感染症 − 問題は抵抗力の低下
感染症と聞くと、すぐ治る急性疾患と考えがちです。
確かに風邪などは一過性の急性疾患ですが、「肝炎」や「エイズ(後天性免疫不全症候群)」などは、現在ではまだ治すことのできない慢性疾患ですし、免疫力が低下しているために感染力の低い菌やウィルスにも感染してしまう「日和見感染」や「結核」(まだまだ過去の病気ではありません)、
そして抗生剤の乱用の結果生まれたとされる抗生剤耐性菌による「院内感染」(菌交代現象といいます)なども治癒の難しい慢性疾患と考えて対処していかなければなりません。
多くの人間の命を奪ってきた感染症は、時代によりさまざま存在してきましたが、感染症とその克服のいたちごっこの歴史は、今後もずっと続いていくのでしょう。
感染症は、病原体が体内に入り、生体がなんらかの反応を示したときに病気として成立します。
たとえ病原体が体内に入っても、症状が出なければ感染症とは診断されません。
わかりやすい例をあげてみましょう。
エイズは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染しても症状の出ていない期間(不顕感染)のときはキャリア(ウイルス保有者)であって、感染症患者ではありません。
この潜伏期間を経て、発熱や体重減少といった症状が現れたときに、はじめてエイズ感染症の発症となるわけです。
感染症の原因となる病原体は、細菌、真菌、ウイルス、プリオン(異常たんぱく)などがあげられますが、その感染が成立するのは、病原性(菌やウイルスが病気を起こそうとする力)が人の抵抗力よりも強くなった場合に考えられます。
これは、強い感染力をもつ病原体だけが問題なのではありません。
抵抗力が非常に低下し感染しやすい状態の人が、身のまわりに常在する、平素は無害な菌にも感染してしまう「日和見感染」も大きな問題なのです。
また、病原体が増加して、病原性そのものが強くなった場合には、通常の抵抗力をもった人でも発症してしまいます。
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