子が発見されて、発生のしくみが遣伝子レベルで解明されつつあります。
発がんには二つの因子、つまり初発因子(イニシエーター)と促進因子(プロモーター)が作用することもわかっています。
将来、さらにがんの解明が進むとともに、がんを防ぐ方法もよりはっきりと見えてくることでしょう。
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がんは治る病気だと理解しよう
肺がんと聞くと、どんなことを頭に浮かべるでしょうか。まず自分が肺がんになったということを考えてみてください。
日本では、大部分の患者さんは、肺がんと聞くともうだめな病気だ、もう治らない、と決めてかかるようです。
肺がんに限らず「がん」と聞いただけで、これはもう助からないと、ひとりで決めてしまう人が非常に多いようです。とくに、お年を召している方にその傾向が強いようです。
なぜ、いまの日本人一般の傾向として、そういうことになったのでしょうか。
それにはいろいろな原因が考えられます。
ひとつには、読者の皆様には、いつもがんで亡くなった人のうわさしか耳に入らず、がんで治ったといううわさは、あまり耳に入ってこないのではないでしょうか。
他人のうわさというものは、よい話よりも不幸な話のほうが、印象に残りやすいためでしょう。
人の心理からも、こわい話、恐ろしい話は、すぐにも広く蔓延しがちなものです。
とくに、それについて正しい知識を持たず、世間話、お茶のみ話からだけ病気の知識を得ているごく一般的な人たちは、なおさらそういうわるいうわさを信じるようになると思います。
がんで治った人というのも、世間にはたくさんいるのですが、以前患者であったそういう人たちが、どういう心理状態か、そこのところは私自身ががんになって治ったという経験がないので、残念ながらよくわからないのですが、自分はがんになったけれども、手術をして治ったということをあえていいふらさないからか、それとも、自分が実際にはがんになったことをまったく知らず、医者からも家族からもほんとうの病名を知らされていなかったためではないかと思います。
いま、日本では、以前に比べてかなりの率で患者さん本人にほんとうの病名を告げることが多くなってきましたが、まだ欧米に比べて、はるかに少ないのです。
自分自身ががんという病名を知らないのですから、いくらその元患者さんであった人ががんで治った、治ったと宣伝したくても、それができないのです。
そういう理由もあって、がんという病気で治ったといううわさは、なかなか広まりにくいのではないかと思っています。
一方で、がんで亡くなった場合には、家族は医者からはっきりと死亡原因を知らされるので、隣近所の人から人へと、がんで亡くなったといううわさはすぐに広がります。
一般の人たちにがんの知識が乏しいのには、医者側と行政側のこれまでの怠慢があったようです。
アメリカのあるがん専門病院へ行くと、外来待合室に日本でいう厚生省またはその病院の専門家が書いたがんについてのわかりやすい小冊子が置いてあって、外来に来た人が、それを自由に持っていけるようになっています。
こうして一般の人たちは、詳しい知識を得ることができて、実際にその病気になっても、とまどうことが少なく、医者の説明も早くなっとくすることができます。
医者からすすめられる診断、治療法を安心して受け入れることができるわけです。
これからは皆さんも、わけもわからずにがんの恐怖にとりつかれないようになっていただきたいのです。
そして、もしがんになっても、決して絶望せず、悲観せず、積極的な気持ちで治療を受けてほしいと思います。
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がん死を確実に減らす方法
人はこの世に生を受けてさまざまな人生を送ります。成功や失敗をくり返しながら、それぞれの目的のために生活しています。
しかし、人の生は永遠ではありません。いずれは必ず死が訪れます。
天災、不慮の事故などはいたしかたないとしても、いわゆる成人痛(心臓病、糖尿病、脳卒中、がん)は、本人の心がけしだいでは予防も治療も期待できます。
平成九年度のがんによる死者は、二十七万五千人、心臓病は十四万人、脳卒中は十三万八千人でした。昭和五十六年以降、がんによる死亡は、常に死因順位の第一位になっています。
こうしたがん死亡者数の増加は人口の高齢化が大きく関与しています。
また、食趣やし好、生活習慣の変化も大きな原因になっています。
しかし、他の成人病の死亡者数はここ二十年ほとんど変化がないのに比べ、がんの死亡者数だけ増加しているのはなぜでしょうか。
それは手遅れのがん患者が増えているからです。
医療の急速な発達で早期のがんならほぼ100%治るようになりました。
しかし、進行がんの確実な治療法はいまだに確立されていません。
これがいちばん大きな原因といえます。
現在の段階でがんの死亡数を確実に減らす方法は、がんの早期発見・早期治療しかないと思われます。
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がんとはなにか
私たちのからだは約六十兆個の細胞からできています。そのすべての細胞は、かってな行動をとらないように遺伝子で制御されています。
そのなかでたった一個の細胞が反乱を起こし、さらに細胞分裂をくり返しながら大きな組織となっていきます。
その増殖のスピードは速く、また、周囲の組織のなかにも入り込んでいきます。
血液やリンパの流れに乗って、遠くの臓器に行き、そこで増殖を始めます。
そして正常な臓器の働きをしだいに奪っていきます。
一個のがん細胞が一グラムになるまでには約九年かかり、それが数キログラムになるまでに、さらに三年かかるといわれています。がんの生活史は意外と長いのです。
現在のがん精密検査では一グラム以上のがんは発見可能です。
がんでいちばんこわいのはほかの臓器への転移です。転移してからの治療では遅すぎるのです。
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